この症例のポイント
膵臓がん 術後 多発肺転移 ステージⅣ。手術後の経過観察中に肺転移と診断されました。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 経過 | 2018年に膵臓がんで手術。経過観察中の2021年に生検で肺転移と診断。 |
| 当院受診・治療開始 | 当院へ転院し、2021年6月より抗がん剤(ジェムザール・アブラキサン〈半量〉)+免疫療法(樹状細胞ワクチン療法・免疫チェックポイント阻害薬〈オプジーボ〉)・栄養療法を開始。 |
| 経過 | 肺転移は縮小後、進行停止を維持。 |
| 腫瘍マーカー | CA19-9 は治療開始後、79をピークに 40前後で推移。 |
| QOL | 副作用なく、治療開始から2年間、日常生活に支障なくゴルフ等を楽しまれている。 |
腫瘍マーカー基準値:CA19-9 37 U/mL以下。
当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、標準治療としての抗がん剤に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を、免疫の〈ブレーキ解除〉として免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせています。
本症例では、上記治療を支持するために栄養療法を併用しています。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。本症例での実施回数:樹状細胞ワクチン療法 4ヶ月・7回投与/免疫チェックポイント阻害薬 3回/栄養療法 継続。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法のうち、樹状細胞ワクチン療法・活性化リンパ球療法では重い副作用が認められることはほとんどありません。一方、免疫チェックポイント阻害薬では免疫が過剰に働くことによる副作用(免疫関連有害事象)に注意が必要です。主な副作用は以下のとおりです。
あります。この症例は術後の多発肺転移に対して、抗がん剤(半量のジェムザール・アブラキサン)と樹状細胞ワクチン療法・免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ)を併用しました。再発後も体力を保ちながら治療を続ける設計が可能です。
抗がん剤の減量は、副作用を抑えて治療を長く続けるための選択です。この症例では半量の抗がん剤と免疫療法を組み合わせ、副作用なく2年間の進行停止を維持しました。用量は主治医と相談しながら決めます。
樹状細胞ワクチン療法は副作用がほとんどなく、通院で行う治療です。この症例では治療開始から2年間、ゴルフなどの趣味を続けながら経過しています。生活の質を保つことも、当院が治療設計で重視している点です。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。
CATEGORY