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大腸がんステージ4(肝転移・肺転移)で肝・肺病変が画像上消失した症例|樹状細胞ワクチン療法+放射線療法

この症例のポイント

  • 大腸がんステージ4(上行結腸・肝転移・リンパ節転移・肺転移疑い)に対して、樹状細胞ワクチン療法(7回・4ヶ月)+放射線療法+FOLFOX+アバスチン(化学療法)を組み合わせた複合免疫療法を実施。
  • 治療開始約8ヶ月後のPET-CT検査で、肝・肺転移巣が画像上すべて消失。肝転移巣は壊死化を確認、FDG集積なし。
  • 進行がんに対して複数の治療を組み合わせるSynerTri®戦略により、がん細胞を標的とした免疫と局所制御を同時に実現した症例。

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    大腸がんステージ4(肝転移)とは

    大腸がんステージ4は、がんが肝臓・肺・腹膜などの遠隔臓器へ転移している段階です。中でも肝転移は大腸がんで最も多い遠隔転移であり、肝転移(肝臓を覆い尽くすほど大きな転移巣)の場合は切除不能とされるケースも少なくありません。ただし、近年は化学療法・分子標的薬・免疫療法・放射線療法を組み合わせることで、病変が縮小・消失するケースが報告されています。

    転移部位 特徴・頻度
    肝臓(最多) 大腸がんの転移で最も多い。門脈血行性転移が主。多発の場合は切除困難なことが多い。
    肺 2番目に多い遠隔転移。片肺・両肺、孤立性・多発性と様々なパターンがある。
    リンパ節 腸管周囲リンパ節→腸間膜→傍大動脈リンパ節へと連続的に転移。
    腹膜 播種性転移。腹水を伴うことがある。

    大腸がんステージ4の標準治療

    化学療法(一次治療)

    切除不能ステージ4大腸がんの標準的な一次治療は、オキサリプラチンまたはイリノテカンをベースとした化学療法に分子標的薬を組み合わせるレジメンです。

    レジメン 概要
    FOLFOX+アバスチン オキサリプラチン+5-FU+ベバシズマブ(抗VEGF)。本症例で使用。
    FOLFIRI+アバスチン イリノテカン+5-FU+ベバシズマブ。FOLFOX後の二次治療としても使用。
    XELOX+アバスチン カペシタビン(内服)+オキサリプラチン+ベバシズマブ。外来通院向き。
    セツキシマブ・パニツムマブ RAS野生型のみ適応。抗EGFR療法。

    外科切除・局所療法

    転移巣が切除可能な場合は、原発巣と転移巣の同時または段階的切除が検討されます。切除不能の場合でも、放射線療法・ラジオ波焼灼療法(RFA)・陽子線療法などの局所療法で転移巣を制御するアプローチがあります。本症例では関連施設での放射線療法を組み合わせています。

    大腸がんステージ4に免疫療法を組み合わせる考え方

    大腸がんは免疫療法単独での効果が限定的とされてきましたが、化学療法・放射線療法と免疫療法を組み合わせる複合戦略(SynerTri®)により、がん免疫の活性化と局所制御の相乗効果が期待できます。放射線照射でがん細胞が壊死・崩壊するとネオアンチゲン(がん特異抗原)が放出され、樹状細胞ワクチン療法と組み合わせることでより強力ながん特異的免疫が誘導されます(アブスコパル効果)。

    特徴 ポイント
    がん特異的免疫を誘導(アクセル) 樹状細胞ワクチンで大腸がん細胞を標的とするキラーT細胞を増やす
    局所制御+免疫活性化(スイッチ) 放射線でがん壊死→抗原放出→免疫活性化の連鎖(アブスコパル効果)
    化学療法との相乗効果 FOLFOX+アバスチンで腫瘍を縮小しながら免疫環境を整える
    副作用が少ない 正常細胞を傷つけにくく、QOLを維持しながら継続できる

