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TOP 用語集 FOLFIRINOX

2024.10.29

FOLFIRINOX

FOLFIRINOXは、特に膵臓がんや一部の進行がんに対して使用される強力な化学療法の一種です。この治療は4つの薬剤の組み合わせから成り、各薬剤の名前の頭文字をとって「FOLFIRINOX」と呼ばれています。4つの薬剤は以下の通りです:

  1. 5-FU(フルオロウラシル)

    がん細胞のDNA合成を阻害し、細胞の増殖を抑制する抗がん剤です。

  2. ロイコボリン(ホリナート)

    5-FUの効果を増強する薬剤で、がん細胞への攻撃力を高めます。

  3. イリノテカン

    トポイソメラーゼ阻害剤として作用し、がん細胞のDNA複製を妨げ、細胞の分裂を防ぎます。

  4. オキサリプラチン

    プラチナ製剤で、DNAを傷つけることで細胞分裂を阻害し、がん細胞を死滅させます。

効果と適応

FOLFIRINOXは、膵臓がんの中でも特に進行性・転移性のケースに対して効果が期待される治療法のひとつです。膵臓がんは一般に治療が難しいため、FOLFIRINOXは標準治療の一環として位置づけられ、患者の生存期間を延ばす効果が確認されています。ただし、強力な治療であるため、体力が十分にある患者に限られることが多く、他の治療法と比較しても副作用が強い点が注意されます。

副作用

FOLFIRINOXは強力な治療であるため、副作用も少なくありません。主な副作用には以下のようなものが含まれます。

  • 骨髄抑制:白血球や赤血球、血小板が減少し、感染症のリスクが高まる。
  • 吐き気・嘔吐:胃腸への影響が強く、食欲不振や体重減少を引き起こすことがある。
  • 神経障害:オキサリプラチンによる末梢神経障害が生じ、手足のしびれや感覚異常が現れる。
  • 脱毛や下痢:患者によっては脱毛や消化器症状が現れることもあります。

適応の判断

FOLFIRINOXは、進行性や転移性膵臓がん患者で、比較的体力があり、治療を耐えられると判断された場合に適応されることが一般的です。

※FOLFIRINOXの名称

FOLFIRINOXの名前は、4つの薬剤の英語名の頭文字を取って構成されています。それぞれの薬剤名と頭文字の由来は以下の通りです。

  1. FOLinic acid (ホリナート / ロイコボリン)

    • 「FOL」とは、ロイコボリンの別名「フォリン酸(folinic acid)」に由来します。
    • ロイコボリンは5-FUの効果を増強する目的で使われます。
  2. Fluorouracil (5-FU / フルオロウラシル)

    • 「F」はフルオロウラシルの頭文字から取られています。
    • 5-FUは抗がん剤で、がん細胞のDNA合成を妨げる働きを持っています。
  3. IRinotecan (イリノテカン)

    • 「IR」は、イリノテカンの一部を取ったものです。
    • イリノテカンは、トポイソメラーゼ阻害剤として作用し、がん細胞のDNA複製を妨げます。
  4. OXaliplatin (オキサリプラチン)

    • 「OX」は、オキサリプラチンの名前の一部から取られています。
    • オキサリプラチンは、プラチナ製剤でがん細胞のDNAにダメージを与えます。