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TOP 症例 肉腫 再発を繰り返した滑膜肉腫で、手術不可となった肺転移が樹状細胞ワクチン療法単独で3年間増悪なく経過した42歳女性の症例

再発を繰り返した滑膜肉腫で、手術不可となった肺転移が樹状細胞ワクチン療法単独で3年間増悪なく経過した42歳女性の症例

この症例のポイント

  • 左大腿の滑膜肉腫と診断された42歳女性。手術・抗がん剤ののち、肺転移・右肺全摘・左大腿再発と18年にわたり再発を繰り返し、そのたびに手術を受けてきた。
  • やがて左肺に出現した転移は手術ができない状態に。ここで免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を単独で実施した。
  • 1セット終了後も肺転移は増悪せず、免疫療法のみで3年間増悪なく良好に経過している。

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    滑膜肉腫とは

    滑膜肉腫は、四肢(とくに関節周囲)や体幹の深部軟部組織に発生する悪性腫瘍(軟部肉腫)です。若年〜中年に比較的多く、進行はゆっくりに見えても、手術後に肺への転移・再発を長期にわたり繰り返すことがあるのが特徴です。「滑膜」という名前ですが、必ずしも関節そのものから発生するわけではありません。

    治療の基本は手術(広範切除)で、状況に応じて放射線治療や化学療法が併用されます。転移巣(とくに肺)も切除できる場合は手術が検討されますが、多発・切除困難になると治療選択が難しくなります。

    手術ができない肉腫の肺転移に免疫療法を用いる考え方

    切除を繰り返しても再発する肉腫や、手術ができなくなった転移巣では、全身的な治療で腫瘍を抑える必要があります。肉腫は化学療法の奏効率が限定的な場合があり、当グループでは樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)を選択肢のひとつとして検討します。本症例では、手術ができなくなった肺転移に対し、樹状細胞ワクチン療法を単独で実施しました。

    SynerTri®の役割 本症例での対応
    スイッチ(局所制御) 肺・大腿の再発巣を、切除可能な間は繰り返し外科的に切除
    アクセル(免疫活性化) 手術ができなくなった肺転移に対し、樹状細胞ワクチン療法を単独で実施

    よくある質問(FAQ)

    Q. 滑膜肉腫は再発しやすいですか?
    滑膜肉腫は手術後に肺などへ再発・転移することがあり、長期にわたり経過観察が必要とされます。本症例では18年にわたり肺・大腿への再発を繰り返しましたが、そのたびに治療を行い経過をみています。治療効果には個人差があります。
    Q. 手術ができない肺転移には、どのような選択肢がありますか?
    切除が難しい肺転移では、薬物療法や放射線治療、免疫療法などが検討されます。本症例では手術ができなくなった肺転移に対し、樹状細胞ワクチン療法を単独で実施し、3年間増悪なく経過しています。治療効果には個人差があります。
    Q. 肉腫に樹状細胞ワクチン療法は効果がありますか?
    肉腫は化学療法の奏効率が限定的な場合があり、免疫療法が選択肢のひとつになり得ます。本症例では樹状細胞ワクチン療法の1セット終了後も肺転移が増悪せず良好に経過していますが、効果には個人差があります。

    Case Report ─ 当院の滑膜肉腫改善症例

    重要症例

    滑膜肉腫
    肺転移
    再発を繰り返す
    40代
    女性
    樹状細胞ワクチン療法
    3年間増悪なし

    滑膜肉腫の肺転移が手術できなくなったとき、できること

    ここまで滑膜肉腫の治療の考え方をご紹介しました。再発を繰り返して手術が難しくなった肺転移では、次の一手が課題になります。実際に樹状細胞ワクチン療法を単独で続けられた患者さまの経過をご紹介します。

    患者情報

    項目 内容
    診断名 左大腿滑膜肉腫、転移性肺腫瘍
    年齢・性別 42歳 女性
    治療法 手術(複数回)+抗がん剤治療(初期)、手術不可となった肺転移に樹状細胞ワクチン療法を単独で実施
    治療期間・回数 樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
    治療費 当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。

    治療経過

    時期 内容
    20XX年 左大腿部の倦怠感をきっかけに滑膜肉腫と診断。手術および抗がん剤治療を実施。
    20XX+3年2月 転移性肺腫瘍を確認。右肺の中葉・下葉切除、リンパ節郭清術を施行。
    20XX+11年7月 右肺動脈本幹に再発。残存する右肺の全摘術を施行。
    20XX+12年11月 左大腿部に再発。腫瘍を大腿神経とともに切除。
    20XX+15年12月 左肺に小腫瘤が出現し肺転移と診断。手術ができない状態となった。
    20XX+18年1月 樹状細胞ワクチン療法を単独で開始。
    その後〜現在 1セット終了後も左肺の転移は増悪せず、免疫療法のみで3年間増悪なく良好に経過中
    滑膜肉腫3031 治療経過タイムライン(手術不可となった肺転移が免疫療法単独で3年間増悪なし)

    治療の考え方(SynerTri®)

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、切除可能な間は局所療法〈スイッチ〉として肺・大腿の再発巣を繰り返し手術で切除してきました。やがて左肺の転移が手術できない状態になったため、免疫を活性化する〈アクセル〉である樹状細胞ワクチン療法を単独で実施しています。1セット終了後も肺転移は増悪せず、良好な経過を維持しています。

    副作用・リスク

    樹状細胞ワクチン療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。

    • 成分採血時:めまい・吐き気(迷走神経反射)、口の周り・手足のしびれ等
    • 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤・皮疹・発熱

    治療効果には個人差があります。同様の効果を保証するものではありません。

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      矢﨑雄一郎 プレシジョンクリニック東京院長
      監修:矢﨑 雄一郎 医師
      プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

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