    ※免疫療法は自費診療(保険適用外)です。効果には個人差があります。

    よくある質問

    Q. 大腸がんステージ4(肝転移)でも治療できますか?
    肝転移があっても、化学療法・放射線療法・免疫療法を組み合わせた複合治療を実施できます。本症例では複数の治療を組み合わせることで、画像上の病変消失を確認しています。治療効果には個人差があります。
    Q. 大腸がんの肝転移に免疫療法は効きますか?
    大腸がんは免疫療法単独では効果が限定的とされますが、化学療法・放射線療法と組み合わせることで相乗効果が期待されます。当院では個々の患者さまの免疫状態・がんの特性をもとに設計します。
    Q. 化学療法中でも樹状細胞ワクチン療法を受けられますか?
    当院では化学療法と樹状細胞ワクチン療法の並行実施が可能です。本症例でも化学療法(FOLFOX+アバスチン)と同時期に樹状細胞ワクチン療法を実施しました。化学療法の内容・タイミングに応じて個別に設計します。
    Q. 放射線療法と免疫療法は組み合わせられますか?
    放射線照射によりがん細胞が壊死・崩壊する際に放出されるがん抗原が、免疫療法の効果を高める可能性があります(アブスコパル効果)。本症例では放射線療法と樹状細胞ワクチン療法を組み合わせています。

    Case Report ─ 当院の大腸がん改善症例

    重要症例

    大腸がん
    上行結腸がん
    ステージⅣ
    肝転移
    肺転移
    リンパ節転移
    FOLFOX+アバスチン
    放射線療法
    樹状細胞ワクチン療法
    肝・肺病変 画像上消失
    PET-CT で壊死確認
    複合免疫療法

    大腸がんが肝臓・肺・リンパ節に広がったとき ― 複数の治療を組み合わせる

    ここまで大腸がんの治療の考え方をご紹介しました。複数の臓器に転移が及ぶと、ひとつの治療だけで抑えることが難しくなります。実際に抗がん剤・放射線療法・樹状細胞ワクチン療法を組み合わせた患者さまの経過をご紹介します。

    診断・経緯

    上行結腸がん・肝転移・リンパ節転移・肺転移疑いのステージ4と診断されました。主治医施設にて化学療法(FOLFOX+アバスチン)を開始し、関連施設での放射線療法と組み合わせながら、当院にて再発予防・腫瘍縮小を目的とした樹状細胞ワクチン療法を実施しました。また、患者自身の判断で栄養療法(自己管理)を並行されていました。

    治療経過

    時期 内容
    診断 上行結腸がん・肝転移・リンパ節転移・肺転移疑い(ステージⅣ)と診断。
    治療開始 主治医施設にて化学療法(FOLFOX+アバスチン)を開始。関連施設での放射線療法、当院にて樹状細胞ワクチン療法(7回・1クール・約4ヶ月)を並行して実施。
    治療開始約8ヶ月後 PET-CT検査で肝臓を覆い尽くすように広がっていた巨大な転移巣を含め、肝・肺転移巣が画像上すべて消失。肝転移巣は壊死化(FDG集積なし)。活動性転移なしと判定。

    3ヶ月後のCTで肝転移巣が画像上消失したことを確認。担当の放射線科医からも「これほどの反応は珍しい」との言葉があったと伺っています。

    大腸がんステージ4 腫瘍マーカー経過|治療による改善推移
    大腸がんステージ4 肝転移 CT経過画像|治療前後の比較
    大腸がんステージ4 内視鏡経過画像|治療経過の確認

    治療の考え方(SynerTri®)

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きを後押しします。患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自プロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、標準治療の化学療法(FOLFOX+アバスチン)に加えて、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を、局所療法の〈スイッチ〉として放射線療法(関連施設)を組み合わせています。

    放射線照射によりがん細胞が崩壊し放出されたがん抗原が、樹状細胞ワクチン療法と相乗的に作用することで、がん特異的キラーT細胞の強力な誘導につながったと考えています。栄養療法の並行実施も、免疫環境の維持に寄与したと考えられます。

    治療期間・回数

    樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本症例では1クール(約4ヶ月)を実施しました。化学療法・放射線療法との並行スケジュールは個別に設計します。

    費用

    当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は治療内容によって異なります。最新の料金は料金表をご確認ください。

    治療前のCT画像(肝転移)
    治療前のCT画像(肝転移)

    副作用・リスク

    免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。

    • 成分採血時:採取中の全身倦怠感、口の周り・手足のしびれ など
    • 細胞培養時:培養時の細菌等による汚染 など
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤、皮疹、発熱

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      ※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。

      矢﨑雄一郎医師 プレシジョンクリニック東京院長

      監修:矢﨑 雄一郎 医師
      プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

      CATEGORY

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