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TOP コラム 悪性リンパ腫の治療方法は?原因や検査方法も解説

投稿日:2026.1.8/更新日:2026.1.8

悪性リンパ腫の治療方法は?原因や検査方法も解説

悪性リンパ腫は、血液細胞の一種であるリンパ球ががん化する病気です。リンパ球は本来、体を守る免疫システムとしての役割を担っていますが、この細胞に異常が生じることで悪性リンパ腫につながります。

悪性リンパ腫にはさまざまな種類があり、それぞれのタイプによって進行の速度や治療方法が異なります。

本記事では、悪性リンパ腫の原因や検査方法、治療方法などについて詳しく解説します。

悪性リンパ腫とは

悪性リンパ腫は、リンパ球という血液の細胞ががん化してしまう病気です。リンパ球は白血球の一種で、普段は細菌やウイルスと戦ったり、がん細胞を攻撃したりする大切な役割を担っています。

この病気には多くの種類があり、大きく分けて「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2つがあります。さらに非ホジキンリンパ腫は、どのリンパ球ががん化したかによって細かく分類されています。「悪性」という名前がついていますが、ほとんどの場合、治療によって病気の症状が消える状態(寛解)を目指すことが可能です。

首や脇の下、足のつけ根などのリンパ節が腫れてくることが多く、腫れていても痛みを感じないのが特徴です。しかし、リンパ球は全身に存在するため、胃や皮膚などさまざまな場所に病変ができることもあります。発熱や体重減少、寝汗といった症状が現れることもあります。

悪性リンパ腫の発症原因

悪性リンパ腫がなぜ発症するのか、原因についてはまだ完全には解明されていません。

現在わかっているのは、リンパ球の遺伝子に何らかの異常が起こり、細胞の寿命や増え方がおかしくなることが関係しているということです。また、一部のタイプでは、ウイルス感染が原因となることも確認されています。さらに、免疫機能が低下している状態が発症につながるケースがあることもわかっています。ただし、はっきりとした原因を特定することは難しいのが現状です。

悪性リンパ腫の検査方法

悪性リンパ腫が疑われる場合、病気の有無や種類、進行度合いを正確に把握するために、さまざまな検査が行われます。血液検査や画像検査など、複数の検査を組み合わせて、詳細に検査していきます。ここからは、悪性リンパ腫の診断に用いられる主な検査方法について、詳しくご紹介します。

血液検査

血液中の白血球、赤血球、血小板の数や、肝臓・腎臓の働きを調べる検査です。悪性リンパ腫では「LDH(乳酸脱水素酵素)」という数値が高くなることがあります。

また、「sIL2-R(可溶性インターロイキン2受容体)」という物質が腫瘍マーカーとして役立つことがわかってきました。腫瘍マーカーとは、がんがあるときに特徴的に現れる物質のことで、診断の手がかりや治療効果の確認に使われます。ただし、悪性リンパ腫でもこの数値が変わらないこともありますし、逆にリンパ腫以外の理由で数値が上がることもあるため、この検査だけで判断することはできません。

リンパ節生検・腫瘍生検

腫れているリンパ節を取り出して、詳しく調べる検査です。リンパ節の全体、または一部を採取します。一般的には局所麻酔で行いますが、腫れている場所によっては全身麻酔が必要になることもあります。

リンパ節が腫れる原因には、感染症などの炎症や、がんの転移、悪性リンパ腫など、いろいろな可能性があります。そのため、取り出したリンパ節を顕微鏡で観察し、正確な診断を行っていきます。この検査は診断を確定するために非常に重要です。

