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TOP 用語集 NK細胞(ナチュラルキラー細胞)療法

2024.4.12

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)療法

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の働き:
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は免疫細胞の一つです。腫瘍細胞、ウイルス感染細胞などに対して強い殺傷能力(細胞障害活性)を示し、がん抗原(がんの目印)の情報がなくても直接目的の腫瘍へ単独で攻撃することができます。もともとNK細胞は体内に比較的多く存在し、がん免疫の中でも重要な役割を果たしています。
NK細胞は細胞障害性T細胞が見逃したがん細胞も発見し、付着して殺傷します。NK細胞を顕微鏡で見ると、NK細胞特有の顆粒をその細胞内に蓄えています。この顆粒が、いわゆる弾丸のような役目を果たし、がん細胞を攻撃します。ます、付着したがん細胞の細胞膜に穴をあけるのがパーフォリンと呼ばれる糖タンパク質です。穴が開いたところに、グランザイムという酵素(プロテアーゼ)を打ち込んで、がん細胞のアポトーシスを誘導します。
しかし、加齢やがんに患うことによりNK細胞数は減少した り、活性が下がります。実際に免疫機能検査を行いますと、がん患者さまではNK細胞の数や活性が強く抑制されている方が多く見られます。活性化したNK細胞などのリンパ球が出すサイトカインや成長因子が、体内の免疫環境を整えてくれる効果も報告されています。
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)療法とは?:
患者さまから約50mlの採血を行い、体外で高活性、高純度のNK細胞を大量増殖・培養する方法です。NK細胞は約2週間無菌状態で培養し、数億~数10億個に大量増殖させます。これは健康な人が持っているNK細胞の数倍の量です。
活性化したNK細胞は生理食塩水に溶かし、点滴で患者さんの体内に戻します。NK細胞療法は本人の血液を培養する方法なので、身体への負担がほとんどなく、QOL(生活の質)を高く維持しながら受ける事が出来ます。
また、「樹状細胞ワクチン療法」と「NK細胞療法」のがんへの攻撃方法は異なりますので、双方を組み合わせることにより、より良い治療効果が期待されています。
適応:
免疫療法を希望される患者さま(血液がんなど、一部適応とならないものがあります)で、がんの部位や血液データをもとに決定いたします。
他の治療との併用:
ほぼすべてのがん治療(手術、抗がん剤、放射線療法、緩和医療など)、樹状細胞ワクチン療法との併用が可能です。