この症例のポイント
- 相談時の状況:乳がんの手術後に抗がん剤と放射線療法を受けたのち、肺・肝臓・骨(右第二肋骨)への多発転移が見つかった60代の女性です。新たな抗がん剤とホルモン療法を始めましたが、副作用のためホルモン療法は中止となりました。
- 検討した課題:使える薬が減るなかで、抗がん剤を土台にして何を組み合わせるかを検討しました。
- 行った治療と経過:抗がん剤の種類を変えたうえで、樹状細胞ワクチン療法を追加しました。その後、多発肺転移は消失し、ほかの転移部位も縮小、腫瘍マーカー(CEA・CA15-3)の低下も確認されています。
乳がんの転移が見つかり、ホルモン療法を続けられなくなった方へ。
抗がん剤は続けたまま、ご相談いただけます。
抗がん剤に何を組み合わせられるかを、一緒に考えませんか。
まずは、これまでの治療と現在の状況をお聞かせください。
初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。
ご相談と初診は無料です(2回目以降の診察は有料です)。
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Case Report ─ 当院で治療を行った乳がんの症例
重要症例
乳がん
60代
女性
ステージ4
肺・肝・骨転移
樹状細胞ワクチン療法
多発肺転移が消失
腫瘍マーカー低下
乳がんの多発肺転移 ― 抗がん剤に免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を組み合わせる
乳がんの手術後に肺・肝臓・骨へ多発転移が見つかり、ホルモン療法を中止したあとに抗がん剤を変えて樹状細胞ワクチン療法を併用した患者さまの経過をご紹介します。乳がんの多発転移と治療の組み直しの解説は、症例のあとにまとめています。
患者情報
| 項目 |
内容 |
| 診断名 |
乳がん術後、肝転移、骨転移(右第二肋骨)/多発肺転移 |
| 年齢・性別 |
60代 女性 |
| 治療法 |
手術+抗がん剤+放射線療法+ホルモン療法(副作用により中止)+樹状細胞ワクチン療法 |
治療経過
| 段階 |
内容 |
| 乳がんの手術後 |
抗がん剤および放射線療法を実施。 |
| その後 |
肺・肝臓・骨(右第二肋骨)への転移が発見される。 |
| 転移発見後 |
新たな抗がん剤とホルモン療法を開始するも、副作用のためホルモン療法を中止。 |
| 治療の組み直し |
抗がん剤の種類をさらに変更したうえで、樹状細胞ワクチン療法を追加開始。 |
| 現在 |
多発肺転移が消失し、他の転移部位も縮小。腫瘍マーカー(CEA・CA15-3)の低下も確認。 |
腫瘍マーカーの推移(CEA・CA15-3)。抗がん剤を変更したうえで樹状細胞ワクチン療法を併用した経過において、両マーカーとも2月の計測をピークに以降は一貫して低下しました。腫瘍マーカーの値のみで治療効果は決まらず、画像所見や全身状態と総合して判断します。
治療の考え方(SynerTri®)
当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、乳がん術後に肺・肝・骨への多発転移が見つかり、ホルモン療法を副作用のため中止せざるを得ない状況となりました。そこで標準治療としての抗がん剤を変更したうえで、免疫を活性化する〈アクセル〉である樹状細胞ワクチン療法を組み合わせています。その結果、多発肺転移の消失、他の転移部位の縮小、腫瘍マーカー(CEA・CA15-3)の低下が確認されました。
治療期間・回数/費用
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
副作用・リスク
樹状細胞ワクチン療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。なお、抗がん剤やホルモン療法を併用する場合は、それぞれの薬剤に伴う副作用(本症例ではホルモン療法の副作用により中止)も生じ得ます。
- 成分採血時:口の周り・手足のしびれ、倦怠感、吐き気(迷走神経反射)等
- 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
- ワクチン接種時:注射部位の発赤・皮疹・発熱
治療効果には個人差があります。同様の効果を保証するものではありません。
院長から
抗がん剤をやめるのではなく、抗がん剤を土台に免疫療法を重ねるのが、私たちの基本の考え方です。この方も、ホルモン療法を副作用で中止したあと、抗がん剤を変えたうえで樹状細胞ワクチン療法を加えました。使える薬が減ったところに免疫を重ねたことが、多発肺転移の消失という経過に寄与できた可能性があると考えています。
ご自身の場合に何ができるかは、
資料を見てからお答えします。
画像と検査値を見ないと、はっきりしたことはお答えできません。まずは今の状況をお聞かせください。
