無料医療相談

FREE CONSULTATION

TOP › コラム › テーマ › 免疫療法 › 膵臓がん治療2026年6月|pan-RAS阻害薬の第3相試験など3つの動き

免疫療法

投稿日:2026.7.7/更新日:2026.10.7

膵臓がん治療2026年6月|pan-RAS阻害薬の第3相試験など3つの動き

この記事でわかること

  • 経口pan-RAS阻害薬daraxonrasibが第3相試験で延命効果を示しました。
  • 米国バイオベンチャーと日本の連携により膵がん治験の開始が迅速化しています。
  • がん対策基本法20年を迎え早期診断技術やゲノム医療の基盤整備が進んでいます。

膵臓がんの最新情報を追っている方へ
ご自身の治療に活かせるか、当院に相談してみませんか?

新薬の第3相データは希望ですが、日本で使えるまでの時間をどう過ごすかが経過を分けます。
当院は膵臓がんに対して抗がん剤と免疫療法の併用を軸に、遺伝子解析(KRAS変異の型)をもとに治療を設計しています。
これまでの治療歴と検査結果をうかがったうえで、ひとつずつご説明します。ご相談は無料です。

お電話でご相談

お近くの院をお選びください(平日10:00〜18:00/休診日はホームページをご確認ください)

または、フォームでご相談

フォームで相談する▼入力は2項目のみ/24時間受付







    お電話・メールのどちらか一方で結構です





    膵臓がんと診断されたとき、これからの治療選択肢や日々の生活に不安を感じる方は少なくありません。標準治療を続けながら、新しい分子標的薬やゲノム医療の進展に期待を寄せる声も多く届きます。2026年6月、長くRAS変異が難攻不落とされてきた膵癌治療において、世界的に注目される第3相臨床試験の成果が発表されました。治療開発のいまをお伝えします。

    経口pan-RAS薬daraxonrasib、転移膵癌の第3相試験で生存改善

    転移を有する膵管腺癌の2次治療において、経口pan-RAS阻害薬daraxonrasibが全生存期間を有意に延長しました。

    これは日本も参加した国際共同無作為化第3相試験であるRASolute302試験で明らかになった知見です。従来の医師選択による抗がん剤治療と比較して、病勢の進行を抑える期間と生存期間の双方が延びました。膵癌の約9割にはKRAS遺伝子変異が存在しますが、これまで直接狙い撃ちすることは困難でした。

    この薬剤は活性型であるRAS(ON)型タンパク質に広く作用する特徴を持っています。特定の変異型だけでなく、複数の変異に効果を発揮する可能性を示しました。学会発表の会場が拍手に包まれた背景には、長年有効な標的薬が乏しかった膵がん領域における切実な期待があります。

    現在は承認に向けた申請段階であり、日常の保険診療ですぐに使えるわけではありません。しかし、2次治療以降の新たな標準治療候補として極めて有望視されています。外来でも患者さんから「新しいRAS阻害薬は自分も使えますか」と質問される場面が増えてきました。変異の有無を調べるがん遺伝子パネル検査のタイミングについて、主治医と相談しておく価値があります。

    海外スタートアップの治験誘致、膵がん新薬の国内導入が加速

    米国ボストンなどの創薬ベンチャーが開発する有望な治験薬について、日本国内での早期治験開始が相次いでいます。

    国立がん研究センターをはじめとする中核拠点病院が海外企業との連携窓口を整備した成果です。以前は海外で開発が進んでも日本での臨床試験が遅れるドラッグラグが深刻な問題でした。近年では開発の初期段階から日本が国際共同治験に参加する事例が増加しています。

    私たちの外来でも「海外で話題の新薬を日本で受ける方法はないか」と来院される方が多くいらっしゃいます。新薬の治験に参加するには、体力や臓器機能、過去の治療歴などの厳格な条件を満たす必要があります。対象となる試験が国内で走っているかどうか、主治医や当グループにご相談ください。

    スタートアップが手掛ける治療薬には、TME(腫瘍微小環境)を標的とする薬剤や新規の免疫療法薬も含まれます。膵臓癌は固い間質に守られており、薬が届きにくい特徴を持っています。間質を標的とする化合物やRAS経路を遮断する低分子薬が、早期パイプラインとして日本に導入されつつあります。

    がん対策基本法20年、画像診断とゲノム医療の連携が進展

    がん対策基本法の成立から20年が経過し、膵がんの早期発見技術と遺伝子情報に基づく個別化医療が着実に進んでいます。

    国内企業と国際原子力機関(IAEA)の連携など、医用画像技術による早期診断体制の強化が国内外で進められています。超音波内視鏡(EUS)や高分解能CT、MRIを組み合わせた画像診断は、微小な膵病変の検出に欠かせません。画像診断の進歩により、切除可能な早い段階で病変を見つける取り組みが各地で強化されています。

