無料医療相談

FREE CONSULTATION

TOP 用語集 CLDN18.2(Claudin 18.2)

2024.10.23

CLDN18.2(Claudin 18.2)

CLDN18.2(Claudin 18.2)は、細胞接着分子であるクラウディンファミリーに属するタンパク質の一種です。このタンパク質は、主に胃の粘膜上皮細胞に発現しており、特に胃癌や膵臓癌などの消化器系のがんにおいて異常発現が認められます。CLDN18.2は、細胞同士を密着させる「タイトジャンクション」を構成し、細胞のバリア機能を維持する役割を担っていますが、がん細胞ではこのタンパク質の発現が増加することがあります。

CLDN18.2の特徴と治療ターゲットとしての重要性:

  1. 選択的発現: 正常な組織では主に胃に発現しているCLDN18.2ですが、がん細胞では異常な場所での発現や過剰発現が見られることがあり、この特徴が抗がん治療において重要なターゲットとなっています。

  2. がん治療におけるターゲット: CLDN18.2は、がん細胞表面に選択的に発現しているため、これを標的にしたモノクローナル抗体や抗体薬物複合体(ADC)の開発が進んでいます。これらの治療は、CLDN18.2を発現するがん細胞を狙って破壊することを目指しています。

  3. 臨床試験と治療法: CLDN18.2を標的とした治療法としては、モノクローナル抗体「Zolbetuximab」などが開発されており、進行性の胃癌や膵臓癌を対象に臨床試験が行われています。この抗体はCLDN18.2を発現するがん細胞に結合し、免疫系を活性化してがん細胞を破壊するメカニズムで作用します。

  4. 治療の将来性: CLDN18.2は胃癌や膵臓癌に限らず、他のがん種でも発現することがあり、将来的には幅広いがん治療に応用される可能性があります。特に、がんの精密医療(precision medicine)において、CLDN18.2をターゲットとする治療法は個別化治療として有望です。

CLDN18.2に対する治療法は、がん細胞を正確に狙い撃ちするため、副作用を抑えながら効果的に治療できる点が期待されています。