投稿日:2023.10.1/更新日:2024.12.8
2023年9月11日、医学誌『The Lancet』に掲載された最新の臨床試験結果
「NALIRIFOX」という名称は、含まれる薬剤の頭文字に由来し、次の4種の薬剤が含まれます。
NAPOLI 3試験(NCT04083235)では、未治療の転移性膵管腺がん患者を対象に、NALIRIFOX療法と標準治療(nab-パクリタキセル+ゲムシタビン併用療法)の有効性と安全性を比較しました。
試験デザインは、28日を1サイクルとして以下のスケジュールで実施されました。
試験の主要評価項目であるITT集団における全生存期間(OS)の中央値は以下の通りでした。
NALIRIFOX群では、死亡リスクが17%減少(HR: 0.83, 95%信頼区間: 0.70-0.99, P=0.036)しました。一方、安全性については次の結果が示されました。
NAPOLI 3試験の結果、NALIRIFOX療法は未治療の転移性膵管腺がんにおける新たな治療選択肢として有望であることが示されました。今後さらに多くの研究が進むことで、膵臓がん治療における有用性がより明確になることが期待されます。
監修医師
岡崎 能久医師
内視鏡診断/治療・研究開発
大阪大学医学部を卒業後、同大学院の修士課程を終了したのち、関西地方を中心に医療に従事、現在はプレシジョンクリニック名古屋院長として活躍中。専門は内視鏡診断および治療・研究開発。日本内科学会認定医や日本消化器病学会専門医、日本医師会認定産業医などの認定医を保有。