2026.9.11
卵巣がんの特徴
卵巣がんは、初期のうちに見つけにくいがんの一つです。皮膚がんのように直接みて分かるというものではなく、胃がんや大腸がんのようにカメラを入れて確認することもできません。卵巣がんは早期には自覚症状に乏しいことが多く、月経異常や腹部の張りなどの症状があれば早めに婦人科を受診し、定期的な検査を受けることが大切です。というのも、卵巣がんの中にはチョコレートのう腫など、良性の腫瘍がホルモンなどの影響を受け、年月を経てがん化するものがあり、それに伴って月経過多や月経痛などの症状もよく見られるからです。これらがあるからといって必ずがんというわけではありませんが、継続的に検査を受けることが大切です。
卵巣がんの治療
卵巣がんは、がん細胞の性質からたくさんの種類に分けられますが、50代に多いのは上皮にできるがんで、大きく漿液性腺がん、粘液性腺がん、類内膜腺がん、明細胞腺がんに分けられます。このうちもっとも多いのは漿液性腺がんで、全体の40%を占めています。一方で、明細胞腺がんも全体の15~20%で欧米人に比べて日本人に多く、年々増加しているといわれています。漿液性腺がんには、タキソール+カルボプラチンという抗がん剤の組み合わせが比較的よく効くことが分かっていますが、明細胞腺がんの治療はまだ十分に確立されていません。
いずれにしても初期治療では手術を、あるいは手術前に抗がん剤投与を行い(術前化学療法)、病巣を小さくしてから手術をするのが標準治療となっています。再発治療ではプラチナ製剤への感受性などに応じて薬物療法を選択し、PARP阻害薬などによる維持療法も行われますが、初回治療ほどの奏効は期待しにくいのが現状です。セカンドライン、サードラインの抗がん剤はありますが、ファーストラインほどの奏効率は期待できず、副作用も強いというのが現状です。
そこで、こうした標準治療だけでは立ち向かえない卵巣がんに対し、樹状細胞ワクチン療法などの免疫細胞療法が、新たな選択肢として期待されています。