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TOP 症例 膀胱がん 膀胱がんステージ4で抗がん剤が効かず転移が拡大したのち、免疫療法ですべての転移が消失し3年間再発なく経過した70代男性の症例

膀胱がんステージ4で抗がん剤が効かず転移が拡大したのち、免疫療法ですべての転移が消失し3年間再発なく経過した70代男性の症例

この症例のポイント

  • 膀胱がんステージ4の70代男性。膀胱全摘後に抗がん剤(GC療法)を行ったが効果が得られず、骨盤内リンパ節・腹膜播種(腹水)・皮下への転移が拡大し、厳しい状況と説明されていた。
  • 免疫療法(樹状細胞ワクチン療法+活性化リンパ球療法)を開始したところ、開始から約4か月ですべての転移巣が消失し、腫瘍マーカーも正常値に戻った。
  • その後3年間、再発なく元気に経過主治医自身が著効例と捉え、自らの意思で学会の専門誌に一例報告として発表した。

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    膀胱がんとは

    膀胱がんは、膀胱の内側をおおう粘膜から発生するがんで、血尿や排尿時の痛み・違和感などで気づかれることがあります。がんが膀胱の筋層に達しているかどうかで治療方針が大きく分かれ、筋層に達していない「筋層非浸潤性」では内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術=TURBT)やBCG膀胱内注入療法が、筋層に達した「筋層浸潤性」や再発例では膀胱全摘除術+尿路変向術が検討されます。

    他の臓器やリンパ節に転移したステージ4(転移性)では、抗がん剤(GC療法=ゲムシタビン+シスプラチンなど)や免疫チェックポイント阻害薬による薬物療法が中心となります。

    抗がん剤が効かない転移性膀胱がんと免疫療法

    転移性の膀胱がんで抗がん剤の効果が得られない場合、治療の選択肢は限られます。当グループでは、標準治療を土台としつつ、免疫の力を高める樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)活性化リンパ球療法を組み合わせる設計を検討することがあります。

    免疫療法の種類 はたらき
    樹状細胞ワクチン療法 がんの目印を免疫細胞に教え、攻撃を誘導する「司令塔」を活かす治療。
    活性化リンパ球療法 患者さまのリンパ球を体外で増やし活性化して戻す、「実働部隊」を増やす治療。

    よくある質問(FAQ)

    Q. 膀胱がんで抗がん剤が効かない場合、ほかの選択肢はありますか?
    転移のある膀胱がんでは、抗がん剤(GC療法など)や免疫チェックポイント阻害薬が標準的に用いられます。抗がん剤の効果が得られない場合の選択肢のひとつとして免疫療法があり、本症例では樹状細胞ワクチン療法と活性化リンパ球療法を行い、すべての転移が消失しました。治療効果には個人差があります。
    Q. 樹状細胞ワクチン療法と活性化リンパ球療法は何が違いますか?
    樹状細胞ワクチン療法は、がんの目印を免疫細胞に教えて攻撃を誘導する「司令塔」を活かす治療です。活性化リンパ球療法は、患者さまのリンパ球を体外で増やし活性化して戻す「実働部隊」を増やす治療です。本症例では両者を組み合わせて免疫の力を高めました。
    Q. 転移が消えたあとも治療は続けますか?
    本症例では、すべての転移が消失し腫瘍マーカーが正常化したのちも、樹状細胞ワクチン療法を継続しています。継続や終了の判断は、画像所見や全身状態を確認しながら個別に行います。治療効果には個人差があります。

    Case Report ─ 当院の膀胱がん改善症例

    重要症例

    膀胱がん
    ステージ4
    多発転移
    抗がん剤が無効
    70代
    男性
    樹状細胞ワクチン療法
    全転移が消失
    マーカー正常化

    膀胱がんで抗がん剤が効かなくなったとき、免疫療法という選択肢

    ここまで膀胱がんステージ4の治療の考え方をご紹介しました。抗がん剤で効果が得られず転移が進む場合、次の設計が課題になります。実際に樹状細胞ワクチン療法と活性化リンパ球療法を受けられた患者さまの経過をご紹介します。

    患者情報

    項目 内容
    診断名 膀胱がん術後、骨盤内リンパ節転移、腹膜播種+腹水、皮下転移(ステージ4)
    年齢・性別 70代 男性
    治療法 樹状細胞ワクチン療法+活性化リンパ球療法(膀胱全摘・抗がん剤GC療法は前医で実施済み)
    治療期間・回数 樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。活性化リンパ球療法も併用しました。
    治療費 当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。

    治療経過

    時期 内容
    初発 排尿時の痛みをきっかけに膀胱がんが見つかり、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)+BCG膀胱内注入療法を施行。
    翌年 経過観察中に再発。膀胱全摘除術+両側尿管皮膚瘻造設術を実施。
    術後 GC療法(抗がん剤)を開始したが効果が得られず、骨盤内リンパ節転移・腹膜播種(腹水)・皮下転移が出現。厳しい状況と説明された。
    免疫療法開始 樹状細胞ワクチン療法と活性化リンパ球療法を開始。
    開始 約3か月後 腫瘍マーカーが正常値に戻った。
    開始 約4か月後 すべての転移巣が消失
    その後〜現在 3年間、再発なく元気に経過主治医自身が著効例と捉え、自らの意思で学会の専門誌に一例報告として発表した。
    膀胱がん3356 治療経過タイムライン(抗がん剤無効後に免疫療法で全転移消失・マーカー正常化)

    治療の考え方(SynerTri®)

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、抗がん剤(GC療法)で十分な効果が得られず転移が拡大した状況に対し、免疫を活性化する〈アクセル〉として、免疫の「司令塔」を活かす樹状細胞ワクチン療法と、「実働部隊」を増やす活性化リンパ球療法を組み合わせました。開始後、腫瘍マーカーの正常化に続いてすべての転移巣の消失が確認され、以降3年間、再発なく経過しています。

    副作用・リスク

    樹状細胞ワクチン療法・活性化リンパ球療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。

    • 成分採血時:めまい・吐き気(迷走神経反射)、口の周り・手足のしびれ等
    • 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤・皮疹・発熱
    • 活性化リンパ球療法の点滴時:発熱

    治療効果には個人差があります。同様の効果を保証するものではありません。

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      矢﨑雄一郎 プレシジョンクリニック東京院長
      監修:矢﨑 雄一郎 医師
      プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。