この症例のポイント
- 相談時の状況:胆管癌ステージⅣと診断され、手術はできないと告げられた60代の女性です。抗がん剤(GEM+CDDP)から治療が始まりました。
- 検討した課題:抗がん剤を土台にして、何を組み合わせるかを検討しました。途中で副作用が強くなり、抗がん剤をどう続けるかも課題になりました。
- 行った治療と経過:抗がん剤の開始から2か月後に樹状細胞ワクチン療法を加え、副作用が強くなってからは抗がん剤を2種類から1種類に減らして併用を続けました。リンパ節転移はわずかに大きくなりましたが、原発巣は縮小し、腫瘍マーカーも下がった状態を保ったまま、診断から3年を生活の質を保って過ごされています。
胆管癌で、手術はできないと言われた方へ。
抗がん剤は続けたまま、ご相談いただけます。
抗がん剤に何を組み合わせられるかを、副作用がつらいときの続け方も含めて、一緒に考えませんか。
まずは、これまでの治療と現在の状況をお聞かせください。
初診では、医師が資料を確認したうえで、選択肢・当院での治療の適否・費用とリスクをご説明します。
ご相談と初診は無料です(2回目以降の診察は有料です)。
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Case Report ─ 当院で治療を行った胆管がんの症例
重要症例
胆管がんで抗がん剤の副作用がつらいとき ― 減量しながら免疫療法を足す
手術できないと診断された胆管がんに、抗がん剤と樹状細胞ワクチン療法を併用し、副作用に応じて抗がん剤を減らしながら続けた患者さまの経過をご紹介します。胆管がんの解説と標準治療は、症例のあとにまとめています。
患者情報
| 項目 |
内容 |
| 診断名 |
胆管がん(ステージⅣ・手術不能) |
| 年齢・性別 |
60代 女性 |
| 治療法 |
抗がん剤(GEM+CDDP、副作用により1種類へ減量)+樹状細胞ワクチン療法 |
治療経過
| 時期 |
内容 |
| 20XX年11月 |
胆管がん(ステージⅣ)と診断。手術不能と判断され、抗がん剤(GEM+CDDP)を開始。 |
| 20XX+1年1月 |
樹状細胞ワクチン療法を開始し、抗がん剤と併用。 |
| 治療途中 |
抗がん剤の副作用が強くなり、2種類から1種類へ減量。樹状細胞ワクチン療法は継続。 |
| 20XX+3年11月(診断から約3年) |
原発巣は縮小し腫瘍マーカーも低下傾向を維持。リンパ節転移はわずかに増大したものの、生活の質を保ちながら元気に生活を継続。 |

治療の考え方(SynerTri®)
当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、手術不能と診断されたのち、標準治療としての抗がん剤(GEM+CDDP)に、免疫を活性化する〈アクセル〉である樹状細胞ワクチン療法を組み合わせました。治療途中で副作用が強くなった際は抗がん剤を1種類へ減量し、負担を抑えながら併用を継続。原発巣の縮小・マーカーの低下傾向を維持しながら、生活の質を保って3年間過ごされています。
治療期間・回数/費用
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
副作用・リスク
樹状細胞ワクチン療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。なお、抗がん剤を併用する場合は、抗がん剤に伴う副作用(本症例では強い副作用のため減量)も生じ得ます。
- 成分採血時:口の周り・手足のしびれ、倦怠感、吐き気(迷走神経反射)等
- 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
- ワクチン接種時:注射部位の発赤・皮疹・発熱
治療効果には個人差があります。同様の効果を保証するものではありません。
院長から
抗がん剤をやめるのではなく、抗がん剤を土台に免疫療法を重ねるのが、私たちの基本の考え方です。この方は、副作用が強くなった時点で抗がん剤を1種類に減らし、樹状細胞ワクチン療法との併用を続けました。負担を抑えながら治療を途切れさせなかったことが、生活の質を保ったまま3年という経過に寄与できた可能性があると考えています。
ご自身の場合に何ができるかは、
資料を見てからお答えします。
画像と検査値を見ないと、はっきりしたことはお答えできません。まずは今の状況をお聞かせください。
【ご相談の流れ】
① お電話(医師または看護師が対応)またはフォームで、現在の状況をうかがいます
② 初診で、医師が検査結果などの資料を確認し、標準治療を含む選択肢と当院での治療の適否をご説明します
③ 費用とリスクをご説明します
ご相談と初診は無料です。2回目以降の診察は有料です。
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胆管がんとは
