PANCREATIC CANCER
目次
ご存知ですか?膵臓がんは遺伝子の異常で起きる病気です。その代表がKRAS(ケーラス)と呼ばれる遺伝子の異常で、膵臓がんの約90%に見られます。
あなたの膵臓がんもおそらく、この遺伝子が壊れたことで暴走しています。
私たちは、開院以来、ステージ4の膵臓がん治療に力を入れてきました。
その理由は、進行膵臓がんは、がんの中でも完治が難しく、治療選択肢も限られているためです。
当外来では、膵臓がんの根本原因であるKRAS(ケーラス)遺伝子に注目し、独自の膵臓がん治療を開発、治療実績を積み重ねてきました。
その結果、グループにおける治療実績は、膵臓がんが治療実績数、学術的実績数ともにNo,1になります※。
今まさに膵臓がんの治療を受けられている患者さま、治療選択肢がなくなった膵臓がん患者さまは、ぜひ私たちにご相談ください。
膵臓がんプレシジョンメディシンチーム
・抗がん剤(分子標的薬):明星智洋医師
・免疫療法・研究開発:岡崎能久医師
・免疫療法・研究開発:矢﨑雄一郎医師
・栄養療法・研究開発:畠山昌樹医師
※当グループのがん種別治療実績数での比較
膵臓がんは難治性のがんとして広く知られています。
なぜ膵臓がんの治療が難しいのか?
その理由としては、
・KRASをはじめとする耐性遺伝子の異常(変異)
・薬が届きにくい密ながん周辺の組織
・抗がん剤を排出するポンプの過剰発現
・低酸素で免疫抑制的な環境
・低い免疫原性
が挙げられます。
これらの要因により、治療が効きにくくなっていますが、一方で新たな治療法のヒントも隠されています。
私たちは、あなたの膵臓がんの持つ特性を考えながら、あなたに最適なステージ4の膵臓がん治療に取り組んでいます。
私たちが目指すプレシジョンメディシンは、「副作用を最小限に、効果を最大限に」です。
肺や肝臓に転移しているあなたの膵臓がんが、私たちのプレシジョンメディシンによってどのように変わるのか?
当グループで治療されたステージ4の膵臓がんの患者さまを例にご紹介いたします。
他の病院で、もっとも強い抗がん剤(FOLFIRINOX)を受けたのち、強い副作用(皮疹・吐き気・食欲低下)が出現。
主治医から「もう、うちでは抗がん剤はできない。緩和ケアを考えましょう。」と告げられました。
そんな中、ご家族がネットを調べ、膵臓がん患者さまの口コミを見て、ご来院されました。
初診時の状態は、
体力:自立歩行でのご来院
食事量:通常の60%弱→その直後に30%弱へと低下
腫瘍マーカー:CEAは80台、CA19-9は7,000台(いずれも上昇傾向)
でした。
患者さまのがんは勢いを増しており、すぐにプレシジョンメディシン(分子標的薬治療+プレシジョン免疫療法)の準備を始めました。
遺伝子検査の結果、膵臓がんの原因がKRAS(ケーラス)遺伝子の異常(G12R)であることがわかったため、それを狙い撃つプレシジョンメディシンを準備することになりました。
その間にも体力・食欲は日に日に低下。腹膜播種による腹痛も出てきて、食事量はあっという間に30%以下にまで落ち込みました。
麻薬系の痛み止めと消炎鎮痛剤を増量せざるを得ず、またたくまに自立歩行での来院も難しくなってしまいました。
1ヶ月弱の準備を経て、ようやくプレシジョンメディシンを開始。
当グループの中で最も強力な免疫療法(オプジーボ+放射線療法を含む)を選択しました。
免疫療法は本来、じわじわと効果を発揮させる中長期的な治療となるため、遺伝子検査の結果を基に、患者さまにピタッとハマる抗がん剤(分子標的薬)もスタートしました。
このピタっとハマる抗がん剤(分子標的薬)は、まさにがんの勢いを抑える即効性を期待したお薬になります。
抗がん剤は副作用のため使えないと前主治医から言われていたため、当医師チームで新しいお薬の副作用リスクについて十分な議論を重ねた上で、慎重に開始することになりました。
さて、プレシジョンメディシンを開始してからもなお、腫瘍マーカー(CA19-9)の数値は上昇し続け、7,000から15,000を超えている状態でした。
もはやがんの勢いは当グループの治療でも抑えることはできないか?と、不安がよぎりました。
しかし、そこから一転、患者さまの体調はみるみる改善。
食事量は30%弱から80%にまで一気に回復。
なんとゼリーやおかゆのような流動食から、普通にお肉(ヒレステーキ)まで食べられるように回復しました。
上昇していた腫瘍マーカーは1か月で、
CA19-9:1,600(ピーク15,000)
CEA:36(ピーク120)
まで低下。
他院で悩まされた抗がん剤の副作用については、頭や顔に皮疹がみられたものの、日常生活を損なう副作用はなく、対症療法で様子をみることができました。
即効治療である分子標的薬がピタっとハマり、腹部にピンポンボール大にまで触れていたしこり(膵臓がんによる腹膜播種)は触れなくなり、痛みも完全に消失。飲んでいた強い痛み止めを終了することができました。
何よりお顔や言葉に力がみなぎり、ご自身で当院にお電話をかけてくるようになり、再び自立歩行で来院できるまでになりました。
私たちが目指すプレシジョンメディシンは、「副作用を最小限に、効果を最大限に」です。
ステージ4という状況においては、一度低下した体力・食欲を取り戻すことは容易ではありません。
この症例は、即効性が期待できる治療(分子標的薬)で日に日に悪化していった体力・食欲をV字回復させることに成功、それを維持していくための中長期的な治療(免疫療法)を上手く組み合わせていくことで良好な治療経過が得られた患者さまになります。
いずれの治療も副作用の負担が少ないことが特徴であり、ステージ4で緩和ケアを宣告された膵臓がんの患者さまでも開始できる治療になります。
「まだお仕事やご家族のことでやるべきことが残っている」とおっしゃられていた患者さまのご希望に沿うことができた一例です。
膵臓がんは悪性度の高いがんであり、ステージ4にもなると、従来の治療だけでは限界が見えてきます。
私たちは、膵臓がんの約90%がKRAS(ケーラス)遺伝子の異常によって暴走していることに注目し、この異常を標的にした膵臓がんの根本治療に開院以来取り組んできました。
「ステージ4の膵臓がん治療にブレイクスルーを」
ブレイクスルーとは、本質的かつ革新的な解決策で問題を突破すること。
私たちはこの理念のもと、膵臓がんの根本原因を狙い撃つ「プレシジョンメディシン」で、今まさに膵臓がん治療でお悩みの患者さまに革新的な解決策をご提案し、力強いサポートをお約束いたします。
監修医師
矢﨑 雄一郎
元消化器外科医/日本を代表する免疫療法の開発企業『テラ株式会社』の創業者・ファウンダー
免疫療法・研究開発を担当。がん免疫療法、具体的には樹状細胞ワクチン療法の開発に2002年から関わってきました。プレシジョンクリニックグループにおいては代表として、日々プレシジョンメディシンの普及に取り組んでいます。
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