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トリプルネガティブ乳がんステージⅣ(肺転移)で術後4年間以上再発なしを確認した症例|樹状細胞ワクチン療法

この症例のポイント

  • トリプルネガティブ乳がんステージⅣ(肺転移)で化学療法・乳房全摘術後に肺転移が出現した46歳女性。樹状細胞ワクチン療法を開始し、左上葉切除術後は抗がん剤を使用せずワクチン単独でフォロー。
  • ワクチン投与部位に100mm大の強い免疫反応(発赤)を確認。がんに対する免疫活性化が示唆された。
  • 2019年9月時点で再発なく経過観察中(免疫療法開始から4年間以上無再発)。抗がん剤なしでも再発予防を実現した症例。

この症例と似たような状況を目指してみませんか?

この症例では、トリプルネガティブ乳がんの肺転移(46歳)に樹状細胞ワクチン療法を行い、肺の切除後は抗がん剤を使わずワクチン単独で、
免疫療法の開始から4年以上再発なく経過しています。
同じようにトリプルネガティブ乳がん・肺転移で、標準治療中・標準治療後の方は、
次に検討すべき治療を考えるタイミングです。ご相談は無料です。

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    トリプルネガティブ乳がん(TNBC)とは

    乳がんにはホルモン受容体(ER・PgR)とHER2タンパクの発現状態によって複数のサブタイプがあります。トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、ER・PgR・HER2のいずれも陰性であるサブタイプで、乳がん全体の約15〜20%を占めます。ホルモン療法も抗HER2療法(トラスツズマブなど)も効かないため、化学療法が治療の中心となります。

    TNBCは進行が速く再発リスクが比較的高い一方、免疫原性が高い(免疫細胞の浸潤=TILsが多い)という特徴があります。この性質が免疫療法との相性の良さにつながります。

    乳がんサブタイプ 特徴・主な治療
    ルミナルA型(ER/PgR陽性・HER2陰性) 最も多い。ホルモン療法が有効。予後良好。
    HER2陽性型 抗HER2療法(トラスツズマブ等)が有効。
    トリプルネガティブ(本症例) ホルモン療法・抗HER2療法が使えない。化学療法+免疫療法を検討。

    トリプルネガティブ乳がんステージ4(肺転移)の標準治療

    TNBCでステージ4(遠隔転移あり)の場合、根治を目指すことは難しく、化学療法による腫瘍制御と生活の質(QOL)の維持が主な目標となります。代表的な化学療法レジメンにはアンソラサイクリン系(FEC・AC)、タキサン系(パクリタキセル・ドセタキセル)などがあります。

    近年では免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブ)がPD-L1陽性TNBCの一次治療に承認され、免疫療法が標準治療の一角を担い始めています。孤立性肺転移では切除術(肺部分切除・上葉切除など)が選択される場合もあります。

    孤立性肺転移への外科的切除

    乳がんの遠隔転移としては骨・肺・肝・脳が多いですが、孤立性(単発)の肺転移では外科的切除が根治または長期制御の手段となります。本症例でも左上葉切除術を実施し、病理診断で乳がんの肺転移と確認されています。

    乳がん肺転移に免疫療法を組み合わせる考え方

    TNBCは免疫原性が高く、TILs(腫瘍浸潤リンパ球)が多い症例では免疫療法との相性が期待できます。当グループでは、外科的切除後の再発予防を目的とした樹状細胞ワクチン療法(SynerTri®のアクセル)を組み合わせる戦略を採っています。

    SynerTri®の役割 本症例での対応
    アクセル(免疫活性化) 樹状細胞ワクチン療法でがん特異的免疫を誘導
    スイッチ(局所制御) 左上葉切除術で転移巣を除去し抗原放出を促進
    標準治療(化学療法) 術前・術後FEC(6回)として別軸で実施済み

    よくある質問(FAQ)