胆管がんは、肝臓で作られた胆汁の通り道である胆管に発生するがんで、胆道がんの一種です。黄疸や腹痛などで発見されることが多く、発見時にはすでに切除が難しい進行例も少なくありません。切除不能な胆管がんの標準治療は化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン=GEM+CDDPなど)が中心ですが、報告によって幅があるものの生存期間の中央値が1年前後とされることもあり、予後が厳しいがん種のひとつとされています。
本症例では、診断時にすでに手術不能と判断され、抗がん剤治療が開始されました。
標準治療の進化:GCD療法(デュルバルマブ/イミフィンジ)と免疫療法の相性
切除不能な胆道がん(胆管がん・胆嚢がんなど)の一次治療は、長らくゲムシタビン+シスプラチン(GC療法)が標準でした。近年の臨床試験(TOPAZ-1試験)の結果を受け、これに免疫チェックポイント阻害薬デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)を追加したGCD療法が新たな標準治療のひとつとして位置づけられるようになっています。
これは免疫学的な観点からも重要な変化です。免疫チェックポイント阻害薬は、当グループのSynerTri®プロトコルでいう〈ブレーキ解除〉にあたり、がん細胞が免疫にかけている“ブレーキ”を解除する薬剤です。一方、樹状細胞ワクチン療法は免疫を活性化する〈アクセル〉にあたります。標準治療の中に最初から〈ブレーキ解除〉の薬剤が組み込まれたことで、〈アクセル〉である樹状細胞ワクチン療法との免疫学的な相性がより高まったと考えられます。本症例は標準治療にデュルバルマブが導入される以前の経過ですが、現在GCD療法を受けている方にとっては、樹状細胞ワクチン療法を組み合わせる意義がさらに高まっている可能性があります。
抗がん剤の副作用と減量、免疫療法の併用
進行胆管がんの化学療法は、効果が期待できる一方で副作用を伴うことがあり、治療の継続が難しくなる場合があります。本症例でも、治療の途中で副作用が強くなり、2種類の抗がん剤から1種類への減量が行われました。当グループでは、こうした標準治療の負担をふまえながら、免疫を活性化する樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)を組み合わせる設計を検討することがあります。
| SynerTri®の役割 |
本症例/現在の標準治療での位置づけ |
| 標準治療(抗がん剤) |
本症例はGEM+CDDPで開始し、副作用に応じて1種類へ減量 |
| ブレーキ解除(免疫チェックポイント阻害薬) |
本症例では未使用。現在はGCD療法としてデュルバルマブ(イミフィンジ)が標準治療に加わる場合がある |
| アクセル(免疫活性化) |
樹状細胞ワクチン療法を併用し、がん特異的免疫を誘導 |
よくある質問(FAQ)
| Q. 胆管がんは進行すると予後が厳しいと聞きました。治療の選択肢はありますか? |
| 切除不能な胆管がんは、報告によって幅がありますが生存期間の中央値が1年前後とされることもあり、予後が厳しいがん種のひとつです。標準治療は化学療法(GEM+CDDPなど)が中心です。本症例では抗がん剤に樹状細胞ワクチン療法を組み合わせ、生活の質を保ちながら3年間生存しています。治療効果には個人差があります。 |
| Q. GCD療法(イミフィンジ追加)を受けています。樹状細胞ワクチン療法は併用できますか? |
| GCD療法に含まれるデュルバルマブ(イミフィンジ)は免疫チェックポイント阻害薬で、免疫のブレーキを解除する薬剤です。樹状細胞ワクチン療法は免疫を活性化するアクセルの役割を持つため、免疫学的には相性の良い組み合わせと考えられます。実際の併用可否は治療歴や全身状態をふまえて個別に判断します。 |
| Q. 抗がん剤の副作用がつらい場合、減量や中止はできますか? |
| 抗がん剤の副作用が強い場合、薬剤の種類や量を調整することがあります。本症例でも、副作用が強くなった時点で2種類の抗がん剤から1種類へ減量し、樹状細胞ワクチン療法を継続することで治療を続けられました。減量の判断は主治医と相談のうえ個別に行います。 |
| Q. リンパ節が少し大きくなっても、治療を続ける意味はありますか? |
| 本症例では、リンパ節転移がわずかに増大した一方で、原発巣は縮小し腫瘍マーカーも低下傾向を維持しており、全身の状態は良好でした。画像所見の一部だけでなく、全身状態やマーカーの推移を総合的に見て治療方針を判断することが大切です。治療効果には個人差があります。 |
ご紹介したのは、一人の患者さまの経過です。
そこから先は、診察でお話ししましょう。
診断名や現在の治療が曖昧でも構いません。まずは現在の状況をお聞かせください。
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監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。