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トリプルネガティブ乳がんの手術後に肺転移が見つかった40代女性|肺転移の切除と樹状細胞ワクチン療法、その後約5年までの経過

この症例のポイント

  • 相談時の状況:トリプルネガティブ乳がんで、術前の抗がん剤、乳房全摘と腋窩リンパ節郭清、術後の抗がん剤と放射線治療を終えた40代の女性です。その約10か月後、CTで肺に転移が見つかりました。
  • 検討した課題:肺の転移は切除が可能でした。切除のあとに抗がん剤を再び続けるか、使わない場合に何を続けるかを検討しました。
  • 行った治療と経過:樹状細胞ワクチン療法を始め、翌月に肺転移(左上葉)を切除しました。注射した部位には100mm大の発赤(強い免疫反応)がみられ、免疫活性化が示唆されました。切除のあとは抗がん剤を使わず、開始から約4年9か月の時点で再発は確認されておらず、抗がん剤なしでも再発予防を実現した症例です。

乳がんの手術のあとに、肺に転移が見つかった方へ。
手術のあとに、組み合わせられるものがあります。

転移の切除に何を組み合わせられるかを、一緒に考えませんか。
まずは、これまでの治療と現在の状況をお聞かせください。
初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。
ご相談と初診は無料です(2回目以降の診察は有料です)。

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    Case Report ─ 当院で治療を行った乳がんの症例

    重要症例

    乳がん
    トリプルネガティブ
    ステージⅣ
    肺転移
    40代

    樹状細胞ワクチン療法免疫療法開始から約4年9か月時点で再発なし

    トリプルネガティブ乳がんの肺転移を切除したあと、抗がん剤を使わず樹状細胞ワクチン療法を続けた経過

    乳がんの手術と抗がん剤のあとに肺転移が見つかり、当院へ相談があった患者さまの経過をご紹介します。トリプルネガティブ乳がんの解説は、症例のあとにまとめています。

    患者情報

    項目 内容
    診断名 乳がん(トリプルネガティブ)術後、肺転移(ステージⅣ)
    年齢・性別 40代 女性
    実施された治療 術前・術後の抗がん剤(FEC)、乳房全摘+腋窩リンパ節郭清、放射線治療、左上葉切除術/当院:樹状細胞ワクチン療法

    相談時の状況と、検討した課題

    トリプルネガティブ乳がんと診断され、術前の抗がん剤(FEC)のあと、乳房全摘と腋窩リンパ節郭清を受けられました。術後も抗がん剤と放射線治療を終えていましたが、その約10か月後、CTで肺に転移が見つかりました。

    当院へのご相談は、その時期でした。肺の転移は切除が可能でしたが、切除のあとに抗がん剤を再び続けるかどうかが、検討の課題でした。当院では、まず樹状細胞ワクチン療法を始め、翌月に肺転移の切除が行われました。切除後は抗がん剤を使わず、樹状細胞ワクチン療法を続けながら経過を確認しました。

    治療経過

    時期 内容
    20XX年6月 乳がん(トリプルネガティブ)と診断。術前化学療法(FEC)を4回施行。
    20XX+1年1月 乳房全摘術・腋窩リンパ節郭清を実施。術後に抗がん剤(FEC)2回+放射線治療を施行。
    20XX+1年11月 CTにて肺転移が出現。
    20XX+2年1月 樹状細胞ワクチン療法を開始。投与部位に100mm大の発赤を確認(強い免疫反応)。
    20XX+2年2月 左上葉切除術施行。術後病理にて乳がんの肺転移と確認。術後は抗がん剤を使用せず、樹状細胞ワクチン療法単独でフォローアップ。
    開始から約4年9か月(確認時) 再発は確認されていない。経過観察中。

    治療の考え方(SynerTri®)

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、標準治療としての抗がん剤(FEC)に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を、局所療法〈スイッチ〉として左上葉切除術を組み合わせています。切除によって放出された乳がん抗原が樹状細胞ワクチン療法と相乗的に作用し、より強力ながん特異的免疫の誘導が期待されます。

    治療期間・回数/費用

    樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。

    当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。

    副作用・リスク

    樹状細胞ワクチン療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。

    • 成分採血時:口の周り・手足のしびれ、倦怠感、吐き気(迷走神経反射)等
    • 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤(本症例では100mm大)・皮疹・発熱

    治療効果には個人差があります。同様の効果を保証するものではありません。

    院長から

    手術で取れる転移は取り、その前後を免疫の面から支えるのが、私たちの考え方です。この方は、樹状細胞ワクチン療法を始めた翌月に肺転移を切除し、そのあとは抗がん剤を使わずに樹状細胞ワクチン療法を続けました。切除の前から免疫の備えを始めていたことが、約4年9か月のあいだ再発がない経過に寄与できた可能性があると考えています。

