用語集 DICTIONARY

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がんワクチン

がんワクチン治療には、以下の2種類があります。
【1】ペプチドワクチン
人工的に合成したがんの目印(人工がん抗原:多くの場合は、タンパク質よりももっと小さいアミノ酸が連結した「ペプチド」というものを使用。)を患者さまに投与して、体内でがんを狙い撃ちするリンパ球や抗体を作らせるがん治療法です。

患者さまに注入されたペプチドは、体内の樹状細胞に取り込まれて、樹状細胞からリンパ球(キラーT細胞)にその情報が伝達されます。情報を伝達されたリンパ球(キラーT細胞)が、がん細胞を攻撃します。また、「ワクチン」と呼ばれるように、がん抗原の記憶がリンパ球に残り、抗腫瘍効果が長期間期待できます。「樹状細胞を培養する必要がなく、患者さまの負担が小さい」という利点がある一方、「体外で大量に培養した樹状細胞にがん抗原を取り込ませて体内に投与すれば、より治療効果は高くなるのではないか?」という考えから、日本では樹状細胞ワクチン療法のほうが多く医療現場に取り入れられています。

【2】樹状細胞ワクチン療法
体外で大量に作製した樹状細胞にがん抗原を与えて、患者さまの体内に戻してキラーT細胞をより効率よく増やすことによって、抗腫瘍効果を狙った細胞がんワクチン療法です。