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TOP 用語集 腹膜播種(ふくまくはしゅ)

2024.10.17

腹膜播種(ふくまくはしゅ)

腹膜播種(ふくまくはしゅ)とは、がんが腹膜(腹腔内の臓器を覆う薄い膜)に広がり、そこに多数の小さな腫瘍を形成する状態を指します。これは、主に腹腔内の臓器(胃、卵巣、大腸、膵臓など)のがんが進行した際に見られる特徴的な転移の形です。

腹膜播種のメカニズム:
腫瘍細胞が原発巣(最初に発生した部位)から離れて腹膜に浸潤することが原因です。がん細胞が腹腔内に脱落し、腹腔内に広がって腹膜表面に付着・増殖することで小さな腫瘍を形成します。この転移の形態は、血流やリンパ管を介した転移とは異なり、腹腔内での直接的な拡散によるものです。

腹膜播種の症状:
腹膜播種は、進行するにつれて次のような症状を引き起こすことがあります。

・腹痛や腹部の膨満感
・食欲不振や体重減少
・腹水(腹腔内に液体がたまる状態)
・消化不良や腸閉塞

治療法:
腹膜播種は進行がんの一つであり、治療が難しいことが多いですが、以下のような治療法が検討されます。

・手術: 腹膜に広がった腫瘍の一部を摘出することができる場合がありますが、全ての腫瘍を取り除くことは難しいことが多いです。
・化学療法: 全身化学療法や、腹腔内に直接抗がん剤を投与する腹腔内化学療法が行われることがあります。
・免疫療法: がんの進行を抑えるために免疫チェックポイント阻害薬などの免疫療法も選択肢となることがあります。
・腹水の管理: 腹水がたまる場合は、ドレナージ(体外に液体を排出する処置)が行われることがあります。

腹膜播種は難治性ですが、患者さまの状態に応じて治療方針が決定され、症状を軽減し、生活の質を維持することを目指していきます。