膵臓がんの治療はプレシジョンメディシン(がんゲノム医療)が良いと考える理由

コラム

プレシジョンクリニックグループでは、標準治療が困難なステージ4の膵臓がん(すい臓がん)に対して、2019年からプレシジョンメディシン(がんゲノム医療)に取り組んでいまいりました。

当グループは進行膵臓がんの治療に力を入れていますが、膵臓がんの治療はプレシジョンメディシンが良いと考えられる興味深い調査結果があります。

膵臓がん専門機関が膵臓がん患者さま1,000例以上を対象に、遺伝子異常(変異)に基づいた分子標的薬治療、すなわちプレシジョンメディシン(がんゲノム医療)を受けた患者群(OS=2.58年)と、それに対して、治療を受けなかった患者群(OS=1.51年)または標準治療(通常の抗がん剤)を受けた患者群(OS=1.32年)と比較して、プレシジョンメディシン(がんゲノム医療)を受けた患者群の予後(寿命)が大幅に改善されていたことを明らかにしています。

プレシジョンメディシン群 VS 標準治療群ではHR=0.34と、プレシジョンメディシンがすばらしい治療成績が得られました。(P-VALUE = 0.0000023, HR = 0.34 (0.22-0.53))

これはプレシジョンメディシンは、標準治療より増悪リスクを66%も減少させたということを意味します。

※HR(ハザード比):ハザード比とは、ある試験で検討したい治療群Aと比較対象の治療群Bとを比べたとき、ハザード比が1であれば2つの治療法に差はなく、ハザード比が1より小さい場合には治療群Aの方が有効と判定され、その数値が小さいほど有効であるとされます。例えばA薬と対象のB薬を比較するというある臨床試験でハザード比が0.94という結果であれば、A薬はB薬よりリスクを6%減少させたという意味になります。

当グループは、国内クリニックで先駆けて標準治療が困難なステージ4の膵臓がんに対するプレシジョンメディシンを導入・推進し、多くの症例実績・ノウハウがございます。

膵臓がんに対するプレシジョンメディシン(がんゲノム医療)にご興味のある方は、気兼ねなくご相談ください。

プレシジョンクリニックグループ
医師 矢﨑

世界の膵臓がん治療のトレンド -プレシジョンメディシン-