2024.4.12
アブスコパル効果とは、放射線療法や光免疫療法において照射野外の病変の縮小効果が認められる免疫学的現象です。照射により、がん細胞が死滅すると、がん抗原が放出され、樹状細胞を介したT細胞刺激により、がん特異的ヘルパーT細胞/キラーT細胞が誘導されることで、結果として遠隔にある転移巣に対してアブスコパル効果を示すといった免疫学的メカニズムが考えられています。この効果を誘導するために、条件があることが分かっており、①がんによって抑制されている抗腫瘍免疫を活性化すること、②がんによって誘導される免疫抑制を打破すること、が重要とされています。この考えに基づき、当グループでは樹状細胞ワクチン療法の独自のプロコールを開発し、アブスコパル効果を免疫学的に誘導できる取り組みを行っております。