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TOP 用語集 PLR

2024.11.1

PLR

PLR(血小板リンパ球比、Platelet-to-Lymphocyte Ratio)は、末梢血中の血小板数をリンパ球数で割った値で、NLR(好中球リンパ球比)と同様に炎症や免疫応答の指標として使われます。特にがん、心血管疾患、感染症などの病態の重症度や予後を評価するためのマーカーとして研究されています。

PLRの主なポイント

  1. PLRの算出方法

    • 血液検査で得られる「血小板数」を「リンパ球数」で割ることで算出します。
    • PLRが高い場合は、血小板が増加しリンパ球が減少している状態を示し、体内の炎症や免疫応答の異常が反映されることが多いです。
  2. 炎症マーカーとしての役割

    • PLRは体内の慢性的な炎症状態や免疫応答の変化を反映します。
    • 血小板は単に血液凝固に関与するだけでなく、炎症反応や免疫応答に関与することが分かっています。特に腫瘍環境では、血小板が腫瘍細胞の増殖や転移を促進する役割を果たすため、PLRが高いと腫瘍の悪化が示唆されることがあります。
  3. がん治療におけるPLRの有用性

    • がん患者において、PLRが高いことは、しばしば予後不良と関連しています。例えば、胃がん、大腸がん、乳がんなど、多くのがん種でPLRが高い患者は再発リスクが高く、治療成績が悪い傾向が報告されています。
    • PLRはNLRと併用して、がんの予後をより正確に評価する指標として用いられることも多いです。
  4. 基準値と臨床的意義

    • 健康な成人のPLRはおおよそ100〜200とされていますが、がんや慢性炎症性疾患ではこれよりも高い傾向があります。
    • ただし、PLRのカットオフ値は病状や個人差によって異なるため、他のバイオマーカーや臨床的な状態と併用して評価されます。
  5. PLRの限界と課題

    • PLRは簡便に算出できる一方で、さまざまな要因(感染、ストレス、薬剤、出血、貧血など)が数値に影響を与える可能性があり、単独での診断指標としては限界があります。
    • 他の炎症関連マーカー(NLRやSystemic Immune-Inflammation Index (SII) など)と併用することで、免疫状態や炎症レベルをより包括的に評価する方法が提案されています。

結論
PLRはがんや炎症性疾患の重症度や予後の指標として有用ですが、他の臨床的指標と併用し、包括的に評価することが重要です。