この症例のポイント
- 相談時の状況:健康診断の便潜血検査をきっかけに盲腸がんが見つかり、手術を受けた60代後半の女性です。ステージはⅢcでした。手術の翌月から、再発を防ぐための抗がん剤(XELOX療法)が始まっていました。
- 検討した課題:術後の抗がん剤と並行して、再発予防を目的に加えられる治療があるかを検討しました。
- 行った治療と経過:XELOX療法の途中から、樹状細胞ワクチン療法を併用しました。XELOX療法が終わったあとも樹状細胞ワクチン療法を続け、現在は半年ごとに投与しています。診断から2年8か月の時点で、再発は認められていません。
大腸がんの手術を終え、
再発予防を考えている方へ
術後の抗がん剤と並行して、ほかに何ができるのか。一緒に整理しませんか。
まずは、これまでの治療と現在の状況をお聞かせください。
初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。
ご相談と初診は無料です(2回目以降の診察は有料です)。
お電話でご相談
お近くの院をお選びください(平日10:00〜18:00/休診日はホームページをご確認ください)
または、フォームでご相談
フォームで相談する▼入力は2項目のみ/24時間受付
Case Report ─ 当院で治療を行った大腸がんの症例
大腸がん60代女性ステージⅢc盲腸がん・術後抗がん剤 XELOX療法樹状細胞ワクチン療法診断から2年8か月 再発なし
大腸がん(盲腸がん)ステージⅢcの手術後、術後の抗がん剤と並行して樹状細胞ワクチン療法を続けた経過
健康診断をきっかけに盲腸がんが見つかった患者さまの経過をご紹介します。手術と術後の抗がん剤を受けながら、当院で樹状細胞ワクチン療法を続けてこられました。大腸がんの術後治療の解説は、症例のあとにまとめています。
患者情報
| 項目 |
内容 |
| 診断名 |
大腸がん(盲腸がん) |
| ステージ |
ステージⅢc |
| 年齢・性別 |
60代後半 女性 |
| 発見の契機 |
健康診断の便潜血検査で陽性 |
| 実施された手術・薬物療法 |
腹腔鏡下切除・リンパ節郭清(3群)、術後補助化学療法(XELOX療法) |
| 当院での治療 |
樹状細胞ワクチン療法(現在は半年ごと) |
相談時の状況と、検討した課題
健康診断で便潜血が陽性となり、精密検査で盲腸がんが見つかりました。診断から2か月後に腹腔鏡で切除し、リンパ節の郭清(3群)も行われました。ステージはⅢcでした。
ステージⅢの大腸がんでは、手術のあとに再発を防ぐための抗がん剤(術後補助化学療法)を行うのが標準です。この方も、手術の翌月からXELOX療法が始まりました。XELOX療法は、カペシタビン(商品名:ゼローダ®)とオキサリプラチン(商品名:エルプラット®)を組み合わせる治療です。
当院へのご相談は、その時期でした。検討の課題は、術後の抗がん剤と並行して、再発予防を目的に加えられる治療があるかどうかでした。当院では、XELOX療法を続けていただきながら、樹状細胞ワクチン療法を併用しました。
治療経過
| 時期 |
内容 |
| 20XX年 |
健康診断で便潜血陽性。精密検査で盲腸がんと診断。 |
| 診断から2か月後 |
腹腔鏡下で切除。リンパ節郭清(3群)。 |
| 3か月後〜 |
術後補助化学療法(XELOX療法)を開始。 |
| 5か月後〜 |
当院で樹状細胞ワクチン療法を開始。 |
| 8か月後 |
XELOX療法を終了。 |
| その後 |
樹状細胞ワクチン療法を継続(現在は半年ごと)。 |
| 診断から2年8か月 |
再発は認められていない。 |
治療の考え方(SynerTri®)
当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、手術と術後補助化学療法(XELOX療法)という標準治療に、免疫を活性化することをねらう〈アクセル〉として、樹状細胞ワクチン療法を組み合わせました。手術のあとに体内に残っている可能性がある小さながん細胞に対して、免疫の面からも備えることを目的とした組み立てです。診断から2年8か月の時点で再発が認められておらず、再発予防に寄与できた可能性はあると考えています。
治療期間・回数/費用
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本症例では、最初のクールのあとも投与を続け、現在は半年ごとに投与しています。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
副作用・リスク
樹状細胞ワクチン療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。
- 成分採血時:口の周り・手足のしびれ、倦怠感、吐き気(迷走神経反射)等
- 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
- ワクチン接種時:注射部位の発赤・皮疹・発熱
また、併用した抗がん剤(XELOX療法)では、手足のしびれ(末梢神経障害)、手足症候群、吐き気、下痢、白血球や血小板の減少などがみられることがあります。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
手術後の再発予防について、
ご相談してみませんか?
