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TOP コラム 膵臓癌のステージ3の症状は?生存率や治療方法を解説

投稿日:2026.1.23/更新日:2026.1.23

膵臓癌のステージ3の症状は?生存率や治療方法を解説

膵臓癌のステージ3は、腫瘍が膵臓の周りにある血管や組織に広がっている状態を指します。この段階では、痛みや黄疸、体重減少といったさまざまな症状が現れることがあり、日常生活にも影響が出てくることがあるため注意が必要です。

本記事では、膵臓癌のステージ3の症状や治療方法、生存率について解説します。

膵臓癌のステージ3の特徴と症状

膵臓癌がステージ3まで進行すると、さまざまな症状が現れてきます。腫瘍が周りの組織や血管に広がることで、痛みや消化に関わる不調を感じることも。まずは、膵臓癌のステージ3でよく見られる症状を解説します。

上腹部から背中にかけての痛み

膵臓癌が進行すると、腫瘍が周囲の組織に影響を及ぼし、痛みを感じるようになることがあります。特に上腹部に鈍い痛みや重苦しさを感じ、それが背中や腰の方まで広がっていくことが特徴的です。この痛みは食事の後に強くなったり、仰向けに寝ると増したりすることがあるため、前かがみの姿勢をとると少し楽になる患者さまもいらっしゃいます。また、夜間に痛みが増して眠れなくなるケースもあります。

初めは軽い違和感程度だった痛みが、次第に持続的な痛みへと変わっていくこともあるため、このような症状が続く場合は早期に医師に相談することが大切です。

黄疸

膵臓にできた腫瘍が胆管という胆汁の通り道を圧迫すると、胆汁がうまく流れなくなり、黄疸という症状が現れることがあります。黄疸が出ると、皮膚や白目の部分が黄色っぽく見えるようになります。また、尿の色が濃い茶色になったり、反対に便の色が白っぽく薄くなったりする変化が見られることもあります。

さらに、全身に強いかゆみを感じることもあり、これは胆汁に含まれる成分が血液中に増えることで起こります。黄疸は目に見える変化なので、患者さまご自身や周りの方が気づきやすい症状です。

体重の減少

膵臓癌が進行すると、多くの方が短期間で体重が減少する経験をされます。これは単なる食欲不振だけではなく、癌による体の代謝の変化や、膵臓の機能が低下することで食べ物の消化吸収がうまくいかなくなることが原因です。数週間〜数か月の間に、特に食事制限をしていないのに数キロ単位で体重が落ちることがあります。吐き気や胃の不快感を伴うこともあり、食事をとることが辛くなってしまう方もいらっしゃいます。

吐き気

膵臓の腫瘍が大きくなると、周りの消化管や胆汁の通り道を圧迫し、消化の働きに影響が出ることがあります。その結果、吐き気や胃のむかつきを感じることが増えてきます。特に食事の後に症状が強くなることが多く、食べたいのに食べられない、という辛い状態になることもあります。

胆汁の流れが妨げられると、脂っこいものが消化しにくくなり、消化不良を起こしやすくなることも。このような吐き気が続くと、十分な水分や栄養が取れなくなり、脱水や栄養不足につながる心配もあります。

膵臓癌のステージ3の治療方法

ステージ3の膵臓癌では、患者さまの状態や腫瘍の広がり方に応じて、いくつかの治療法を検討します。手術や抗がん剤、放射線治療など、それぞれに目的や期待できる効果があります。また、症状を和らげるための支持療法も大切な治療です。ここからは、膵臓癌のステージ3で行われる主な治療法について詳しく解説していきます。

手術療法

膵臓癌の治療の中で、完治を目指せる可能性があるのは手術による切除です。ただし、膵臓癌は発見された時点ですでに進行していることが多く、手術ができる方は全体の約2割程度といわれています。手術が可能と判断された場合、腫瘍のある位置によって術式が選ばれます。

膵臓の頭部に腫瘍がある場合は、膵臓の一部と十二指腸、胆嚢などを一緒に切除する大きな手術が行われます。体部や尾部に腫瘍がある場合は、その部分を中心に切除します。手術後は、残っているかもしれない癌細胞に対して、再発を防ぐ目的で抗がん剤治療を追加することが一般的です。

