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免疫療法

投稿日:2024.12.8/更新日:2026.9.21

大腸癌に対する免疫療法の新たな可能性

この記事でわかること

  • MSI-H/dMMRの転移性大腸がんに、オプジーボとヤーボイの併用が化学療法より優れていたNEJM(2024年)の第3相試験
  • 24か月無増悪生存率72%対14%、重い副作用は23%対48%という主要な結果
  • MSI-H/dMMRは遺伝子パネル検査やミスマッチ修復たんぱくの免疫染色で調べられること
  • MSI-Hでない大多数(約95%)の大腸がんで検討できる免疫療法の設計

背景: MSI-H/dMMRと免疫療法

大腸癌の一部では、遺伝子パネル検査によりMSI-HまたはdMMRが確認されます。このタイプのがんは、従来の化学療法に対する反応性が低いことが知られており、新たな治療法の必要性が高まっています。

研究概要

『Nivolumab plus Ipilimumab in Microsatellite-Instability-High Metastatic Colorectal Cancer』NEJM NOV 28, 2024CME として発表された第3相非盲検試験では、MSI-H/dMMRを有する転移性大腸癌患者に対して、免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブ(オプジーボ)とイピリムマブ(ヤーボイ)の併用療法が評価されました。

研究デザイン

高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を有する転移性大腸癌患者を対象にした第3相非盲検試験です。治療効果を比較するために、以下の3群に無作為に割り付けられました。

  • ニボルマブ+イピリムマブ群(免疫チェックポイント阻害薬の併用療法)
  • ニボルマブ単独群
  • 標準化学療法群(場合によっては標的療法併用)

研究結果

転移性大腸癌患者303例が無作為に割り付けられ、255例がMSI-H/dMMRと確認されました。追跡期間中央値31.5ヵ月において、以下のような結果が得られました。

主要結果

無増悪生存期間(PFS)は以下の通りです。

  • 24ヵ月無増悪生存率:ニボルマブ+イピリムマブ群 72%、化学療法群 14%
  • 制限付き平均生存期間:ニボルマブ+イピリムマブ群が化学療法群より10.6ヶ月長い
  • 治療関連有害事象(グレード3または4):ニボルマブ+イピリムマブ群 23%、化学療法群 48%

結論

MSI-H/dMMRを有する転移性大腸癌患者において、ニボルマブ+イピリムマブは化学療法よりも無増悪生存期間が長く、治療選択肢として有望です。この治療法は、特に化学療法に対して耐性を示す患者に対する新たな希望となる可能性があります。

当院の実例

手術適応外の大腸がんステージ4(多発肝転移)に抗がん剤(XELOX)と樹状細胞ワクチン療法を併用し、原発巣と肝転移が画像上消失して病理でも完全寛解を確認した症例

多発肝転移のため手術適応外と判定され、抗がん剤(ゼローダ+オキサリプラチン)を開始。当院で樹状細胞ワクチン療法(7回・1クール)を並行して行いました。ワクチン終了後の免疫評価では、大腸がん細胞だけを狙うキラーT細胞が治療前の30倍に増加。大腸の原発がんと多発肝転移はともに画像上消失し、病理検査で完全寛解(CR)が確認されました。免疫チェックポイント阻害薬の対象にならない大腸がんでも、「がん特異的な免疫を作る」道があることを示す一例です。

症例の詳細を見る →

※個別の症例であり、治療効果には個人差があります。同じ結果をお約束するものではありません。

よくある質問

自分の大腸がんがMSI-Hかどうかは、どう調べますか?

手術や生検の組織でミスマッチ修復たんぱく(MLH1・MSH2・MSH6・PMS2)の免疫染色を行うか、MSI検査・遺伝子パネル検査で判定します。転移のある大腸がんでは保険で検査できます。結果の解釈と次の治療の相談は当院でも承ります。

MSI-Hではない大腸がんに免疫療法は使えますか?

免疫チェックポイント阻害薬単独では効果が乏しいと報告されていますが、当院では抗がん剤や放射線でがん抗原を放出させ、樹状細胞ワクチン療法でがん特異的な免疫を誘導する設計を行っています。症例ページに大腸がんの経過を公開しています。

オプジーボとヤーボイの併用は、日本の保険で受けられますか?

MSI-Hの切除不能・転移性大腸がんに対しては、2026年時点で日本でも保険適用があります。主治医の施設で受けられる治療なので、まずは検査結果を主治医にご確認ください。

大腸がんで免疫療法を検討中の方へ
ご自身に合う組み合わせを、当院に相談してみませんか?

免疫チェックポイント阻害薬が使えるのはMSI-Highなど一部ですが、他にも方法があります。
抗がん剤に樹状細胞ワクチン療法を重ね、多発肝転移が消失した実例があります。
これまでの治療歴と検査結果をうかがったうえで、ひとつずつご説明します。ご相談は無料です。

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    監修医師:岡崎 能久医師

    監修医師

    岡崎 能久医師

    内視鏡診断/治療・研究開発

    大阪大学医学部を卒業後、同大学院の修士課程を終了したのち、関西地方を中心に医療に従事、現在はプレシジョンクリニック名古屋院長として活躍中。専門は内視鏡診断および治療・研究開発。日本内科学会認定医や日本消化器病学会専門医、日本医師会認定産業医などの認定医を保有。

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