術後の抗がん剤の最中の方も、終えてしばらく経った方も、まずは今の状況をお聞かせください。
【ご相談の流れ】
① お電話(医師または看護師が対応)またはフォームで、現在の状況をうかがいます
② 初診で、医師が検査結果などの資料を確認し、標準治療を含む選択肢と当院での治療の適否をご説明します
③ 費用とリスクをご説明します
ご相談と初診は無料です。2回目以降の診察は有料です。
お電話でご相談
お近くの院をお選びください(平日10:00〜18:00/休診日はホームページをご確認ください)
または、フォームでご相談
フォームで相談する▼入力は2項目のみ/24時間受付
ステージⅢの大腸がんと、手術のあとの治療
大腸がんのうち、リンパ節に転移があるものはステージⅢと診断されます。ステージⅢcは、その中でも転移したリンパ節が多い、またはがんが腸の壁を越えて深く広がっている段階です。
手術でがんを取りきったあとも、目に見えない小さながん細胞が残っている可能性があります。そのため、ステージⅢでは術後補助化学療法を行うのが標準です。XELOX療法はその代表的な方法の一つです。手術のあとにXELOX療法を行うと、再発せずに過ごせる期間が長くなることが、臨床試験で示されています(Haller ほか, J Clin Oncol 2011)。
当グループの考え方 ― 術後の抗がん剤と並行して、再発予防を考える
当グループでは、主治医のもとで進める標準治療を土台にしています。そのうえで、免疫の働きを後押しする樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)を組み合わせる設計を検討することがあります。樹状細胞ワクチン療法は、患者さまご自身の樹状細胞を体外で培養してがんの目印を覚えさせ、体内に戻すことで、キラーT細胞にがんを攻撃させることを目指す治療です。
標準治療に加えた場合の上乗せの効果は、大規模な臨床試験で確立されたものではありません。適するかどうかは、病状と体の状態をみて個別に判断します。
よくある質問(FAQ)
| Q. 大腸がんの手術後、抗がん剤の最中でも樹状細胞ワクチン療法を受けられますか? |
| 併用することはあります。本症例では、術後補助化学療法(XELOX療法)を始めて2か月後から、樹状細胞ワクチン療法を併用しました。樹状細胞ワクチン療法では、はじめに成分採血でご本人の血液から細胞を集めます。そのため、抗がん剤の日程や血液検査の結果をみながら、始める時期を決めます。併用による上乗せの効果は、大規模な臨床試験で確立されたものではありません。 |
| Q. 樹状細胞ワクチン療法は、どのくらいの間隔で続けますか? |
| 最初のクールは、1〜3週間に1回の間隔で7回投与します。本症例では、最初のクールのあとも投与を続け、現在は半年ごとに投与しています。続けるかどうかと間隔は、病状と経過をみて個別に決めます。 |
| Q. ステージⅢの大腸がんは、手術と抗がん剤のあとも再発することがありますか? |
| あります。手術でがんを取りきり、術後の抗がん剤を受けたあとも、目に見えない小さながん細胞から再発することがあります。そのため、手術のあとは定期的な検査で経過を確認します。本症例も、診断から2年8か月の時点で再発は認められていませんが、経過の確認を続けています。 |
大腸がんの治療について、
ご相談ください
診断名や治療の内容が曖昧でも構いません。まずは現在の状況をお聞かせください。
初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。(2回目以降の診察は有料です)
お電話でご相談
お近くの院をお選びください(平日10:00〜18:00/休診日はホームページをご確認ください)
または、フォームでご相談
フォームで相談する▼入力は2項目のみ/24時間受付
あわせて読みたい
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。