Immune Environment Optimization

免疫環境療法

がんと戦う免疫が力を発揮できるように、体の内側の環境を整える治療です。免疫療法の効果を支える土台づくりです。

免疫環境療法とは

がんが周囲につくる環境(腫瘍微小環境・TME)と、患者さまの全身状態の両面から、免疫が働きやすい体内環境を整える治療です。温熱療法・BRM(生物学的応答調節)・既存薬の応用(ドラッグ・リポジショニング)・栄養療法の4本立てで、主に抗炎症・抗酸化作用を通じて免疫療法の効果を高めることを目指します。治療コンセプトを見る →

免疫環境療法の特徴

01免疫が働く環境を整える役割:免疫療法の土台づくり
02がん側と患者さま側の両面狙い:腫瘍微小環境(TME)と全身状態
034本立てで組み合わせる方法:温熱・BRM・既存薬の応用・栄養

免疫環境療法の仕組み ― 2つの「側」から免疫の環境を整える

がん免疫がうまく働くには、がんそのものが作り出す環境と、患者さまの全身状態、その両方が鍵になります。がんは周囲に炎症や免疫抑制の環境(腫瘍微小環境・TME)を作り、免疫の攻撃から逃れようとします。一方で、患者さまの栄養状態や腸内環境が乱れると、免疫は本来の力を発揮できません。

腫瘍微小環境では、がんを支える線維芽細胞(がん関連線維芽細胞)、免疫を抑える細胞(制御性T細胞、骨髄由来抑制細胞、M2型マクロファージ)、慢性的な炎症、低酸素や酸性の環境などが重なり、がんの目印を覚えたキラーT細胞が働きにくくなります。免疫環境療法は、この一つひとつに働きかける手段を組み合わせます。

免疫環境療法は、このがん側(TME)と患者さま側(全身状態)の両面から、免疫が働ける環境を整えます。がんの炎症と酸化を抑え、免疫にとって有利な体内環境をつくることが基本的な考え方です。抗がん剤のような即効性のある治療とは異なり、免疫療法の効果を引き出すための土台(体内環境)づくりを目的とします。

当院の免疫環境療法 ― 4本立て

温熱療法・BRM(生物学的応答調節)・既存薬の応用(ドラッグ・リポジショニング)・栄養療法を、患者さまの状態と腫瘍微小環境の評価に応じて組み合わせます。

01 Hyperthermia 体やがんのある部位を温めることで、がんと戦う環境を後押しする治療です。温熱療法は連携医療機関にて実施します。患者さまの状態に応じて、免疫療法や他の治療との組み合わせを検討します。
02 Biological Response Modifier がんと戦う免疫を活性化させる薬剤・栄養剤を組み合わせて用います。がんが分泌する免疫抑制物質により減少したアミノ酸を補い、免疫が働くために重要な腸内環境を整えることで、免疫の働きをがんと戦う方向へ調整します。
03 Drug Repositioning がんの周囲の炎症や免疫抑制にかかわる経路に作用することが報告されている既存の薬を、腫瘍微小環境(TME)の評価結果に基づいて選び、免疫が働く方向へ環境を調整します。本来の適応とは異なる使い方(適応外使用)となるため、根拠と副作用をご説明し、同意のうえで行います。
04 Nutritional Therapy 栄養状態と免疫環境を整える食事療法です。糖質制限食と高脂肪食を組み合わせるケトン食療法を、患者さまの状態に応じて取り入れます。
Key Point

科学的根拠と免疫メカニズムに基づく選定

01 導入する薬剤・栄養剤・食事療法は、いずれも臨床試験等で一定の効果が確認されたものを重視して選定しています。試験管上の理論ではなく、実際に患者さまに使用され効果が確認された方法を採用しています。
02 複雑に作用し合う免疫システムの各ポイントに働きかける方法を選んでいます。科学的根拠と免疫メカニズムに基づき、がんと戦う免疫力を引き出すことを目指します。

どのような方に

免疫療法の効果を高めるために体内環境を整えたい方、栄養状態や全身状態を支えながら治療に取り組みたい方が対象です。血液検査のデータに基づき、患者さまごとに必要な組み合わせをご提案します。抗がん剤のような即効性のある治療ではなく、時間をかけて土台を整えていく治療である点をご理解ください。

SynerTri Immunotherapy®とは?

