2024.4.12
化学療法とは、薬を使って、がんを治療する方法のことです。 抗がん剤、ホルモン剤、免疫賦活剤などがこれに相当します。 ここでは、抗がん剤治療について説明します。
抗がん剤の種類
抗がん剤は作用の仕方や由来などにより、「殺細胞性抗がん剤」 と「分子標的薬」に分類されます。「殺細胞性抗がん剤」はさらにアルキル化剤、 代謝拮抗剤、抗がん性抗生物質、植物アルカロイドなどに分類されます。 最近は、がん細胞に特異性の高い標的分子を探し出し、その標的に効率よく作用する薬(分子標的薬)の開発が盛んに行われています。 使い方も静脈注射、内服などによる全身投与のほかに、肝臓の動脈へ注入して肝臓のがんに濃い抗がん剤が行き渡るようにする方法など、いろいろあります。
より薬物有害反応が少なく、効果の高い薬の開発が期待されています。
抗がん剤の特徴
抗がん剤は、基本的には全身にほぼ均等に作用するため、「全身治療」と言えます。がんには、抗がん剤によく反応するタイプのものと、そうでないものがあり、白血病などのがんは抗がん剤治療によって完全に治すことが期待できます。しかし、ほとんどのがんに対しては、抗がん剤だけでがんを完治させることは出来ません。抗がん剤を使う目的は、がん細胞の増殖を抑えて、がんの進行を抑えることです。 がんを完全に治すことができない場合でも、がんの大きさを小さくすることで、延命効果や痛みなどの症状を和らげることができます。
ただし、抗がん剤は、全身にほぼ均等に作用するため、がん細胞よりもはるかに数が多い正常の細胞にも悪影響を与えるため、抗がん剤の多くは副作用を伴うことが多いのが欠点です。
抗がん剤の副作用
抗がん剤(特に殺細胞性抗がん剤)には副作用が伴います。それは、がん細胞だけでなく正常な細胞にもダメージを与えるためです。したがって患者さまの全身状態(体調)が良くないと、かえって悪い結果を招いてしまうこともあります。抗がん剤は効果と副作用のバランスを考えながら使うことが非常に重要です。
当クリニックが提供する「樹状細胞ワクチン療法」をはじめとする免疫細胞療法は患者さまご自身の細胞を使用し、がん細胞を「狙い撃つ」治療です。自分の細胞を用いるため正常細胞に対する影響が少なく、副作用はほとんどないことがその特徴になります。