2024.4.12
樹状細胞は、皮膚や消化管などに存在する免疫細胞です。
1973年に米国のRalf Steinmanや京都大学の稲葉かよ先生らにより発見され、Steinmanはその業績で2011年ノーベル医学生理学賞を受賞したことで有名になりました。
名前のとおり、樹木の枝が伸びたような突起状(樹状様)の細胞表面を持った細胞です。
樹状細胞は、がん細胞・細菌・ウイルスなど、本来、体に存在しないもの(抗原)を見つけて己の細胞の中に取り込む(貪食)働きがあります。
がんをはじめとした異物を取り込んだ後、樹状細胞は活性化され、リンパ節に移動します。
リンパ節に入った樹状細胞は、まだ一度も抗原に出会ったことのないナイーブT細胞へと抗原を伝達(提示)し、ナイーブT細胞を活性化させます。このナイーブT細胞が、がんを攻撃するエフェクターT細胞(キラーT細胞、ヘルパーT細胞)へとなっていきます。これが獲得免疫の最初のイベントなります。