オニバイド(Onivyde)は、イリノテカン リポソーム注射液のブランド名で、膵臓癌の治療に用いられる抗がん剤です。特に、ジェムシタビン治療後の進行膵臓癌の治療に適応され、他の化学療法と組み合わせて使用されることが一般的です。従来のイリノテカンと異なり、リポソーム化することで腫瘍部位への薬剤到達性を高め、血中での安定性を向上させ、副作用を軽減する効果が期待されています。
オニバイドの特徴
- リポソーム製剤:リポソーム(脂質二重層の小さな袋)で薬剤を包むことで、薬が標的部位に到達するまで分解されにくく、腫瘍部位で徐々に放出されるため、従来のイリノテカンに比べて副作用が少ないとされています。
- 作用機序:イリノテカンはDNAトポイソメラーゼI阻害薬で、がん細胞のDNA複製を妨げることで細胞の分裂を抑制し、がん細胞の増殖を阻止します。
適応症と使用方法
オニバイドは、進行した膵臓癌に対してフルオロウラシル(5-FU)およびロイコボリンとの併用で使用されます。特に、ジェムシタビンによる治療が無効であった場合の次の治療選択肢として用いられます。
副作用
代表的な副作用としては、下痢、白血球減少、悪心、嘔吐、疲労感などが挙げられます。また、リポソーム製剤であっても骨髄抑制や消化器系の副作用が発生するため、使用には十分な管理が必要です。
オニバイドは、膵臓癌の予後改善を目的とした治療オプションの一つであり、リポソーム化によって効果と安全性のバランスが調整されています。