この症例のポイント
この症例と似たような状況ではありませんか?
この症例では——
手術が可能となり、寛解・無再発を実現しました。
同じように膵臓がんステージ3・傍大動脈リンパ節転移で、標準治療中・標準治療後の方は、次に検討すべき治療を考えるタイミングです。
膵臓がん ステージⅢ。傍大動脈リンパ節転移を伴い、当初は手術・放射線治療の適応はありませんでした。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 診断 | 急性膵炎の精査を契機に、膵臓がんステージⅢ(傍大動脈リンパ節転移)と診断。 |
| 治療開始 | 抗がん剤(FOLFIRINOX)と免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を開始。 |
| 治療変更 | 病変が増大したため遺伝子パネル検査を実施し、抗がん剤を免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダ【ペムブロリズマブ】)へ変更。免疫療法は継続。 |
| 縮小 | 膵臓がんは約2/3に縮小、リンパ節転移も縮小。腫瘍マーカー(CA19-9)が 70台→正常化。 |
| コンバージョン手術 | 縮小により手術が可能となり、コンバージョン手術を実施。 |
| 経過 | 術後は寛解となり、現在まで再発なく経過。お仕事にも復帰されています。 |
腫瘍マーカー基準値:CA19-9 37 U/mL以下。

当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、標準治療としての抗がん剤(FOLFIRINOX、のちに免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダへ変更)に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を、免疫の〈ブレーキ解除〉として免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせ、縮小後にコンバージョン手術(局所療法〈スイッチ〉)を行いました。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。樹状細胞ワクチン療法:4ヶ月・7回投与。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法のうち、樹状細胞ワクチン療法・活性化リンパ球療法では重い副作用が認められることはほとんどありません。一方、免疫チェックポイント阻害薬では免疫が過剰に働くことによる副作用(免疫関連有害事象)に注意が必要です。主な副作用は以下のとおりです。
プレシジョンクリニックでは、膵臓がんに精通した外科医・内科医・がん薬物療法医・ゲノム解析の専門家がチームを組み、KRASをはじめとする遺伝子変異の解析に基づいて、お一人おひとりに合った膵臓がんの個別化医療をご提案しています。標準治療に加えて検討できる選択肢をお探しの方は、こちらをご覧ください。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。
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