当院の治療は、SynerTri Immunotherapy®の考え方に基づき、免疫を高める〈アクセル〉としての樹状細胞ワクチン療法、免疫の〈ブレーキ解除〉としての免疫チェックポイント阻害薬、局所療法という〈スイッチ〉を組み合わせて設計します。免疫環境療法は、これらの治療が働くための体内環境(土台)を整える治療として、初診日から並行して進めます。SynerTri Immunotherapy®について詳しく →

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Flow

治療の流れ

血液検査・病理染色・TME免疫組織染色・遺伝子検査の結果をもとに、初診日から環境づくりを始めます。

01
医療相談

血液検査の結果に加え、病理染色、TME免疫組織染色(腫瘍微小環境の評価)、遺伝子検査の結果を参考に、患者さまに必要な組み合わせを組み立ててご提案します。担当医師が免疫環境療法について詳しくご説明しますので、些細なことでも気兼ねなくご相談ください。

02
環境づくりの開始

これらの結果をもとに、BRM(薬剤・栄養剤)や既存薬の応用を組み合わせて初診日から体内の免疫環境の改善を始めます。温熱療法は連携医療機関で実施します。

03
免疫療法への橋渡し

免疫環境療法は、免疫療法の効果を引き出す土台(体内環境)づくりが目的です。時間を要する治療のため、初診日から始めて免疫療法に備えます。血液検査データを見ながら適宜助言を行います。

副作用・リスク

免疫環境療法は、基本的に安全性の高い薬剤・栄養剤・食事療法の組み合わせで構成されています。しかし、それぞれの方法に特有の副作用が生じる場合があります。以下は概要で、詳細は医療相談時に担当医師にご確認ください。

  • 薬剤(BRM):一部の患者さまでは、発熱、注射部位の痛み、軽度のアレルギー反応や一時的な倦怠感が見られることがあります。
  • 栄養剤:特定の栄養素に対する過敏症が発生する可能性があります。
  • ケトン食療法:初期段階では一時的に糖質を控えることに伴う症状が現れることがあります。また、脂質の摂取量が増えることで下痢を起こす場合がありますが、時間とともに改善されます。
  • 温熱療法:連携医療機関にて、患者さまの状態を確認しながら実施します。

あらかじめご用意いただく書類・資料

  • 診療情報提供書(紹介状):かかりつけの医療機関が作成するもの
  • 臨床検査データ:血液検査・遺伝子パネル検査など、最近のもの
  • 画像検査データ:CD-R・DVD-Rなど、最近のもの
  • 使用中のお薬の内容がわかる書類、おくすり手帳、お薬の説明書など

※書類・資料がなくても、医療相談は受けられます。

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費用

費用は、選択する組み合わせ(BRM、ケトン食療法、温熱療法など)によって異なります。温熱療法は連携医療機関にて実施します。当院の治療は自由診療です。項目ごとの目安金額は料金表をご確認ください。詳細はお気軽にご相談ください。

FAQ

よくあるご質問

免疫環境療法だけでがんを治療できますか?
免疫環境療法は、免疫療法の効果を引き出すための土台(体内環境)づくりを目的とした治療です。抗がん剤のような即効性のある治療とは異なり、免疫療法などと組み合わせて用いることを前提としています。
ケトン食は自宅でできますか?
ご自宅で取り組む場合も、医師の指導のもとで行います。進め方は医療相談の際にご説明します。
温熱療法はどこで受けられますか?
温熱療法は連携医療機関にて実施します。患者さまの状態に応じて、免疫療法やほかの治療との組み合わせを検討しながら進めます。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
免疫環境療法は体内環境を整えることを目的とするため、時間を要します。初診日から始めて、免疫療法に備えていくことをおすすめしています。

※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。当院の治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。

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