この症例のポイント
舌がん ステージⅣ(リンパ節転移・肺転移)。前治療(手術・抗がん剤・放射線療法)が無効。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 前治療 | 手術・抗がん剤・放射線療法を行うも効果なし。 |
| 免疫療法 | 臨床研究として樹状細胞ワクチンを腫瘍局所へ直接注入(計3回)。 |
| 経過 | 治療後、舌がんは部分的に消失。 |

当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を、腫瘍局所への直接注入という形で用いました。
標準治療を尽くした後でも、免疫の入口を変えることで腫瘍が反応する場合があります。転移を伴う場合は、局所の反応を全身の免疫につなげる設計を検討します。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。本症例:樹状細胞ワクチン療法 局所注入3回(臨床研究として実施)。現在の標準的な実施回数は1クール7回・約4ヶ月です。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では重い副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。
できます。この症例は3つの標準治療が無効だった後に樹状細胞ワクチンの局所注入を行い、腫瘍が部分的に消失しました。治療歴が多い方ほど免疫が弱っている場合があるため、検査で免疫の状態を確かめてから設計します。
局所で起動した免疫が全身を巡り、離れた転移巣に働く可能性があります(アブスコパル効果に近い考え方)。ただし転移巣への効果は個人差が大きく、免疫チェックポイント阻害薬などとの併用も検討します。
注射後数日は腫れや違和感が出ることがありますが、手術のように舌の機能を失うことはありません。食事や会話への影響は一時的です。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。
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