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免疫療法

投稿日:2024.11.2/更新日:2024.11.3

免疫はやはりキラーT細胞だけでなく、ヘルパーT細胞が重要

CAR療法などでCD8+ T細胞に注目が集まる一方、腫瘍免疫学においてはCD4+ T細胞も非常に重要です。当社の樹状細胞ワクチンは、CD8+ T細胞だけでなく、CD4+ T細胞も同様に刺激し、相乗効果を引き出すように設計されています。

『Multipeptide vaccines for melanoma in the adjuvant setting: long-term survival outcomes and post-hoc analysis of a randomized phase II trial』
Nature Communications, 2024年3月22日

これまで、がんワクチン療法におけるCD4+ T細胞の役割は過小評価されてきました。CD8+ T細胞をターゲットにしたマルチペプチドワクチン(12MP)で治療を受けた高リスクメラノーマ患者を対象に、CD4+(ヘルパー)T細胞を刺激するワクチン、6MHP(6種のメラノーマ特異的ヘルパーペプチド)またはテタヌス毒素由来の非特異的ヘルパーペプチド(tet)のいずれかを投与するランダム化多施設第II相臨床試験(NCT00118274)が実施され、その長期的な臨床成績が報告されています。

この試験では、CD4+ T細胞用ワクチンとして6MHPまたはtetがランダムに投与され、さらにサイクロホスファミド(Cy)の事前治療の効果も評価されました。結果として、tetの代わりに6MHPを追加すると、CD8+ T細胞の応答が向上し、全生存期間が延長されることが示されました。この効果は男性患者で特に顕著でした。また、6MHPとCyとの好ましい相互作用も示唆されています。

多変量コックス回帰分析によると、ワクチン群(12MP + 6MHP + Cy)と男性患者が改善された生存予測の有意な要因として特定されました。この発見は、がんワクチンにCD4+ T細胞を刺激する同種T細胞ヘルパーを追加する意義を裏付けると同時に、免疫療法の成果に対して患者の性別が影響する可能性を示唆しています。

当グループでは、創業当時からCD8+ T細胞だけでなく、CD4+ T細胞が重要であることに着目し、両細胞を刺激することができる樹状細胞ワクチン療法を開発し、提供しております。

監修医師

岡崎 能久医師

内視鏡診断/治療・研究開発

大阪大学医学部を卒業後、同大学院の修士課程を終了したのち、関西地方を中心に医療に従事、現在はプレシジョンクリニック名古屋院長として活躍中。専門は内視鏡診断および治療・研究開発。日本内科学会認定医や日本消化器病学会専門医、日本医師会認定産業医などの認定医を保有。

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