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TOP 用語集 ADCC

2024.10.11

ADCC

ADCC(Antibody-Dependent Cell-Mediated Cytotoxicity)は、抗体依存性細胞傷害の一形態で、免疫系の重要なメカニズムの一つです。このプロセスは、特に癌細胞やウイルス感染細胞を標的とする際に重要です。以下に、ADCCの仕組みとその役割を説明します。

ADCCのメカニズム

  1. 抗体の結合:特定の抗原(例えば、癌細胞の表面に存在する特異的なタンパク質)に対して特異的に結合する抗体が生成されます。
  2. 免疫細胞の活性化:抗体が標的細胞に結合すると、抗体のFc部分が免疫細胞のFc受容体(例えば、ナチュラルキラー細胞やマクロファージ)に結合します。
  3. 細胞傷害の誘導:免疫細胞が活性化されると、標的細胞を殺すためのさまざまなメカニズムが働きます。ナチュラルキラー細胞は、細胞傷害性顆粒を放出して標的細胞を破壊することができます。

ADCCの役割

  • 癌治療:ADCCは、多くのモノクローナル抗体治療(例えば、トラスツズマブやリツキシマブ)で重要な役割を果たしています。これらの抗体は、癌細胞に特異的に結合し、ADCCを通じて癌細胞を排除します。
  • ウイルス感染:ウイルスに感染した細胞も標的となります。抗体がウイルス抗原に結合することで、感染細胞が免疫系によって排除される助けとなります。
  • 免疫の調節:ADCCは、抗体を介した免疫応答を強化することで、全体的な免疫機能の向上にも寄与します。

ADCCは、抗体による標的細胞の排除を通じて、免疫系が効果的に働くための重要なメカニズムです。この過程を利用することで、がん治療やウイルス感染の治療がより効果的になる可能性があります。