この症例のポイント
脳腫瘍(悪性神経膠腫)。病理診断:Glioblastoma, IDH wild type, WHO grade Ⅳ, MIB-1 20%, p53 5%。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 診断・手術 | 悪性神経膠腫の診断で手術を行うも切除困難。生検のみで閉頭。 |
| 標準治療 | 術後に放射線治療+抗がん剤(テモダール→アバスチン)を開始。 |
| 進行 | 5ヵ月後、抗がん剤の効果なく進行と判定。 |
| 免疫療法 | ご家族の希望で当院を受診し、樹状細胞ワクチン療法を併用。 |
| 経過 | 併用開始後、全身状態は良好で、MRI上も進行停止を維持。 |

当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、標準治療としての放射線治療・抗がん剤に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を組み合わせています。
膠芽腫は標準治療後の再発・進行が早いがんです。当院では、放射線でがん細胞が壊れて免疫の標的になりやすい時期に免疫療法を重ねる設計を重視しています。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。本症例:樹状細胞ワクチン療法 4ヶ月・7回投与ののち継続。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では重い副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。
使えます。膠芽腫に対する樹状細胞ワクチンは海外でも臨床試験が行われており、当院でも標準治療と併用する形で実施しています。この症例は放射線・抗がん剤後の進行に対して併用し、進行停止を維持しています。
あります。この症例は生検のみで閉頭した状態から、放射線・抗がん剤・免疫療法を組み合わせて経過を維持しています。取り切れない腫瘍に対しては、進行を抑えて生活を守る設計を行います。
抗がん剤の切り替え(アバスチンなど)に加えて、免疫療法の併用が選択肢になります。当院では免疫の状態を検査で確かめ、樹状細胞ワクチン療法を主治医の治療と並行して行います。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。