この症例のポイント
中咽頭がん(腺様嚢胞がん)。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 診断 | 中咽頭がんと診断され手術を勧められるも、声・外見への影響からご本人が希望せず。樹状細胞ワクチン療法を目的に当院を受診。 |
| 治療開始 | 4ヵ月後、放射線治療と樹状細胞ワクチン療法(局所投与)を開始。 |
| 縮小 | 診断から8ヵ月、PET-CTで右軟口蓋の集積が縮小。 |
| 消失 | 1年4ヵ月後、PET-CTで集積が消失。2年6ヵ月後の生検で悪性所見なし。 |
| 経過 | 10年後の現在、無再発で生存中。 |
当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、局所療法〈スイッチ〉としての放射線治療に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法の局所投与を組み合わせています。
放射線で壊れたがん細胞は免疫の標的になりやすく、そこに樹状細胞を届けることで、がん抗原を効率よく免疫に教えられる可能性があります。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。本症例:樹状細胞ワクチン療法 4ヶ月・6回投与。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では重い副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。
放射線治療を軸に、免疫療法を組み合わせる設計が選択肢になります。この症例は放射線と樹状細胞ワクチン療法の局所投与で画像上の消失に至りました。手術を選ばないリスクも含めて主治医と相談のうえ設計します。
放射線でがん細胞が壊れると、がん抗原が放出されて免疫の標的になりやすくなります。そのタイミングで樹状細胞ワクチンを投与すると、免疫が起動しやすいと考えています。
がんの部位やその近くのリンパ節に樹状細胞を直接注射する方法です。皮内接種と比べ、がん抗原をその場で取り込ませることを狙います。部位や大きさによって可否を判断します。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。
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