この症例のポイント
卵巣がん術後再発。右腎転移(62×47mm、内側に径35mm)、骨盤内左側リンパ節転移。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 診断・手術 | 卵巣がんの診断で大学病院にて手術。術後1年半ほど他院で免疫療法。 |
| 再発 | 術後3年、腫瘍マーカー上昇。エコー・CTで右腎転移と骨盤内リンパ節転移を確認。抗がん剤を勧められるもご本人が希望せず。 |
| 治療 | 放射線療法と樹状細胞ワクチン療法(局所投与)を開始。 |
| 腫瘍マーカー | CA125が70台から正常値へ。 |
| 画像 | 腎転移(局注部)は縮小、骨盤内リンパ節転移も縮小。新たな肝転移あり。 |
腫瘍マーカー基準値:CA125 35 U/mL以下。

当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、局所療法〈スイッチ〉としての放射線療法に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法の局所投与を組み合わせています。
局所投与した部位とリンパ節では反応が得られた一方、新たな肝転移が出現しました。局所の反応を全身に広げるには、免疫チェックポイント阻害薬の併用や、抗がん剤の再検討も含めた次の設計が必要です。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。本症例:樹状細胞ワクチン療法 4ヶ月・7回投与(局所投与)。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では重い副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。
放射線と免疫療法を組み合わせる設計が選択肢になります。この症例では腫瘍マーカーが正常化し転移巣が縮小しましたが、新たな肝転移も見つかっています。抗がん剤を使わないリスクも含めてご説明したうえで設計します。
腫瘍マーカーは全体の勢いを反映する指標で、個々の転移巣の動きとは一致しないことがあります。画像と腫瘍マーカーの両方を定期的に確認し、部位ごとに次の一手を重ねます。
当院は免疫の検査で状態を確かめたうえで、樹状細胞ワクチン療法を放射線や免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせる設計(SynerTri®)を行います。局所投与の可否も含めてご相談ください。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。
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