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TOP 症例 肉腫 再発を繰り返す脱分化型脂肪肉腫で、抗がん剤を用いず樹状細胞ワクチン療法のみで再発予防を実現した56歳女性の症例

再発を繰り返す脱分化型脂肪肉腫で、抗がん剤を用いず樹状細胞ワクチン療法のみで再発予防を実現した56歳女性の症例

この症例のポイント

  • 左大腿部の脱分化型脂肪肉腫で手術・広範切除術・陽子線治療を受けるも再発を繰り返した56歳女性。3度目の再発手術では坐骨神経隣接部が断端陽性だった。
  • 再発リスクの高さから抗がん剤治療を勧められたが、ご本人がこれを望まず、ご家族の決断で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を受けることを選択。
  • 抗がん剤を用いず樹状細胞ワクチン療法を継続し、その後は再発なく元気に通院中。主治医も「効果は免疫療法によるものと考える」との見解。

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    脂肪肉腫(脱分化型)とは

    脂肪肉腫は、脂肪組織から発生する軟部肉腫の代表的なタイプです。なかでも脱分化型脂肪肉腫は、高分化型の一部が悪性度の高い成分へと変化したもので、局所再発や転移のリスクが比較的高いとされます。四肢や後腹膜に生じることが多く、大きな腫瘤として見つかることもあります。

    治療の基本は手術(広範切除術)で、切除縁を十分に確保できない場合や再発を繰り返す場合には、放射線治療(陽子線治療を含む)が追加されることがあります。肉腫は化学療法の奏効率が他のがん種に比べて限定的な場合があり、手術後の再発予防が課題となります。

    断端陽性・再発を繰り返す肉腫に免疫療法を用いる考え方

    手術で切除縁にがんが残る可能性がある「断端陽性」や、再発を繰り返す肉腫では、再発予防の手段が限られます。当グループでは、手術・放射線治療などの局所治療を土台としつつ、再発予防を目的に樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)を継続する設計を行うことがあります。ただし標準治療を行わない選択にはリスクもあり、病状を十分に評価したうえで個別に判断します。

    SynerTri®の役割 本症例での対応
    スイッチ(局所制御) 広範切除術・陽子線治療で局所を制御(再発のたびに実施)
    アクセル(免疫活性化) 樹状細胞ワクチン療法を継続し、再発予防を目的とした免疫賦活を図る
    標準治療(抗がん剤) 本症例では患者さまのご希望により実施していない

    よくある質問(FAQ)

    Q. 脂肪肉腫は再発しやすいですか?
    脂肪肉腫、とくに脱分化型は手術後に局所再発を繰り返すことがあります。本症例でも複数回の再発を経験しましたが、その後は樹状細胞ワクチン療法を継続し再発なく経過しています。治療効果には個人差があります。
    Q. 手術で断端陽性と言われました。抗がん剤以外の選択肢はありますか?
    断端陽性(切除縁にがんが残っている可能性)では再発リスクが高く、追加の局所治療や薬物療法が検討されます。本症例では患者さまが抗がん剤治療を希望されず、ご家族の判断も踏まえて樹状細胞ワクチン療法を選択されました。ただし標準治療を行わない選択にはリスクもあり、病状を十分に評価したうえで個別に判断する必要があります。
    Q. 肉腫に免疫療法は使えますか?
    肉腫は化学療法の奏効率が限定的な場合があり、手術後の再発予防手段が課題となります。本症例では樹状細胞ワクチン療法を継続し、再発なく経過しています。適応や効果には個人差があるため、病状に応じて個別に検討します。

    Case Report ─ 当院の脂肪肉腫改善症例

    重要症例

    脂肪肉腫
    脱分化型
    再発
    断端陽性
    50代
    女性
    樹状細胞ワクチン療法
    再発なし

    脂肪肉腫で断端陽性と言われたとき ― 再発予防に免疫療法を足す

    ここまで脱分化型脂肪肉腫の治療の考え方をご紹介しました。切除した断端にがんが残ると、再発予防をどう組み立てるかが課題になります。実際に陽子線治療と樹状細胞ワクチン療法を受けられた患者さまの経過をご紹介します。

    患者情報

    項目 内容
    診断名 脂肪肉腫(脱分化型)・再発
    年齢・性別 56歳 女性
    治療法 広範切除術+陽子線治療+樹状細胞ワクチン療法(抗がん剤治療は患者さまのご希望により実施せず)
    治療期間・回数 樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
    治療費 当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。

    治療経過

    時期 内容
    20XX年7月 左大腿部の脂肪肉腫と診断され、手術を実施。
    20XX+2年7月 再発を認め、広範切除術を実施。同部位に対して陽子線治療(70.4Gy/32回)を施行。
    20XX+5年9月 再々発を認め、広範切除術を実施。坐骨神経に隣接する部位が断端陽性だった。再発リスクの高さから抗がん剤治療を勧められたが、ご本人はこれを望まれず、ご家族の決断で樹状細胞ワクチン療法を受けることを決められた。
    20XX+5年12月 樹状細胞ワクチン療法を開始。
    その後〜現在 経過良好のため、投与間隔を延ばしながら継続(現在は半年に1回のペース)。再発なく、元気に当院へ通院中
    脂肪肉腫3024 治療経過タイムライン(手術・陽子線を繰り返すも抗がん剤を受けず免疫療法後3年以上再発なし)

    治療の考え方(SynerTri®)

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、患者さまが抗がん剤治療を希望されなかったため、局所療法〈スイッチ〉としての手術・陽子線治療を土台に、免疫を活性化する〈アクセル〉である樹状細胞ワクチン療法を継続しています。断端陽性・再発を繰り返す難しい状況ながら、免疫療法開始後は再発なく経過しています。なお、標準治療を行わない選択にはリスクもあるため、病状を十分に評価したうえで個別に方針を検討しています。

    主治医のコメント

    「抗がん剤を拒否された症例で、標準治療(薬物療法)は行っていないにもかかわらず再発していないことから、主治医の見解としては、免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)による効果と考えます。」

    ― 本症例の主治医より

    副作用・リスク

    樹状細胞ワクチン療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。

    • 成分採血時:めまい・吐き気(迷走神経反射)、口の周り・手足のしびれ等
    • 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤・皮疹・発熱

    治療効果には個人差があります。同様の効果を保証するものではありません。

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      矢﨑雄一郎 プレシジョンクリニック東京院長
      監修:矢﨑 雄一郎 医師
      プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

      CATEGORY

      近しい症例

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