MOLECULAR TARGETED DRUG THERAPY
目次
分子標的薬治療は、がんの原因となる特定の分子を狙って抑える抗がん剤治療です。この治療法では、がん細胞と正常細胞の違いをゲノムレベルおよび分子レベルで明らかにし、がんの増殖や転移に必要な分子を特異的に抑えることで、治療効果を発揮します。
従来の抗がん剤(殺細胞性抗がん剤)は、一般的にがん細胞だけでなく正常細胞にも影響を与えることがありますが、分子標的薬治療は薬剤を設計する段階から明確に分子レベルの標的を定めている点が異なります。
このため、より特異的にがん細胞に作用し、副作用を最小限に抑えることができます。
01
初回の医療相談では、患者さまおよびご家族さまからお話をお伺いし、遺伝子検査(遺伝子パネル検査)や分子標的薬について、担当医師が詳しくご説明いたします。些細なことでもお気軽にご相談ください。
02
当グループまたは主治医のもとで遺伝子検査(遺伝子パネル検査)を行います。検査結果は10日から1ヶ月程度で出てきます。その結果をもとに患者さまに適した分子標的薬を決定します。
※遺伝子検査(遺伝子パネル検査)の結果、適切な分子標的薬が見つからない可能性があります。ご了承ください。
03
分子標的薬治療は抗がん剤治療であるため、使用する薬剤に伴う副作用が出現します。当グループで基本的に副作用の管理を行っていますが、この治療については主治医の了解が必要となります。
04
遺伝子検査(遺伝子パネル検査)の結果、適合する分子標的薬が見つかり、治療を開始するとなった場合、薬剤を発注します。発注には約1ヶ月かかります。この間に、主治医と連携し、薬剤の副作用管理等の調整を行います。
当グループでは、治療開始後、2週間から4週間ごとに定期的な血液検査を実施し、患者さまの状態を継続的にモニタリングしています。また、CTなどの画像検査については、基本的に2〜3ヶ月に一度行います。
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治療の評価は、CTやMRIの画像検査、または腫瘍マーカーを用いて定期的に行います。必要に応じて、新たに遺伝子検査(遺伝子パネル検査)を実施することもあります。
分子標的薬は、標的とする分子によって副作用が異なります。がんのタンパク質を標的とするため、副作用は基本的に少ないと考えられていますが、標的分子はがん細胞だけでなく正常細胞にも存在する場合があります。
そのため、副作用が発生することがあります。
薬剤ごとに特徴的な副作用が現れるため、当グループの専門医が各薬剤の効能と副作用について詳しく説明いたします。主な副作用には、発熱、皮膚障害、肺障害、高血圧、肝機能障害、下痢などがあり、症状の出現時期には個人差があります。
※書類・資料がなくても、医療相談は受けられます。
治療にかかる費用には、遺伝子検査(遺伝子パネル検査)の費用と、月々の分子標的薬の費用が含まれます。 分子標的薬の費用は薬剤によって異なりますので、詳細についてはお気軽にご相談ください。
項目 | 回数 | 費用 |
遺伝子検査(遺伝子パネル検査) | 1回 | 40〜60万円程度 |
分子標的薬 | 月 | 50〜100万円程度 |
監修医師
矢﨑 雄一郎
元消化器外科医/日本を代表する免疫療法の開発企業『テラ株式会社』の創業者・ファウンダー
免疫療法・研究開発を担当。がん免疫療法、具体的には樹状細胞ワクチン療法の開発に2002年から関わってきました。プレシジョンクリニックグループにおいては代表として、日々プレシジョンメディシンの普及に取り組んでいます。
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