抗がん剤
投稿日:2024.9.1/更新日:2024.12.8
Her2陽性がん最新ガイド:乳がん・胃がん・肺がんをはじめとするHer2陽性がん患者のための治療選択肢「エンハーツ」
Her2陽性がんの最新治療:エンハーツの効果と可能性
Her2陽性がんとは
Her2陽性がんは、ヒト上皮成長因子受容体2(Her2)が過剰発現または遺伝子増幅を起こすがんの一種で、迅速に進行する特性を持つ一方で、標的治療薬の進歩により治療可能性が広がっています。このタイプのがんは乳がんの約20%、胃がんの15~20%、非小細胞肺がん(NSCLC)の約3%に認められ、その他のがんとして膵がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がんでも確認されています。
エンハーツ(Enhertu)の登場:Her2陽性がん治療の新たな時代
Her2陽性がん治療において、近年注目されているのがエンハーツ(Enhertu、DS-8201)です。この薬は抗体薬物複合体(ADC: Antibody-Drug Conjugate)という最新技術を用いて開発され、がん細胞を精密に攻撃することが可能です。
乳がんにおけるエンハーツの効果
乳がんはHer2陽性がんの代表的な疾患であり、エンハーツは特に治療歴の多い進行性乳がん患者に画期的な結果を示しています。DESTINY-Breast03試験では、エンハーツが従来の治療薬より優れた効果を発揮しました。
胃がんにおけるエンハーツの可能性
Her2陽性胃がんでは化学療法や他の治療薬への耐性を持つ患者が少なくありません。エンハーツは、これらの患者に対しても有効性を示し、生活の質(QOL)の向上も期待されています。
肺がんおよびその他のHer2陽性がん
非小細胞肺がん(NSCLC)や稀少がんである膵がん、大腸がん、卵巣がんなどにおいてもエンハーツは有望な治療選択肢となっています。
Her2陽性がん治療の未来
エンハーツのような新しい治療法は、これまで治療が難しかった進行がんや再発がんに希望をもたらしています。患者一人ひとりに最適な治療法を見つけるため、専門医との相談が推奨されます。