【ご相談の流れ】
① お電話(医師または看護師が対応)またはフォームで、現在の状況をうかがいます
② 初診で、医師が検査結果などの資料を確認し、標準治療を含む選択肢と当院での治療の適否をご説明します
③ 費用とリスクをご説明します
ご相談と初診は無料です。2回目以降の診察は有料です。
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乳がんの多発肺転移・多臓器転移とは
乳がんは、手術で原発巣を取り除いたあとも、時間をおいて肺・肝臓・骨・脳などに転移が見つかることがあります。転移が複数の臓器に同時に及んでいる状態は多発転移と呼ばれ、ステージ4に分類されます。なかでも肺に複数の転移が散らばる多発肺転移は、局所療法(手術や放射線)で一つひとつ対処することが難しく、全身に効く薬物療法が治療の中心になります。
本症例では、乳がんの手術後に抗がん剤・放射線療法を受けたのち、肺・肝臓・骨(右第二肋骨)への転移が見つかりました。
副作用でホルモン療法を中止したあとの治療の組み直し
乳がんの薬物療法では、抗がん剤に加えてホルモン療法(内分泌療法)が重要な役割を果たします。しかし、副作用の程度によっては治療を続けられず、中止せざるを得ないことがあります。使える薬が一つ減るということは、患者さまにとって治療の選択肢そのものが狭まることを意味します。
本症例でも、多発転移が見つかったのちに新たな抗がん剤とホルモン療法が開始されましたが、副作用のためホルモン療法は中止となりました。そこで抗がん剤の種類を変更したうえで、免疫を活性化する樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)を追加する設計がとられています。標準治療を土台に置きながら、そこに免疫の後押しを重ねるという考え方です。
治療効果の確認:画像所見と腫瘍マーカー(CEA・CA15-3)
治療の効果は、画像検査と腫瘍マーカーの両面から確認します。乳がんではCEAやCA15-3が経過観察に用いられ、その推移が治療効果を判断する材料のひとつになります。本症例では、画像上で多発肺転移の消失が確認されるとともに、他の転移部位の縮小、CEA・CA15-3の低下もあわせて確認されました。
| SynerTri®の役割 |
本症例での対応 |
| 標準治療(手術・放射線・抗がん剤・ホルモン療法) |
乳がん手術後に抗がん剤・放射線療法を実施。多発転移の発見後は新たな抗がん剤とホルモン療法を開始するも、副作用によりホルモン療法は中止。抗がん剤を変更して継続 |
| アクセル(免疫活性化) |
変更後の抗がん剤に樹状細胞ワクチン療法を併用し、がん特異的免疫を誘導 |
よくある質問(FAQ)
| Q. 副作用でホルモン療法を中止した場合、次にどんな治療の選択肢がありますか? |
| ホルモン療法を副作用のために継続できない場合、抗がん剤の種類を変更したり、他の治療を組み合わせたりして治療を組み直すことがあります。本症例では抗がん剤を変更したうえで樹状細胞ワクチン療法を追加し、多発肺転移の消失と腫瘍マーカーの低下を確認しています。治療効果には個人差があります。 |
| Q. 乳がんの多発肺転移でも免疫療法を受けられますか? |
| 本症例では、乳がん術後に肺・肝・骨への多発転移が見つかった状態で、抗がん剤に樹状細胞ワクチン療法を組み合わせています。転移の数や部位だけで一律に判断するのではなく、治療歴・全身状態・現在の治療との組み合わせをふまえて個別に設計します。 |
| Q. 腫瘍マーカー(CEA・CA15-3)が下がることにはどんな意味がありますか? |
| CEAやCA15-3は乳がんの経過観察に用いられる腫瘍マーカーで、その推移は治療効果を判断する材料のひとつになります。本症例では、画像上の多発肺転移の消失とあわせて、これらのマーカーの低下も確認されました。ただしマーカーの値だけで治療効果は決まらず、画像所見や全身状態と総合して判断します。 |
| Q. 抗がん剤と樹状細胞ワクチン療法は同時に受けられますか? |
| 本症例では、変更後の抗がん剤と樹状細胞ワクチン療法を併用しています。当グループでは標準治療(抗がん剤)を土台としたうえで、免疫を活性化する治療を組み合わせる設計を検討します。併用の可否は治療歴や全身状態をふまえて個別に判断します。 |
ご紹介したのは、一人の患者さまの経過です。
そこから先は、診察でお話ししましょう。
診断名や現在の治療が曖昧でも構いません。まずは現在の状況をお聞かせください。
初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。(2回目以降の診察は有料です)
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監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。