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2024.2.4

光免疫療法(光免疫治療)の本質とは何か?

当グループでは、名古屋で2020年より光免疫療法に取り組んでまいりました。
前院長の小林先生が論文を発表をしていますので共有いたします。

内容は抗がん剤や放射線療法に、光免疫療法等を組み合わせることが有望であるという内容です。

1例目の食道がんの患者さまは、放射線療法後に内視鏡下で光免疫療法を行い、治療後に内視鏡的に腫瘍の消失を認め、患部からの生検検査で腫瘍の残存は指摘されなかったという内容です。

2例目の下咽頭がん患者さまは、他院で化学療法・放射線治療後、血管内治療での光免疫療法で患部を40分間照射。これを1ヶ月おきに3回繰り返しました。治療開始から4月後、肉眼的・CT的に腫瘍の著名な縮小を認めました。

ここでは、光免疫療法(光免疫治療)の本質とは何か?ということについてお話したいと思います。
がんの治療ですので、光を当てた部分の腫瘍を消失させることは当然ではありますが、光を当てた場所以外の腫瘍も消失させることです。医学的には、アブスコパル効果と言います。

アブスコパル効果とは免疫学的現象であり、放射線療法や光免疫療法で注目されています。当院ではこのアブスコパル効果を期待した免疫療法を開発し、積極的に取り入れています。

腫瘍に集まる光感作物質を点滴

レーザー光により腫瘍細胞に集まった光感作物質が反応し、免疫学的細胞死誘導

腫瘍抗原の吐き出し

抗原提示細胞の取り込み

がん特異的T細胞を刺激

T細胞による他の部位の腫瘍破壊の連鎖

というメカニズムで、全身に散らばった腫瘍を免疫で消失させます。

実際の臨床現場では、光免疫療法は光を当てられるところが限られていることから、光免疫療法よりむしろ放射線療法のほうが実用的で、効果も光以上に実感しています。一方、放射線療法は一部位に当てられる照射量に限りがあるという欠点があります。

私たちは、これからもアブスコパル効果を期待した免疫療法を極めてまいります。

プレシジョンクリニックグループ
医師 矢﨑

光免疫療法の報告(食道がんと下咽頭がんの症例)