    Q. トリプルネガティブ乳がんで肺転移が出た場合、抗がん剤なしの選択肢はありますか?
    本症例では肺切除術後に抗がん剤を使用せず、樹状細胞ワクチン療法単独で4年間以上再発なしを維持しています。TNBCはホルモン療法・抗HER2療法が使えないため、免疫療法が再発予防の選択肢になり得ます。治療効果には個人差があります。
    Q. 乳がん肺転移後の手術と免疫療法は並行して進められますか?
    本症例では2015年1月に樹状細胞ワクチン療法を開始し、2015年2月に左上葉切除術を実施しています。手術と免疫療法の時期・順序は患者さまの体力・腫瘍の状態に応じて個別に設計します。
    Q. 樹状細胞ワクチン接種部位の大きな反応は効果の指標になりますか?
    本症例では接種部位に100mm大の発赤が確認されました。接種部位の皮膚反応は免疫活性化の一指標とされますが、反応の大小と治療効果が必ずしも比例するわけではありません。治療効果には個人差があります。

    Case Report ─ 当院の乳がん改善症例

    重要症例

    乳がん
    トリプルネガティブ
    ステージⅣ
    肺転移
    40代
    女性
    樹状細胞ワクチン療法

    トリプルネガティブ乳がんの肺転移に、免疫療法を組み合わせる

    ここまでトリプルネガティブ乳がんの治療の考え方をご紹介しました。転移が見つかった場合でも、手術に免疫の働きを後押しする方法を組み合わせる設計を検討できます。実際に樹状細胞ワクチン療法を受けられた患者さまの経過をご紹介します。

    患者情報

    項目 内容
    診断名 乳がん(トリプルネガティブ)術後、肺転移(ステージⅣ)
    年齢・性別 46歳 女性
    治療法 樹状細胞ワクチン療法+左上葉切除術
    治療期間・回数 樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
    治療費 当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。

    治療経過

    時期 内容
    2013年6月 乳がん(トリプルネガティブ)と診断。術前化学療法(FEC)を4回施行。
    2014年1月 乳房全摘術・腋窩リンパ節郭清を実施。術後に抗がん剤(FEC)2回+放射線治療を施行。
    2014年11月 CTにて肺転移が出現。
    2015年1月 樹状細胞ワクチン療法を開始。投与部位に100mm大の発赤を確認(強い免疫反応)。
    2015年2月 左上葉切除術施行。術後病理にて乳がんの肺転移と確認。術後は抗がん剤を使用せず、樹状細胞ワクチン療法単独でフォローアップ。
    2019年9月(確認時) 再発なく経過観察中。免疫療法開始から4年間以上無再発を維持。

    治療の考え方(SynerTri®)

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、標準治療としての抗がん剤(FEC)に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を、局所療法〈スイッチ〉として左上葉切除術を組み合わせています。切除によって放出された乳がん抗原が樹状細胞ワクチン療法と相乗的に作用し、より強力ながん特異的免疫の誘導が期待されます。

    副作用・リスク

    樹状細胞ワクチン療法の副作用は基本的にほとんど認められませんが、以下の可能性があります。

    • 成分採血時:めまい・吐き気(迷走神経反射)、口の周り・手足のしびれ等
    • 細胞培養時:細菌等による培養汚染リスク
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤(本症例では100mm大)・皮疹・発熱

    治療効果には個人差があります。同様の効果を保証するものではありません。

    当グループでは他の乳がん症例として、乳がんステージ4で樹状細胞ワクチン療法を実施した症例乳がんで長期経過を確認した症例も報告しています。

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      矢﨑雄一郎 プレシジョンクリニック東京院長
      監修:矢﨑 雄一郎 医師
      プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

      CATEGORY

      近しい症例

      HER2陽性乳がんステージⅣ(多発肝転移)に抗HER2療法と樹状細胞ワクチン療法を併用し、原発巣・肝転移が著明に縮小、診断から5年経過した43歳女性の症例

      トリプルネガティブ乳がんステージ2で手術・抗がん剤後に樹状細胞ワクチン療法を継続し、術後12年間再発なしを維持した69歳女性の症例