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TOP 症例 肉腫 軟骨肉腫、骨肉腫、肺がんを患った患者さ軟骨肉腫・原発性肺がん・骨肉腫を経験し、樹状細胞ワクチン療法で再発予防を行いながら出産に至った34歳女性の症例|プレシジョンクリニックまの経過

軟骨肉腫、骨肉腫、肺がんを患った患者さ軟骨肉腫・原発性肺がん・骨肉腫を経験し、樹状細胞ワクチン療法で再発予防を行いながら出産に至った34歳女性の症例|プレシジョンクリニックまの経過

この症例のポイント


20代で軟骨肉腫を発症したAYA世代(15〜39歳)の女性。肺への再発転移、さらに原発性肺がんと、複数のがんを経験。主治医から「抗がん剤は効果の割に副作用が強い」と説明を受け、抗がん剤は行わなかった。


再発予防を目的に免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を実施。経過良好のため投与間隔を延ばし、約3年で中止となった。


その後、頸椎に骨肉腫が見つかり抗がん剤治療が必要になったが、出産を希望されていたため、受精卵を保存してから治療に臨んだ。治療後に体外受精を経て2019年に第一子を出産。現在も全身状態は良好で、元気に子育て中。

若くしてがんと向き合う方・再発予防をお探しの方へ

この症例では——
複数のがんを経験しながら、抗がん剤を用いず樹状細胞ワクチン療法で再発予防を行い、のちに出産という願いも叶えられました

「抗がん剤の副作用が心配」「将来の妊娠も考えたい」「再発予防の選択肢を知りたい」という方は、まずご相談ください。

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軟骨肉腫・骨肉腫とは

軟骨肉腫は軟骨組織から発生する悪性腫瘍、骨肉腫は骨組織から発生する悪性腫瘍で、いずれも骨・軟部の肉腫に分類されます。軟骨肉腫は化学療法や放射線治療が効きにくいとされ、治療の基本は手術(広範切除)です。骨肉腫は化学療法が有効な場合があり、手術と組み合わせて治療されます。

いずれも肺への転移を来すことがあり、切除可能な転移巣には手術が検討されます。若年で発症することもあるため、長期的な経過観察と、将来の生活設計(妊娠・出産を含む)を見据えた治療選択が大切になります。

AYA世代(思春期・若年成人)のがんについて

AYA世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の略で、日本ではおおむね15〜39歳を指します。この世代のがんは種類が幅広く、肉腫(軟骨肉腫・骨肉腫など)や乳がんなども含まれます。就学・就職・結婚・妊娠出産・子育てといった人生の大きな節目と治療の時期が重なりやすいため、病気だけでなく、将来の生活設計まで見据えた治療選択が大切になります。本症例の患者さまも、20代で軟骨肉腫を発症したAYA世代であり、のちに「出産」という願いと治療を両立されました。

がん治療と「妊孕性温存」という選択

抗がん剤治療は、妊娠する力(妊孕性)に影響を与えることがあります。そのため、将来の妊娠・出産を希望される方、とくにAYA世代では、治療を始める前に受精卵や卵子を凍結保存しておく「妊孕性温存」が検討されます。本症例でも、骨肉腫に対する抗がん剤治療を始める前に受精卵を保存し、治療後に体外受精を経て出産に至りました。

治療を優先するか、妊孕性温存を挟むかは、病状の進行度や緊急性によって判断が異なります。ご希望がある場合は、早い段階で主治医に伝えることが重要です。

再発予防に免疫療法を用いる考え方

軟骨肉腫のように化学療法が効きにくいがんでは、手術後の再発予防手段が限られます。当グループでは、手術後の再発予防を目的として樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)を検討することがあります。本症例では、抗がん剤を用いずに樹状細胞ワクチン療法で再発予防を行いました。

SynerTri®の役割 本症例での対応
スイッチ(局所制御) 軟骨肉腫の原発巣・肺の病変を、複数回にわたり外科的に切除
アクセル(免疫活性化) 術後の再発予防を目的に樹状細胞ワクチン療法を実施(経過良好により約3年で中止)
標準治療(抗がん剤) 軟骨肉腫・肺がんの時期は実施せず。のちに骨肉腫に対して実施(受精卵の保存後)

よくある質問(FAQ)