画像診断

画像診断として、胸部X線検査や腹部超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査などを行います。

①胸部X線検査

最も基本的な画像検査で、胸のリンパ節の腫れや肺の異常を確認できます。

②腹部超音波検査

超音波を使っておなかの中のリンパ節や臓器の状態を調べます。ただし、体格によっては見えにくいこともあります。

③CT検査

X線で体の断面を撮影し、病変の大きさや広がりを詳しく調べます。造影剤を使うこともあります。

④MRI検査

磁気を使って体の内部をさまざまな角度から画像化します。放射線を使わないので被ばくの心配がありません。

⑤PET検査

特殊な薬剤を注射して、全身のがんの広がりを調べます。病気の進行度合いを判断したり、治療の効果を確認したり、再発のチェックにも使われます。

骨髄検査

骨髄は血液の細胞をつくる場所です。悪性リンパ腫の細胞が骨髄にまで広がっているかどうかを確認するために行います。

腰の骨などから骨髄液や骨髄組織を採取し、顕微鏡で異常な細胞がないか調べます。顕微鏡での観察に加えて、細胞の表面にある特徴的な目印(マーカー)を調べたり、染色体の異常を確認したりすることもあります。これらの検査結果は、どのタイプの悪性リンパ腫なのかを正確に判断するために、とても重要な情報になります。

悪性リンパ腫の治療方法

悪性リンパ腫の治療は、病気のタイプや進行度、患者さまの体の状態などに応じて、最適な方法が選ばれます。現在では複数の抗がん剤を組み合わせた薬物療法を中心に、放射線治療や造血幹細胞移植など、いくつかの治療法があります。ここでは、悪性リンパ腫に対する主な治療方法について、それぞれ詳しくご紹介します。

薬物療法

悪性リンパ腫の治療では、複数の抗がん剤や分子標的薬を組み合わせて使う「多剤併用療法」が中心となります。薬の組み合わせ方にはいくつものパターンがあるため、患者さまの病気のタイプや体の状態に合わせて選んでいきます。

非ホジキンリンパ腫の初めての治療では、CHOP療法(3種類の抗がん剤とステロイドの組み合わせ)がよく使われます。これにリツキシマブという薬を加えたR-CHOP療法、ポラツズマブ ベドチンを加えたPola-R-CHP療法、ベンダムスチンとリツキシマブを組み合わせたBR療法などを採用する場合もあります。

ホジキンリンパ腫に対しては、ABVD療法(4種類の抗がん剤の組み合わせ)や、A-AVD療法(ブレンツキシマブ ベドチンという薬を含む組み合わせ)などが用いられます。

これらの初回治療の多くは、入院せずに外来で受けることができます。もし再発した場合には、初回とは違う組み合わせの抗がん剤を使って治療することが一般的です。

放射線治療

ゆっくりと進行するタイプの悪性リンパ腫で、病変が体の限られた範囲にとどまっている場合は、放射線治療だけで治療できることもあります。

放射線治療は病気を治すためだけでなく、症状を一時的に和らげて患者さまの苦痛を軽くする目的でも行われます。また、後でご紹介する造血幹細胞移植を行う前の準備として使われることもあります。

造血幹細胞移植

骨髄などから血液をつくるもとになる「造血幹細胞」を取り出して、患者さまの体に戻す治療法です。

この治療には大きく2つの方法があります。一つは患者さま自身の造血幹細胞をあらかじめ採取して冷凍保存しておき、強力な抗がん剤治療の後にそれを体に戻す「自家移植」です。

もう一つは、別の人(ドナー)から造血幹細胞を提供してもらう「同種移植」です。悪性リンパ腫の治療では、自家移植が主に行われています。

自家移植では、通常は血液中にいない造血幹細胞を、特別な薬(G-CSF)を使って骨髄から血液中に呼び出してから採取します。採取した造血幹細胞は凍結保存され、強力な治療の後に患者さまの体に戻されます。この方法を「自家末梢血幹細胞移植」といい、悪性リンパ腫ではよく用いられる治療法です。

悪性リンパ腫を放置するとどうなるか

悪性リンパ腫は自然に治ることのない病気なので、必ず治療が必要です。治療を受けずにいると病気が進行し、命に関わる危険性が高くなってしまいます。

首や脇の下、足のつけ根などのリンパ節の腫れやしこり、発熱、体重減少、ひどい寝汗といった症状が現れたら、早めに医療機関を受診しましょう。適切な治療を受けることで病気をコントロールすることが可能です。