この症例のポイント
膵体部がん ステージⅣb。多発肺転移・肝転移・右副腎転移を伴い、手術は不能でした。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 発見の契機 | 糖尿病で通院中、肝胆道系の数値が上昇。 |
| 診断時 | 精査の結果、膵体部がん・多発肺転移・肝転移・右副腎転移と診断。手術は不能で、主治医からは余命1ヶ月と宣告されました。 |
| 抗がん剤導入 | ジェムザール+TS-1を開始。 |
| 免疫療法の併用 | 活性化リンパ球療法を開始し、3ヶ月後に樹状細胞ワクチン療法を追加。 |
| 経過 | 膵体部の原発巣・多発肝転移の縮小を確認。 |

当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、免疫の〈兵隊役〉である活性化リンパ球療法を開始して免疫細胞を増殖させたうえで、3ヶ月後に〈兵隊を強化する司令官役〉の樹状細胞ワクチン療法を追加しました。
膵臓癌ステージ4に対する当院の治療の組み立て(抗がん剤と免疫療法・分子標的治療をどう組み合わせるか)は、膵臓がんステージ4の治療選択肢|標準治療後・KRAS・免疫療法の相談にまとめています。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法(樹状細胞ワクチン療法・活性化リンパ球療法)では副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。
この症例は多発肺転移・肝転移・副腎転移で余命1ヶ月と宣告されましたが、抗がん剤と免疫療法(活性化リンパ球療法・樹状細胞ワクチン療法)を併用し、原発巣と肝転移の縮小を確認しました。全身状態によりますが、まず治療歴と検査結果をもとに検討します。
活性化リンパ球療法は患者さんのリンパ球を増やして戻す治療で、比較的早く始められます。樹状細胞ワクチン療法はがんの目印を免疫に教える治療で、準備に時間がかかります。この症例では先に活性化リンパ球療法を始め、3か月後に樹状細胞ワクチン療法を加えました。
受けられます。この症例は糖尿病で通院中に膵臓がんが見つかりました。血糖の管理を続けながら免疫療法を行いますが、栄養療法を組み合わせる場合は食事内容を調整します。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。
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