手術は体への負担も大きいため、医療チームと相談しながら進めていきます。

化学療法

手術が難しい場合や、癌が進行している場合には、抗がん剤による治療が中心となります。膵臓癌の治療では、いくつかの薬が使われます。

例えば、ゲムシタビンという薬は長く使われている標準的な治療薬ですが、これだけでは効果に限界があることがわかっています。そこで、より効果を高めるため、複数の薬を組み合わせる方法が基本になっています。日本においては、全身状態や年齢、合併症に応じてゲムシタビン単剤や内服薬であるS-1単剤を選択することもあります。

フォルフィリノックスという治療法は4種類の薬を組み合わせたものになりますが、進行した膵臓癌に対して効果が期待できる一方で、副作用も強めです。ゲムシタビンナブパクリタキセルを組み合わせた方法も広く使われています。体の状態や年齢なども考慮しながら、適切な治療法が選ばれます。

また、最近では遺伝子を調べてMSI-H / dMMR、NTRK融合、BRCA1/2などのDNA修復異常が見つかった場合には、免疫療法やオラパリブ(リムパーズ)などの分子標的薬を検討する場合がありますが、適合例では有効性が期待できます(頻度は多くありません)。

手術を目指すための化学療法(NAC)も行われています。化学療法によって腫瘍の縮小や血管浸潤の改善が得られた場合には、コンバージョン手術(切除)が検討されます。

放射線療法

放射線治療は、主に手術ができない局所進行した膵臓癌に対して行われます。目的は大きく2つあり、ひとつは抗がん剤と組み合わせて腫瘍を小さくすることを目指す治療、もうひとつは痛みなどの症状を和らげるための治療です。

抗がん剤と放射線を組み合わせた化学放射線療法は、遠くへの転移はないものの、膵臓の近くにある重要な血管に癌が巻き込んでいて手術ができない場合に行われる標準的な治療のひとつです。組み合わせることで、より高い効果が期待できます。施設は限られますが、重粒子線や陽子線といった特殊な放射線治療が受けられる場合もあります。

また、痛みを和らげる目的で放射線治療が行われることもあります。特に骨に転移した場合の痛みには効果的とされています。

放射線治療では、照射する部位や量によって副作用が異なりますが、皮膚の色が濃くなったり、吐き気や食欲不振、白血球の減少などが起こることがあります。まれに消化管の粘膜が荒れて出血し、便の色が黒くなることもあります。

支持療法

膵臓癌の患者さまにとって、癌そのものへの治療だけでなく、痛みのコントロールや栄養状態を保つことも非常に重要です。痛みが強い場合には、神経ブロックという方法で痛みを和らげる方法が行われることもあります。また、食欲が落ちたり消化吸収がうまくいかなくなったりすることで栄養状態が悪化しやすいため、栄養サポートも大切な治療のひとつです。これらの支持療法は、日々の生活の質を少しでも良く保つことを目指しています。膵臓癌の治療は患者さま一人ひとりの状態や進行度によって異なるため、知見や情報に基づいて、その方に最も適した治療法を選んでいきます。

膵臓癌のステージ3の生存率

ステージ3の膵臓癌の余命は、平均して6ヶ月〜1年程度とされています。ただし、これはあくまで統計上の数字であり、すべての方に当てはまるわけではありません。抗がん剤などの治療への反応が良い方や、新しい治療法を受けられる方の中には、これよりも長く生存される方もいらっしゃいます。一人ひとりの状態によって経過は異なるので、担当医とよく相談しながら希望を持って治療に取り組んでいくことが大切です。

他のステージの生存率

膵臓癌の予後は、見つかった時のステージや治療の内容、患者さまの体の状態によって大きく変わってきます。

・ステージ1:5年以上

早期に発見され手術がうまくいった場合、5年以上生存される方も少なくありません。中には10年以上元気に過ごされている方もいらっしゃいます。ただし再発の可能性もあるため、手術後も定期的な検査を続けましょう。

・ステージ2:1〜数年

治療の効果や体の状態によって異なりますが、平均的な余命は1年から数年とされています。積極的に治療を行うことで、生存期間が延びることも期待できます。しかし、腫瘍の大きさや広がり具合、体力や他の病気の有無などによっては、これより短くなることもあります。

・ステージ4:3〜6ヶ月

平均的な余命は3か月から6か月程度といわれていますが、体の状態や治療への反応によっては、これより長く生きられる方もいらっしゃいます。この段階では、緩和ケアも行って痛みや辛い症状を和らげ、少しでも快適に過ごせるようケアしていくことが重要になります。