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TOP 用語集 MMR

2024.10.23

MMR

ミスマッチ修復(MMR)タンパクの評価は、腫瘍の遺伝的な異常を確認し、治療法を決定するために重要です。特に、ミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)は、がんの進行や免疫療法の効果に影響を与えるため、評価の方法を知ることが重要です。MMRタンパクの評価方法には、主に以下の2つのアプローチが使用されます。

1. 免疫組織化学染色(IHC)

IHCは、腫瘍組織内の特定のMMRタンパク(MLH1, MSH2, MSH6, PMS2)の存在を検出するために使用されます。この方法では、通常4つのMMRタンパクのうちどれかが失われているかどうかを確認します。結果は以下のように分類されます:

  • 正常(pMMR): すべてのMMRタンパクが正常に発現している場合。
  • 異常(dMMR): 1つ以上のMMRタンパクが発現していない場合。dMMRは、遺伝子のミスマッチ修復能力が損なわれていることを示します。

2. マイクロサテライト不安定性(MSI)検査

MSI検査は、DNAのミスマッチリペアの機能に関連する異常を評価するために使用されます。MSI-high(MSI-H)やMSI-low(MSI-L)と呼ばれる結果が得られ、特にMSI-Hの状態は、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1阻害剤)の有効性が高いことを示唆します。

  • MSI-high(MSI-H): ミスマッチ修復機構が損なわれている状態。dMMRに対応することが多い。
  • MSI-stable(MSS): ミスマッチ修復機構が正常に機能している状態。pMMRに対応することが多い。

IHCとMSIの組み合わせ

IHCとMSI検査は、補完的に使用されることが多く、IHCによってMMRタンパクが欠損している場合には、MSI検査によって遺伝的な不安定性が確認されることがあります。これらの検査は、主に大腸がんや子宮内膜がんなどで使われ、免疫療法の適応を決定する上での基準にもなります。