2024.4.12
免疫療法とは、人間の体に生まれつき備わっている免疫の特徴を利用したり、免疫の力を強めたりすることでがんの発症や進展を抑えようとすることを目的とした治療をいいます。
免疫療法には、特異的免疫療法と非特異的免疫療法に分けれられ、また機能的には免疫のアクセル役の免疫療法とブレーキを解除することで機能を発揮する免疫療法があります。アクセル役の免疫はキラーT細胞になります。このキラーT細胞を体内で強化する治療法が、樹状細胞ワクチン療法になります。また、世界で承認されているキラーT細胞を用いたものとして、CAR-T細胞療法というのがあります。CAR-T細胞療法は、がん細胞の目印を見分ける遺伝子としてCAR(キメラ抗原受容体遺伝子)という遺伝子をT細胞に埋め込んだ治療法で、血液のがんで保険適応になっています。一方、ブレーキを解除する免疫療法として、免疫チェックポイント阻害剤があります。免疫チェックポイント阻害薬は、体に備わっている免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬です。T細胞の表面には、「異物を攻撃するな」という命令を受け取るためのアンテナがあります。一方、がん細胞にもアンテナがあり、T細胞のアンテナに結合して、「異物を攻撃するな」という命令を送ります。すると、T細胞にブレーキがかかり、がん細胞は排除されなくなります。このように、T細胞にブレーキがかかる仕組みを「免疫チェックポイント」といいます。免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞やがん細胞のアンテナに作用して、免疫にブレーキがかかるのを防ぎます。