Q. AYA世代(若い世代)でがんになりました。将来の妊娠・出産は諦めるしかないですか?
AYA世代(15〜39歳)のがんでは、治療と将来の妊娠・出産の両立が大きな課題になります。抗がん剤治療の前に受精卵や卵子を保存する「妊孕性温存」により、治療後の妊娠・出産をめざせる場合があります。本症例でも、受精卵を保存して抗がん剤治療に臨み、その後の体外受精を経て出産に至りました。まずは治療開始前に、妊娠のご希望を主治医にお伝えください。治療効果や妊娠の見通しには個人差があります。
Q. がん治療後に妊娠・出産はできますか?
抗がん剤治療は妊娠する力(妊孕性)に影響することがあるため、将来の妊娠を希望される場合は、治療開始前に受精卵や卵子を保存する「妊孕性温存」が検討されます。本症例では、抗がん剤治療の前に受精卵を保存し、治療後に体外受精を経て出産に至っています。適応や見通しは個別に異なるため、主治医とご相談ください。
Q. 抗がん剤の副作用が心配な場合、ほかの選択肢はありますか?
本症例では、主治医から「抗がん剤は効果の割に副作用が強い」との説明を受け、抗がん剤を行わず、再発予防を目的に樹状細胞ワクチン療法を実施しました。ただし治療の選択は病状により異なり、標準治療を行わない選択にはリスクもあるため、個別の検討が必要です。
Q. 再発予防の免疫療法は、いつまで続けるのですか?
本症例では、経過が良好であったため投与間隔を1か月から2か月へと延ばし、その後は中止としました。継続期間や中止の判断は、画像所見や全身状態を確認しながら個別に決定します。

軟骨肉腫・原発性肺がん・骨肉腫を経験し、樹状細胞ワクチン療法で再発予防を行いながら出産に至った症例

以下は、複数のがんを経験しながら、抗がん剤を用いず樹状細胞ワクチン療法で再発予防を行い、のちに受精卵を保存したうえで抗がん剤治療に臨み、出産に至った34歳女性の症例です。治療効果には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。

軟骨肉腫
原発性肺がん
骨肉腫
34歳 女性
再発なく安定
出産

患者情報

項目 内容
診断名 軟骨肉腫(肺転移)、原発性肺がん、骨肉腫(第五頸椎)
既往歴 2歳時に良性骨腫瘍
紹介元 T大学 整形外科
年齢・性別 34歳 女性
治療法 複数回の外科的切除+樹状細胞ワクチン療法(再発予防)/のちに骨肉腫に対して抗がん剤治療
治療期間・回数 樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
治療費 当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。

治療経過

時期 内容
2009年 軟骨肉腫の診断で手術。右肺に影が見つかり経過観察していたが、同年、新たな肺の影が出現したため手術。軟骨肉腫の再発転移と診断された。
2010年7月 新たに右肺に影を認め手術したところ、今度は原発性の肺がんと診断。主治医から「抗がん剤治療はあまり効果がない割に副作用が強い」との説明を受け、抗がん剤治療は行わなかった
2011年6月 再発予防を目的に、樹状細胞ワクチン療法を開始。
2012年 手術2年後も再発がないため、投与を1か月間隔から2か月間隔に変更。
2014年 その後も経過良好のため、樹状細胞ワクチン療法は中止となった。
2017年2月 治療終了3年後、第五頸椎に骨肉腫が発覚。肺の転移もあったため抗がん剤治療を勧められたが、妊娠を希望されていたため、受精卵を保存したうえで抗がん剤治療を行うことになった。
2018年 その後の経過は良好であったため、体外受精を実施。
2019年7月 無事に第一子を出産
現在 軟骨肉腫・肺がんは再発なく安定。全身状態は変わらず良好で、元気に子育て中。樹状細胞ワクチン療法の再開に向けて当グループへ再来院された。

治療の考え方(SynerTri®)

当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

本症例では、局所療法〈スイッチ〉として軟骨肉腫の原発巣・肺の病変を複数回切除したうえで、抗がん剤を用いない方針となったため、免疫を活性化する〈アクセル〉である樹状細胞ワクチン療法で再発予防を行いました。経過が良好であったことから投与間隔を延ばし、約3年で中止としています。その後の骨肉腫に対しては、妊孕性温存(受精卵の保存)を経て抗がん剤治療が行われました。

副作用・リスク

樹状細胞ワクチン療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。なお、未知の副作用が起こる可能性は否定できません。

  • 成分採血時:めまい・吐き気(迷走神経反射)、口の周り・手足のしびれ等
  • 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
  • ワクチン接種時:注射部位の発赤・皮疹・発熱

治療効果には個人差があります。同様の効果を保証するものではありません。

若くしてがんと向き合う方・再発予防をお探しの方へ

肉腫の再発予防や、抗がん剤以外の選択肢について、現在の治療歴・体力・検査結果をもとに個別に治療を設計します。将来の妊娠・出産のご希望も含め、まずはご相談ください。

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矢﨑雄一郎 プレシジョンクリニック東京院長
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

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