    同時に、ゲノム解析の普及が治療方針の決定に大きな影響を与えるようになりました。膵臓がんではBRCA遺伝子変異やマイクロサテライト不安定性(MSI-High)の有無で適応となる薬剤が変わります。血液検査で遺伝子変異を調べるリキッドバイオプシーの実用化も進み、生検が難しい患者さんへの負担軽減が図られています。

    治療を長期に継続するためには、副作用対策や通院の負担軽減といった生活面の管理が欠かせません。画像検査や遺伝子検査の結果をどのように治療へ結びつけるか、通院先の主治医や専門チームと定期的に話し合うことが推奨されます。

    当院の実例

    陽子線治療の前に樹状細胞ワクチン療法の準備を整え、抗がん剤と組み合わせて診断から5年寛解が続いている膵臓がんステージ2・77歳女性

    ご本人の希望で陽子線治療を選び、その前に樹状細胞ワクチン療法の準備(採血・培養)を行ったうえで抗がん剤(ジェムザール)を開始。陽子線治療後も樹状細胞ワクチン療法とジェムザールを継続し、腫瘍マーカー(CA19-9)は359から正常値へ回復しました。抗がん剤も予定どおり終了し、診断から5年、寛解が続いています。

    症例の詳細を見る →

    ※個別の症例であり、治療効果には個人差があります。同じ結果をお約束するものではありません。

    まとめ

    2026年6月は、経口pan-RAS阻害薬daraxonrasibの第3相試験成功をはじめ、膵臓がんの薬物治療に大きな希望が見出された月となりました。プレシジョンクリニックグループは創業以来、膵臓がんの診療とゲノム解析に基づく個別化医療に最も注力してきました。固い間質を持つ膵癌に対し、がんゲノム情報と腫瘍微小環境の両面から最適な治療戦略を提案する取り組みを大切にしています。

    最新の治療選択肢や遺伝子検査の活用についてお悩みの方は、プレシジョンクリニックグループの膵臓がん治療についてをご確認いただき、主治医や当グループへお気軽にご相談ください。

    膵臓がんの最新情報を追っている方へ
    ご自身の治療に活かせるか、当院に相談してみませんか?

    新薬の第3相データは希望ですが、日本で使えるまでの時間をどう過ごすかが経過を分けます。
    当院は膵臓がんに対して抗がん剤と免疫療法の併用を軸に、遺伝子解析(KRAS変異の型)をもとに治療を設計しています。
    これまでの治療歴と検査結果をうかがったうえで、ひとつずつご説明します。ご相談は無料です。

    お電話でご相談

    お近くの院をお選びください(平日10:00〜18:00/休診日はホームページをご確認ください)

    または、フォームでご相談

    フォームで相談する▼入力は2項目のみ/24時間受付







      お電話・メールのどちらか一方で結構です





      よくある質問

      ダラクソンラシブ(daraxonrasib)はいつ日本で使えますか?

      2026年8月に米国で承認されましたが、日本では未承認です。国内承認まで一般に1〜3年かかるとされます。承認に備えて、遺伝子パネル検査でKRAS変異の型を確認しておくことをおすすめします。

      海外の治験に参加する方法はありますか?

      国立がん研究センターが海外新興企業の治験を国内に誘致する動きが進んでいます。参加は適格基準と実施施設によります。遺伝子解析の結果を手元に用意し、主治医または当院にご相談ください。

      新薬を待つ間、いまできる治療は何ですか?

      標準治療の抗がん剤を土台に、樹状細胞ワクチン療法や免疫チェックポイント阻害薬を重ねて進行を抑える設計があります。当院ではこの組み合わせで長期に経過している膵臓がんの方を経験しています。

      参考にした記事

      https://oncolo.jp/news/260630ra01oncolo.jp / 2026-06-30
      https://medical.jiji.com/businessWire/415medical.jiji.com / 2026-06-25

      監修:矢﨑 雄一郎 医師

      プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科

      がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。

      【免責事項】本記事は2026年6月に公表された公的機関の発表・査読論文・主要医学メディアの報道に基づいて作成しています。一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の患者様への診療を行うものではありません。記載した治療のなかには、国内の保険適用や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療方針は、必ず主治医または専門医にご相談ください。
      【最終更新日】2026年9月9日

      監修医師:矢﨑 雄一郎医師

      監修医師

      矢﨑 雄一郎医師

      免疫療法・研究開発

      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

      CATEGORY

      カテゴリー

      CATEGORY

      関連記事