膵臓がん・肺がん・大腸がんの90%以上に関わるRAS遺伝子変異。プレシジョンクリニックグループは、国内でいち早くRAS阻害薬×免疫療法の複合戦略に取り組んできた専門外来です。
RAS(ラス)遺伝子は、細胞の増殖シグナルを制御する「スイッチ」のような役割を持つ遺伝子です。RAS変異が起こると、このスイッチが「常時ON」状態になり、がん細胞が無秩序に増殖します。ヒトのがん全体の約30%、膵臓がんの90%以上にRAS変異が存在しますが、長年にわたり「ドラッガブルでない(薬で標的にできない)」とされてきました。
しかし2021年以降、RAS変異を直接ターゲットにするRAS阻害薬(RAS Inhibitor)が次々と開発・承認され、がん治療のパラダイムが大きく変わりつつあります。当グループは、この革新的な治療領域にいち早く着目し、RAS阻害薬と免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を組み合わせた複合戦略の研究・実践に国内で先駆けて取り組んでいます。
当グループが独自システム(RAS Watcher)で毎週追跡している、RAS阻害薬ファミリーの最新開発状況です。
ダラクソンラシブ
daraxonrasib / RMC-6236
G12C・G12D・G12V・G12R等、複数のRAS変異を1剤でカバーする世界初のPan-RAS阻害薬。Revolution Medicines社開発。
✅ FDA EAP承認済(2026年5月) → 詳細解説記事を読むエリロンラシブ
elironrasib / RMC-6291
KRAS G12C変異に対する次世代阻害薬。GTP結合型(ON状態)を標的とし、第一世代G12C阻害薬と異なるアプローチ。
🔵 Phase 1/2 進行中ゾルドンラシブ
zoldonrasib / RMC-9805
膵がんで最も多いKRAS G12D変異に対する選択的阻害薬。膵がんへの適用に期待が高まる。
🔵 Phase 1/2 進行中RMC-5127
RMC-5127(開発コード)
KRAS G12V変異(膵がん・肺がんで頻出)を標的とした選択的RAS阻害薬。前臨床から臨床試験へ移行中。
🔵 Phase 1 進行中※ 上記はすべて日本未承認薬です。承認状況は随時更新。最終更新:2026年5月30日
当グループの専門医が、RAS阻害薬の最新エビデンスをわかりやすく解説します。
2026年5月31日 ASCO Plenary Sessionで発表された第III相RASolute 302最終解析を専門医が速報解説。全生存期間13.2ヶ月、死亡リスク60%低下の確定データ。
世界初のPan-RAS阻害薬。第III相試験で化学療法比・全生存期間約2倍延長(13.2ヶ月 vs 6.7ヶ月)。承認状況・副作用・日本での見通し・KRAS変異検査まで専門医が解説。
KRAS変異を標的とした樹状細胞ワクチン療法との相乗効果。分子標的薬による腫瘍微小環境の「ホット化」と免疫誘導を組み合わせるiCCI戦略を解説。
日本でRAS阻害薬×免疫療法の複合戦略にいち早く取り組んできた専門外来としての4つの強み
KRAS変異そのものを標的にしたネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法を実施。患者個別のHLA型・変異タイプに合わせて設計。
PubMed・ClinicalTrials.gov・FDA等を独自システム(RAS Watcher)で毎週自動アップデート。世界最前線の情報をいち早く患者へ提供。
エクソーム解析および各種リキッドバイオプシーを個別に実施。KRAS変異タイプの同定から、最適な治療プランの構築まで一貫対応します。
海外からの患者様にも英語で対応するSynerTri Immunotherapy®プログラムを提供。アジア・欧米からの来院実績あり。
RAS変異(KRAS変異)があると、どんな治療が考えられますか?
変異の「型」とがんの種類によって異なります。KRAS G12C型では承認薬(ソトラシブ)が使える場合があります。膵がんで多いG12D・G12V・G12R型には、現時点で国内承認された直接の阻害薬はなく、研究段階の薬剤や免疫療法、経路を標的とする併用などが検討の対象になります。まず遺伝子検査でご自身の変異の型を確認することが出発点です。
膵臓がんにRAS阻害薬(ソトラシブ)は使えますか?
ソトラシブの国内承認は非小細胞肺がんと大腸がん(いずれもKRAS G12C型)で、膵がんは承認の対象外です。また膵がんでG12C型はまれで、多くはG12D/G12V/G12R型です。そのため膵がんでは、研究段階の次世代RAS阻害薬や免疫療法などを、相談の上で個別に検討することになります。
ダラクソンラシブは日本で使えますか?
2026年5月時点で、ダラクソンラシブは国内・海外とも未承認の研究段階の薬剤です。使用を検討する場合は、医師の責任のもとでの個人輸入、拡大アクセス制度(EAP)、または治験への参加などが前提となります。適応・入手可否・費用・リスクは、相談の上で個別にご説明します。
標準治療を続けてきましたが、ほかに選択肢はありますか?
遺伝子検査の結果によっては、検討し得る選択肢が見つかる場合があります。ただし、それらには研究段階や適応外の治療が含まれ、効果が確立していないものもあります。当外来は治療の効果をお約束する場ではなく、選択肢のメリットとリスクを正直に整理し、一緒に検討する相談の場です。
費用はどのくらいかかりますか?
RAS変異がんに対して検討する治療の多くは公的医療保険の対象外(自由診療)です。費用は選択する内容によって大きく異なるため、相談時に目安をお伝えします。費用面のご相談も承っています。
「自分のKRAS変異タイプは?」「ダラクソンラシブは使えるの?」「樹状細胞ワクチン療法と組み合わせられる?」——こうした疑問に、RAS変異がん治療の専門医が無料でお答えします。
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矢﨑 雄一郎
プレシジョンクリニック東京 院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア
元消化器外科医/免疫療法開発企業の創業者・ファウンダー
RAS遺伝子変異は、膵臓がんをはじめ多くのがんの根底に関わる、治療の重要な手がかりです。私たちは、RAS変異を標的とする治療の動向を継続的に追いながら、遺伝子情報にもとづいて一人ひとりに合う選択肢を一緒に検討してきました。承認薬から研究段階の選択肢まで、効果とリスクを正直にお伝えすることを大切にしています。RAS変異がんの治療でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
※「日本初」は、RAS変異がんに特化した専門外来として当グループが整備した体制を指す当グループ独自の表現です(2026年5月時点・当グループ調べ)。
本ページは2026年5月30日時点の情報に基づいています。掲載している薬剤はすべて日本未承認です。実際の治療方針は必ず主治医または専門医にご相談ください。
監修:矢﨑雄一郎(プレシジョンクリニック東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア)
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