投稿日:2023.6.30/更新日:2024.10.22
~酪酸菌と抗がん剤治療・免疫療法について~
2023 ASCO Annual Meetingで転移性腎細胞がんで無増悪生存期間の有意な増加と、より高い(抗腫瘍)反応率が観察されたという発表がありました。
Nivolumab plus ipilimumab with or without live bacterial supplementation in metastatic renal cell carcinoma: a randomized phase 1 trial
の追加(最新)報告になります。
発表のまとめ)
・カボザンチニブ(カボメティクス)/ニボルマブ(オプジーボ)+CBM588に関連する事項:
ビフィドバクテリウム属の増加は見られなかった。
腸内細菌叢の多様性は維持されていた。
無増悪生存期間(PFS)の有意な増加と、より高い反応率が観察された。
毒性(のサイン)はなかった。
・転移性腎細胞がんにおけるニボルマブ(オプジーボ)/イピリムマブ(ヤーボイ)+酪酸菌(CBM588)に関連した臨床データの追加の結果である。
・NCIで、転移性腎細胞がんに対するCBM588の第3相試験についての議論が継続中である。
当グループでは、酪酸菌(CBM588)をはじめとして免疫(療法)との相性がいいことが科学的に明らかになっている腸内細菌を組み合わせています。
プレシジョンクリニックグループ
矢﨑
【監修者】矢﨑 雄一郎
東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、現在はプレシジョンクリニック神戸院長として活躍中。専門分野は一般外科及び消化器外科。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法の開発企業であるテラ株式会社の創業者。
略歴:
1996/3
東海大学医学部卒業
1996/4
東海大学附属病院消化器外科勤務
2000/11
遺伝子解析企業ヒュービットジェノミクス株式会社入社