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大腸がんステージⅣの多発肝転移で手術はできないと言われた方の症例|XELOXと樹状細胞ワクチン療法を併用した経過

この症例のポイント

  • 相談時の状況:大腸がんと診断され、肝臓に多発転移があるため手術の適応がないと判定された方です。全身の抗がん剤(XELOX療法)が始まっていました。
  • 検討した課題:抗がん剤(XELOX)を土台にして、免疫の面から何を重ねるかを検討しました。
  • 行った治療と経過:XELOX療法と並行して樹状細胞ワクチン療法を1クール(7回・約4か月)行い、大腸がんを標的とするキラーT細胞は治療前の30倍に増えました。原発がんと多発肝転移は画像上確認できなくなり、病理検査でも完全寛解(CR)が確認されました。

大腸がんの肝転移で、手術はできないと言われた方へ。
抗がん剤は続けたまま、ご相談いただけます。

抗がん剤に何を組み合わせられるかを、一緒に考えませんか。
まずは、これまでの治療と現在の状況をお聞かせください。
初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。
ご相談と初診は無料です(2回目以降の診察は有料です)。

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    Case Report ─ 当院で治療を行った大腸がんの症例

    重要症例

    大腸がん
    ステージⅣ
    多発肝転移
    手術適応外
    XELOX
    樹状細胞ワクチン療法
    原発・肝転移が画像上消失(病理でCR)

    免疫が体内で30倍

    手術ができない大腸がんの多発肝転移に、XELOXと樹状細胞ワクチン療法を併用した経過

    多発肝転移で手術の適応がないと判定され、抗がん剤が始まった時期に当院へ相談があった患者さまの経過をご紹介します。大腸がんのステージ・検査・治療の解説は、症例のあとにまとめています。

    相談時の状況と、検討した課題

    検査で大腸がんと診断され、肝臓に転移が多発していたため、手術の適応はないと判定されました。治療は全身の抗がん剤(XELOX療法)から始まりました。

    当院へのご相談は、その時期でした。検討の課題は、抗がん剤を続けながら、免疫の面から重ねられる治療があるかどうかでした。当院では、XELOX療法を続けていただきながら、樹状細胞ワクチン療法を1クール(7回)併用しました。

    治療経過

    時期 内容
    診断時 CT・画像検査で大腸がん多発肝転移を確認。手術適応外と判定。
    治療開始 XELOX(ゼローダ+オキサリプラチン)による全身化学療法を開始。当院にて樹状細胞ワクチン療法(7回・1クール・約4ヶ月)を並行して実施。
    ワクチン療法終了後 免疫評価にて、大腸がん細胞を標的に攻撃するキラーT細胞が治療前比30倍に増加を確認。
    治療結果 大腸の原発がん・多発肝転移ともに画像上確認できなくなった。病理検査でも完全寛解(CR)を確認。

    治療の考え方(SynerTri®)

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、標準治療としての抗がん剤(XELOX)に、免疫を活性化することをねらう〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を組み合わせました。治療後の免疫の検査で、大腸がん細胞を標的とするキラーT細胞の増加を確認しており、原発がん・肝転移の消失に寄与できた可能性があると考えています。

    治療期間・回数

    樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本症例では1クール(約4ヶ月)を実施しました。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。

    費用

    当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。

    副作用・リスク

    免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。

    • 成分採血時:口の周り・手足のしびれ、倦怠感、吐き気(迷走神経反射)等
    • 細胞培養時:培養時の細菌等による汚染 など
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤、皮疹、発熱

    院長から

    手術ができないと言われたときも、抗がん剤を土台に免疫療法を重ねるのが、私たちの基本の考え方です。この方は、XELOX療法と並行して樹状細胞ワクチン療法を1クール行い、治療後の検査で大腸がんを標的とするキラーT細胞の増加を確認しました。がんを標的とする免疫が体の中で増えたことが、原発がんと肝転移の消失に寄与できた可能性があると考えています。

    ご自身の場合に何ができるかは、
    資料を見てからお答えします。

    画像と検査値を見ないと、はっきりしたことはお答えできません。まずは今の状況をお聞かせください。
    【ご相談の流れ】

    ① お電話(医師または看護師が対応)またはフォームで、現在の状況をうかがいます
    ② 初診で、医師が検査結果などの資料を確認し、標準治療を含む選択肢と当院での治療の適否をご説明します
    ③ 費用とリスクをご説明します
    ご相談と初診は無料です。2回目以降の診察は有料です。

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      大腸がんとは

      大腸がんは結腸・直腸に生じる悪性腫瘍で、日本人の場合S状結腸や直腸での発生が多い傾向があります。発生経路は2つあり、①良性ポリープの悪性化、②健康な粘膜から直接がん細胞が生じるパターンがあります。初期段階では症状がほぼなく、進行に伴い便に血が混じるなどの変化が現れます。

      大腸がんのステージ別の症状

      大腸がんはステージ(進行度)によって症状が大きく異なります。ステージが進むほど症状が多様化し、転移先の臓器に応じた症状も現れます。

      ステージ 状態と主な症状
      ステージ0
      粘膜内がん
      粘膜層にとどまり、リンパ節・他臓器転移なし。自覚症状はほぼなく、検診で偶然発見されることが多い。
      ステージ1 内側層にとどまり、リンパ節・外側転移なし。軽い便秘・下痢・わずかな血便が出ても見過ごされがち。
      ステージ2 壁を突き抜けるが、リンパ節・他臓器転移なし。便秘と下痢が交互に現れ、血便・腹部違和感・軽い痛みが出始める。
      ステージ3 近くのリンパ節に転移。粘液混じりの便、持続する血便、腹部痛の増加、体重減少・食欲不振・疲労感。
      ステージ4 肝臓・肺・腹膜などの遠隔臓器に転移。転移臓器特有の症状(黄疸・息苦しさ・腹水など)が現れ、体調変化が急速に進むこともある。多発肝転移では自覚症状がないまま進行するケースも多い。

