THERANOTICS
目次
セラノスティクス(Theranostics)は、治療(Therapy)と画像診断(Diagnostics)を組み合わせた新しい医療メソッドであり、プレシジョンメディシンの一つです。特に近年注目されているのが、前立腺がんに対するセラノスティクスです。
前立腺がんに特徴的なタンパク質であるPSMAを標的にした「PSMA標的治療」は、PSMAを持つがんの位置を画像で特定し、その部位に放射性薬剤をピンポイントで届けることができる、セラノスティクスの代表的な治療法です。
このアプローチにより、前立腺がん細胞をピンポイントに攻撃することが可能であり、精密医療(プレシジョンメディシン)の実現に寄与しています。
この治療法は現在、米国、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、ドイツなどの欧州諸国で行われています。当グループでは、オーストラリアと連携してPSMA標的治療を提供しています。
また、現在、前立腺がんだけでなく、膵臓がんに対するセラノスティクスの開発も進行中です。
去勢抵抗性前立腺がんに対する新しい治療法です。
前立腺がんの中には、通常の治療に反応しない「去勢抵抗性前立腺がん」というタイプがあります。これは、標準治療後にも病気が進行したり転移したりすることがある難治性の前立腺がんです。この治療法は、海外でこの去勢抵抗性前立腺がんに対して承認されています。
PSMAは、前立腺がん細胞に特有に存在するタンパク質です。この治療法では、PSMAを狙った特別な薬剤を使用します。 具体的には、「ルテチウム -177」という放射性薬剤を使って、前立腺がんの部位にだけ高い線量の放射線を正確に照射します。
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PSMA標的治療は、前立腺がんに特有のPSMAタンパク質を狙い、全身に転移したがんに高精度で放射線を届ける治療法です。 特に標準的な治療が難しい去勢抵抗性前立腺がんの場合に有効であり、治療の効果をリアルタイムで確認しながら進められるのが特徴です。
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1. 事前相談:
まず、当グループの専門医と相談し、 PSMA標的治療の適応について確認します。この段階で治療の適応があるかどうかを評価します。
2. 渡航手配:
治療の適応が確認されると、オーストラリアへの渡航準備を始めます。フライトのスケジュール、宿泊先の手配、現地での移動手段など、渡航に必要なすべての手続きを当グループがサポートします。
3. 現地到着:
現地に到着後、指定された病院に移動し、翌日に適応検査を受けます。この検査により、治療を受けるための最終確認が行われます。
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1. 適応検査:
治療の前日に、ガリウムPSMA PET/CT検査(日本国内では行えない特殊なPET検査です)を受け、前立腺がん細胞におけるPSMAの発現を確認します。
2. 検査結果の確認:
検査で PSMAが発現していることが確認されれば、翌日に治療を実施します。PSMAの発現が確認されなかった場合、治療はキャンセルとなり、検査費用を差し引いた治療費を返金いたします。
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1. 治療準備:
検査結果を基に治療計画を最終確認します。これにより、患者さまに最適な治療を提供するための詳細なスケジュールと方針が確定されます。
2. 治療実施:
点滴によるPSMA標的治療薬の投与を行います。治療自体は1時間程度で終了します。
3. 経過観察:
治療後、2日間の入院による経過観察を行います。この期間中、医師による診察や必要に応じた追加の検査が行われ、治療の効果と安全性を確認します。
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1. 退院手続き:
治療後、病状に問題がなければ退院手続きを行います。医療チームから治療証明書を受け取り、帰国の準備を進めます。
2. 帰国:
リムジンタクシーで空港に移動し、フライトで帰国します。渡航の手続きも当グループがサポートいたします。
3. フォローアップ:
帰国後も当グループの医師によるフォローアップを継続します。治療効果の確認や、必要に応じた追加の治療の提案を行い、患者さまを引き続きサポートします。
このように、PSMA標的治療は渡航から治療、帰国後のフォローアップまで、包括的にサポートいたしますので、安心して治療に臨んでいただけます。
PSMA標的治療の副作用として唾液腺障害があります。これはPSMAを標的とする薬剤が前立腺だけでなく唾液腺にも集積する性質があるためです。その副作用の度合いには個人差があるものの、日常生活に支障をきたすことは少ないです。
※書類・資料がなくても、医療相談は受けられます。
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当院では、PSMA標的治療適応判定を受けられた方に対して、渡航から治療までの包括的なサポートを提供します。
詳しい内容や費用については、当院までお問い合わせください。
監修医師
矢﨑 雄一郎
元消化器外科医/日本を代表する免疫療法の開発企業『テラ株式会社』の創業者・ファウンダー
免疫療法・研究開発を担当。がん免疫療法、具体的には樹状細胞ワクチン療法の開発に2002年から関わってきました。プレシジョンクリニックグループにおいては代表として、日々プレシジョンメディシンの普及に取り組んでいます。
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