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膵臓癌ステージⅣ、肺と肝臓に多発転移があり食欲が落ちていた50代男性|抗がん剤に免疫療法と陽子線治療を段階的に組み合わせた経過

膵臓がん
50代 男性
ステージⅣ
肝転移
肺転移
FOLFIRINOX
ジェムザール
アブラキサン
NK細胞療法
樹状細胞ワクチン
免疫チェックポイント阻害薬
陽子線治療
温熱療法
腫瘍マーカーの正常化体調改善食欲改善

この症例のポイント

  • 相談時の状況:腹部の痛みをきっかけに、膵臓癌ステージⅣと診断された50代の男性です。肺と肝臓に多発転移があり手術はできず、受診時は食欲が約10%まで落ちて、日中の半分以上を横になって過ごしていました。
  • 検討した課題:抗がん剤(FOLFIRINOX)を土台にして、落ちた体力を支えながら、免疫療法と局所治療をどの順番で重ねるかを検討しました。
  • 行った治療と経過:抗がん剤(FOLFIRINOX、のちにジェムザール+アブラキサン)に、NK細胞療法・樹状細胞ワクチン療法・免疫チェックポイント阻害薬・陽子線治療を順に重ね、温熱療法と栄養療法で体を支えました。1か月単位で体調と食欲が戻り、陽子線治療のあとに腫瘍マーカー(CEA 8.4・CA19-9 1,410)は正常値まで改善し、体調も発症前に近い状態まで回復しています。

膵臓癌と診断された方は、膵臓癌の治療選択肢のページもご覧ください。

膵臓癌で肺や肝臓に転移があり、体力が落ちている方へ。
抗がん剤は続けたまま、ご相談いただけます。

落ちた体力を支えながら、抗がん剤に何を組み合わせられるかを、一緒に考えませんか。
まずは、これまでの治療と現在の状況をお聞かせください。
初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。
ご相談と初診は無料です(2回目以降の診察は有料です)。

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    診断名

    膵臓がん ステージⅣ。多発肺転移・肝転移を伴っていました。

    治療の経過

    段階 内容
    診断 腹部の痛みを契機に、膵臓がんステージⅣ(多発肺・肝転移)と診断。手術不能。
    初診時の状態 食欲は約10%、日中の半分以上を臥床。腫瘍マーカーはCEA・CA19-9とも高値。
    集学的治療 抗がん剤(FOLFIRINOX、のちにジェムザール+アブラキサン)を開始し、NK細胞療法→樹状細胞ワクチン療法→免疫チェックポイント阻害薬→陽子線治療を順次併用。温熱療法・栄養療法(低糖質高タンパク食・高濃度ビタミンC)も実施。
    経過 1ヶ月単位で体調・食欲が改善。
    腫瘍マーカー CEA 8.4・CA19-9 1,410と高値でしたが、治療開始後に正常値まで改善。体調も発症前に近い状態まで回復。

    腫瘍マーカー基準値:CEA 5 ng/mL以下/CA19-9 37 U/mL以下。

    腫瘍マーカーの推移
    腫瘍マーカーの推移

    治療の考え方

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、標準治療としての抗がん剤(FOLFIRINOX、のちにジェムザール+アブラキサン)に、免疫を活性化する〈アクセル〉としてNK細胞療法・樹状細胞ワクチン療法を、免疫の〈ブレーキ解除〉として免疫チェックポイント阻害薬を、局所療法〈スイッチ〉として陽子線治療を組み合わせています。

    本症例では、上記治療を支持するために温熱療法・栄養療法を併用しています。

    治療期間・回数

    樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。本症例は複数の治療を時期をずらして組み合わせた集学的治療です。

    費用

    当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。

    副作用・リスク

    免疫療法のうち、樹状細胞ワクチン療法・活性化リンパ球療法では重い副作用が認められることはほとんどありません。一方、免疫チェックポイント阻害薬では免疫が過剰に働くことによる副作用(免疫関連有害事象)に注意が必要です。主な副作用は以下のとおりです。

    • 成分採血時:口の周り・手足のしびれ、倦怠感、吐き気(迷走神経反射)等
    • 細胞培養時:培養時の細菌等による汚染 など
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤、皮疹、発熱
    • (免疫チェックポイント阻害薬)免疫が過剰に働くことによる副作用:間質性肺疾患、大腸炎・下痢、1型糖尿病、肝機能障害・肝炎、甲状腺などの内分泌障害、皮膚障害、神経障害、注入時反応(インフュージョンリアクション) など

    院長から

    免疫が働くには、栄養や体温といった体の土台が要る、というのが私たちの考え方です。この方は、食欲が約10%まで落ちた状態から、温熱療法と栄養療法で体を支えながら、抗がん剤に免疫療法と陽子線治療を順に重ねました。体力に合わせて順番と強さを変えたことが、腫瘍マーカーが正常値まで改善した経過に寄与できた可能性があると考えています。

    ご自身の場合に何ができるかは、
    資料を見てからお答えします。

    画像と検査値を見ないと、はっきりしたことはお答えできません。まずは今の状況をお聞かせください。
    【ご相談の流れ】

    ① お電話(医師または看護師が対応)またはフォームで、現在の状況をうかがいます
    ② 初診で、医師が検査結果などの資料を確認し、標準治療を含む選択肢と当院での治療の適否をご説明します
    ③ 費用とリスクをご説明します
    ご相談と初診は無料です。2回目以降の診察は有料です。

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      よくある質問(FAQ)

      Q. 膵臓がんステージ4で食欲がほとんどない状態でも、治療は始められますか?

      この症例は受診時の食欲が約10%まで低下していましたが、栄養療法と温熱療法で体力を支えながら、抗がん剤と免疫療法を段階的に導入しました。体力に合わせて順番と強さを調整することで、治療を始められる場合があります。

      Q. 陽子線治療と免疫療法は組み合わせられますか?

      組み合わせられます。放射線で壊れたがん細胞が免疫の標的になるため、免疫療法との相性は良いと考えられています。この症例では免疫療法の後に陽子線治療を行い、その後に腫瘍マーカーが正常値まで改善しました。陽子線治療は連携する医療機関で行います。

      Q. 集学的治療とは何ですか?

      抗がん剤・免疫療法・放射線・温熱・栄養など複数の治療を、患者さんの状態に合わせて組み合わせる考え方です。当院ではSynerTri®として、免疫を動かすアクセル・ブレーキ解除・局所療法のスイッチを順番に設計します。

      ご紹介したのは、一人の患者さまの経過です。
      そこから先は、診察でお話ししましょう。

      診断名や現在の治療が曖昧でも構いません。まずは現在の状況をお聞かせください。
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        ※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。

        矢﨑 雄一郎 医師

        監修:矢﨑 雄一郎 医師

        プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科

        がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。

        詳しい経歴はこちら

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