      大腸がんの検査方法

      検査 内容
      便潜血反応検査 2日分の便から微量血液を検出する初期スクリーニング。食事制限不要で簡便。
      注腸検査 バリウムと空気で大腸内部をレントゲン観察。病変やがん発見に有用。
      大腸内視鏡検査 直腸から盲腸まで全大腸を観察でき、その場で組織採取が可能な最重要検査。
      病理検査 顕微鏡で採取組織を詳しく検査。深さ・転移の有無、バイオマーカー(RAS・BRAF・MSI-H/dMMR・HER2など)を分析し、治療方針決定の根拠となる。

      大腸がんの治療方法

      手術

      がんのある部分と周囲組織・近くのリンパ節を一緒に切除します。腹腔鏡手術が多く選ばれています。ステージ4(多発肝転移)では手術適応外となるケースがあります。

      化学療法(抗がん剤治療)

      進行・再発大腸がんの主なレジメン

      • FOLFOX・CAPEOX(XELOX)——オキサリプラチン系。本症例ではXELOXを使用
      • FOLFIRI・FOLFOXIRI——イリノテカン系。体力や遺伝子変異に応じて選択
      • TAS-102+ベバシズマブ、レゴラフェニブ——後治療の選択肢

      分子標的療法

      • 抗VEGF薬——ベバシズマブ・アフリベルセプト・ラムシルマブ(RAS変異問わず)
      • 抗EGFR抗体薬——セツキシマブ・パニツムマブ(RAS野生型に限る)
      • BRAF V600E変異陽性——エンコラフェニブ+ビニメチニブ
      • HER2陽性——トラスツズマブ+ペルツズマブ

      免疫療法

      MSI-H/dMMR陽性症例ではペムブロリズマブなどの免疫チェックポイント阻害薬が標準治療となります。一方、大腸がん全体の約85%を占めるMSS(マイクロサテライト安定)症例では、当院が樹状細胞ワクチン療法を抗がん剤と組み合わせる免疫治療を実施しています。

      大腸がんステージ4に免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を組み合わせる考え方

      抗がん剤と並行して免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を組み合わせる選択肢があります。抗がん剤ではカバーしにくい「がん特異的な免疫の誘導」を担う治療法として、当院では標準治療の土台の上に積み上げる形で設計しています。

      樹状細胞ワクチン療法とは

      患者さまご自身の血液から採取した樹状細胞(免疫の”司令官”)に大腸がんの特徴(がん抗原)を学習させ、体内に戻すことで、大腸がん細胞だけを狙い撃ちする免疫細胞(がん特異的キラーT細胞)を増やす治療法です。がんの種類に特化した免疫を誘導できることが最大の特徴であり、正常な細胞を傷つけにくく副作用が少ないのも利点です。

      樹状細胞ワクチン療法の特徴

      特徴 ポイント
      がん特異的免疫を誘導 大腸がん細胞だけを攻撃——正常細胞を傷つけにくく副作用が少ない
      キラーT細胞を増やす 抗がん剤では引き出せない免疫応答を誘導。本症例では治療前比30倍に増加
      免疫の記憶が残る 治療終了後も免疫が継続して働く可能性がある
      標準治療との併用が可能 XELOX・FOLFOX等の抗がん剤と組み合わせて相乗効果を狙う

      ※免疫療法は自費診療(保険適用外)です。効果には個人差があります。

      よくある質問

      Q. ステージ4の生存率はどのくらいですか?
      5年相対生存率は約20〜25%ですが、個別の経過は治療内容・転移部位・全身状態によって大きく異なります。標準治療に免疫療法を組み合わせることで、より長期的な病勢コントロールを目指す方が増えています。
      Q. 肝転移がある場合の治療はどうなりますか?
      切除可能であれば外科切除が優先されます。多発転移で切除が困難な場合は、化学療法にベバシズマブなどの分子標的薬を組み合わせた全身治療が基本です。当院では、これに樹状細胞ワクチン療法を加えた設計も検討します。
      Q. 手術適応外の患者も相談できますか?
      相談いただけます。現在の治療歴・画像検査・病理・遺伝子検査結果を確認したうえで、化学療法・分子標的薬・免疫療法の組み合わせを個別に検討します。
      Q. 当院の免疫療法は標準治療とどう違いますか?
      標準治療(抗がん剤・分子標的薬)を土台としつつ、患者さま自身の免疫細胞を活用した樹状細胞ワクチン療法を組み合わせ、相乗効果を目指します。標準治療の代替ではなく、上乗せする形での設計です。

      ご紹介したのは、一人の患者さまの経過です。
      そこから先は、診察でお話ししましょう。

      診断名や現在の治療が曖昧でも構いません。まずは現在の状況をお聞かせください。
      初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。(2回目以降の診察は有料です)

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        ※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。

        矢﨑雄一郎医師 プレシジョンクリニック東京院長

        監修:矢﨑 雄一郎 医師
        プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
        東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

        CATEGORY

        近しい症例

        大腸がん(盲腸がん)ステージⅢcの手術後、術後の抗がん剤と並行して樹状細胞ワクチン療法を行った60代後半の女性|診断から2年8か月までの経過

        大腸がんステージⅣ、肝臓を覆うほどの肝転移と肺転移があった方|抗がん剤・放射線治療・樹状細胞ワクチン療法を組み合わせた経過