    ご自身の場合に何ができるかは、
    資料を見てからお答えします。

    画像と検査値を見ないと、はっきりしたことはお答えできません。まずは今の状況をお聞かせください。
    【ご相談の流れ】

    ① お電話(医師または看護師が対応)またはフォームで、現在の状況をうかがいます
    ② 初診で、医師が検査結果などの資料を確認し、標準治療を含む選択肢と当院での治療の適否をご説明します
    ③ 費用とリスクをご説明します
    ご相談と初診は無料です。2回目以降の診察は有料です。

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      トリプルネガティブ乳がん(TNBC)とは

      乳がんにはホルモン受容体(ER・PgR)とHER2タンパクの発現状態によって複数のサブタイプがあります。トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、ER・PgR・HER2のいずれも陰性であるサブタイプで、乳がん全体の約15〜20%を占めます。ホルモン療法も抗HER2療法(トラスツズマブなど)も効かないため、化学療法が治療の中心となります。

      TNBCは進行が速く再発リスクが比較的高い一方、免疫原性が高い(免疫細胞の浸潤=TILsが多い)という特徴があります。この性質が免疫療法との相性の良さにつながります。

      乳がんサブタイプ 特徴・主な治療
      ルミナルA型(ER/PgR陽性・HER2陰性) 最も多い。ホルモン療法が有効。予後良好。
      HER2陽性型 抗HER2療法(トラスツズマブ等)が有効。
      トリプルネガティブ(本症例) ホルモン療法・抗HER2療法が使えない。化学療法+免疫療法を検討。

      トリプルネガティブ乳がんステージ4(肺転移)の標準治療

      TNBCでステージ4(遠隔転移あり)の場合、根治を目指すことは難しく、化学療法による腫瘍制御と生活の質(QOL)の維持が主な目標となります。代表的な化学療法レジメンにはアンソラサイクリン系(FEC・AC)、タキサン系(パクリタキセル・ドセタキセル)などがあります。

      近年では免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブ)がPD-L1陽性TNBCの一次治療に承認され、免疫療法が標準治療の一角を担い始めています。孤立性肺転移では切除術(肺部分切除・上葉切除など)が選択される場合もあります。

      孤立性肺転移への外科的切除

      乳がんの遠隔転移としては骨・肺・肝・脳が多いですが、孤立性(単発)の肺転移では外科的切除が根治または長期制御の手段となります。本症例でも左上葉切除術を実施し、病理診断で乳がんの肺転移と確認されています。

      乳がん肺転移に免疫療法を組み合わせる考え方

      TNBCは免疫原性が高く、TILs(腫瘍浸潤リンパ球)が多い症例では免疫療法との相性が期待できます。当グループでは、外科的切除後の再発予防を目的とした樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)を組み合わせる戦略を採っています。

      SynerTri®の役割 本症例での対応
      アクセル(免疫活性化) 樹状細胞ワクチン療法でがん特異的免疫を誘導
      スイッチ(局所制御) 左上葉切除術で転移巣を除去し抗原放出を促進
      標準治療(化学療法) 術前・術後FEC(6回)として別軸で実施済み

      よくある質問(FAQ)

      Q. トリプルネガティブ乳がんで肺転移が出た場合、抗がん剤なしの選択肢はありますか?
      本症例では肺切除術後に抗がん剤を使用せず、樹状細胞ワクチン療法単独で4年間以上再発なしを維持しています。TNBCはホルモン療法・抗HER2療法が使えないため、免疫療法が再発予防の選択肢になり得ます。治療効果には個人差があります。
      Q. 乳がん肺転移後の手術と免疫療法は並行して進められますか?
      本症例では2015年1月に樹状細胞ワクチン療法を開始し、2015年2月に左上葉切除術を実施しています。手術と免疫療法の時期・順序は患者さまの体力・腫瘍の状態に応じて個別に設計します。
      Q. 樹状細胞ワクチン接種部位の大きな反応は効果の指標になりますか?
      本症例では接種部位に100mm大の発赤が確認されました。接種部位の皮膚反応は免疫活性化の一指標とされますが、反応の大小と治療効果が必ずしも比例するわけではありません。治療効果には個人差があります。


      ご紹介したのは、一人の患者さまの経過です。
      そこから先は、診察でお話ししましょう。

      診断名や現在の治療が曖昧でも構いません。まずは現在の状況をお聞かせください。
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        矢﨑雄一郎 プレシジョンクリニック東京院長
        監修:矢﨑 雄一郎 医師
        プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
        東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

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