無料医療相談

FREE CONSULTATION

TOP 用語集 免疫チェックポイント阻害薬

2024.10.13

免疫チェックポイント阻害薬

免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitors)は、がんの免疫療法の一つであり、がん細胞が免疫システムから逃れるのを防ぐ薬剤です。免疫チェックポイントは、免疫細胞(特にT細胞)が異常に活性化して自己免疫反応を起こさないようにするための体内の仕組みです。しかし、この仕組みを利用して、がん細胞がT細胞による攻撃を回避することがあります。

代表的な免疫チェックポイント

  1. PD-1(Programmed Death-1): T細胞の表面にあるタンパク質で、がん細胞がPD-1に結合すると、T細胞の働きが抑制され、がん細胞を攻撃できなくなります。
  2. PD-L1(Programmed Death-Ligand 1): がん細胞や免疫抑制性の細胞が出すタンパク質で、PD-1に結合してT細胞を抑制します。
  3. CTLA-4(Cytotoxic T-Lymphocyte Antigen 4): 免疫チェックポイントの一つで、T細胞が活性化される前の段階で、CTLA-4が働くことによりT細胞の攻撃が抑制されます。

免疫チェックポイント阻害薬の作用機序

免疫チェックポイント阻害薬は、PD-1、PD-L1、CTLA-4といったチェックポイント分子を阻害することで、免疫細胞が再び活性化し、がん細胞を攻撃できるようにします。これにより、がん細胞が免疫システムの監視から逃れるのを防ぎ、免疫によるがんの排除を促進します。

主な免疫チェックポイント阻害薬

  • PD-1阻害薬:
    ニボルマブ(オプジーボ)
    ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
  • PD-L1阻害薬:
    アテゾリズマブ(テセントリク)
    アベルマブ(バベンシオ)
    デュルバルマブ(イミフィンジ)
  • CTLA-4阻害薬:
    イピリムマブ(ヤーボイ)
    トリメリマブ(イジュド)

免疫チェックポイント阻害薬の効果

特定のがん種では、免疫チェックポイント阻害薬が非常に有効であり、特にメラノーマ(皮膚がん)、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部がんなどで効果が示されています。また、一部の固形がんや血液がんにも適用が広がってきています。がんの種類や進行具合、患者の免疫状態により、治療効果は異なりますが、長期的な生存を得る患者も増加しています。

副作用

免疫チェックポイント阻害薬は免疫を活性化するため、自己免疫疾患に似た副作用を引き起こすことがあります。例えば、皮膚、腸、肝臓、肺、内分泌系(ホルモンの分泌を司る臓器)に炎症を引き起こすことがあります。これらの副作用は、免疫抑制剤で治療されることが一般的です。

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫システムを利用したがん治療の進展に大きく貢献しており、がん患者に新たな治療選択肢を提供しています。