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TOP › コラム › テーマ › 免疫療法 › 脳腫瘍治療2026年8月動向|光線力学治験や遺伝子予測AIなど3つの進展

免疫療法

投稿日:2026.9.5/更新日:2026.11.5

脳腫瘍治療2026年8月動向|光線力学治験や遺伝子予測AIなど3つの進展

この記事でわかること

  • 国立がん研究センターが転移性脳腫瘍にレザフィリンを用いる治験を開始しました。
  • 東海大学などがグリオーマの遺伝子変異を予測する画像解析AIを開発しました。
  • 膠芽腫で用いられる電場療法機器の技術が膵臓がんへ適応拡大の部会を通過しました。

脳腫瘍の治療で次の一手を探している方へ
再発を抑える免疫療法を、当院に相談してみませんか?

脳腫瘍は手術・放射線・抗がん剤を行っても再発しやすく、次の手を早めに準備する必要があります。
当院は膠芽腫などの脳腫瘍に対して、樹状細胞ワクチン療法を中心とした免疫療法を、主治医の治療と並行して設計します。
これまでの治療歴と検査結果をうかがったうえで、ひとつずつご説明します。ご相談は無料です。

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    頭痛や手足のしびれを契機に脳腫瘍と診断されたとき、患者さまやご家族は先の見えない不安に直面します。手術で腫瘍をどこまで安全に取り除けるのか、再発を抑える手立てはあるのかという悩みは切実です。脳の機能を守りながら腫瘍を制御する研究は日々着実に前進しています。診断精度を高める技術や新たな局所療法の治験など、日々の生活を支えるための最新動向をわかりやすく整理してお届けします。

    レザフィリンを用いた光線力学的療法、転移性脳腫瘍で治験開始

    国立がん研究センターは、転移性脳腫瘍の患者さまを対象に光線力学的療法の医師主導治験を開始しました。光に反応する薬剤を使って、手術で取り切れなかった微小な腫瘍細胞を叩く試みです。

    この治療はレザフィリンという光感受性物質をあらかじめ静脈注射し、がん細胞に集積させます。その上で腫瘍の摘出腔に特定の波長の半導体レーザーを照射し、生じる活性酸素で残存細胞を死滅させます。

    原発性の悪性脳腫瘍である膠芽腫に対しては、すでに国内で保険適用されている治療法です。今回の治験は、肺がんや乳がんなどから脳へ転移した病巣に対しても同様の局所制御効果が得られるかを検証する段階にあります。

    開頭手術で目に見える腫瘍を取り除いても、周囲の正常な脳組織との境界には目に見えない細胞が残る恐れがあります。光線力学的療法は周囲の神経機能を温存しながら、局所再発のリスクを下げる手法として期待されています。

    本治療は現在治験段階であり、今すぐ一般の病院で誰でも受けられるわけではありません。当院でも患者さまから局所再発予防の選択肢について尋ねられる場面が増えています。適応基準や治験の進捗については、主治医や当グループにご相談ください。

    グリオーマの遺伝子変異を予測するAI、東海大学などが開発

    東海大学や国立がん研究センター、理化学研究所のチームは、グリオーマの遺伝子変異を予測するAIモデルを開発しました。手術前の画像情報などから腫瘍の生物学的特徴を高精度に捉える試みです。

    脳腫瘍の代表格であるグリオーマの診断では、IDH遺伝子変異などの分子プロファイルが治療方針や予後を左右します。これまでは手術で摘出した腫瘍組織を用いてゲノム解析を行い、変異の有無を調べていました。

    今回のAIモデルは、特殊な遺伝子解析を行う前に画像特徴量から変異の有無を推定することを目指しています。診断までの時間を大幅に短縮できれば、術前の治療計画をより精密に立てやすくなります。

    現在は研究開発の段階であり、実臨床に導入するには多施設での精度検証が必要です。とはいえ、画像とゲノムを融合させた個別化医療の基盤として大きな可能性を秘めています。

    私たちの外来でも「遺伝子変異の結果が出るまでどのくらい待つのか」と不安を口にする患者さまが少なくありません。迅速かつ体に負担の少ない診断技術の確立は、治療選択の迅速化に直結します。ゲノム解析の意義や検査の進め方について詳しく知りたい方は、お気軽に当グループへお声がけください。

    膠芽腫で実績のある腫瘍治療電場療法、他がん種へ技術を展開

    膠芽腫の標準治療として知られる腫瘍治療電場療法の技術が、他のがん種へ広がりを見せています。厚生労働省の部会は、切除不能な膵臓がんを対象とした機器の承認を了承しました。

    腫瘍治療電場療法は、特殊なシートを頭皮に貼り、微弱な交流電場を腫瘍部位に負荷する治療法です。細胞分裂の過程を電気的に妨害することで、がん細胞の増殖を抑制する仕組みを持ちます。

    膠芽腫の初回治療や再発治療において、この機器はすでに臨床現場で広く活用されています。頭髪を剃って装置を長時間装着する必要があるため、患者さまの生活や通院負担への配慮が不可欠な治療でもあります。

    今回、同一の作用原理を持つ機器が膵臓がんへと適応を広げたことは、物理的なアプローチの有用性を改めて示しています。電場療法と抗がん薬との併用効果に関する知見が蓄積されることで、膠芽腫における併用療法の最適化にも還元される可能性があります。

    当グループでもこの治療に取り組んでおり、日常生活を送りながら機器を継続するコツを患者さまと共に考えています。電場療法を検討したい方や装着に伴う生活への影響が気になる方は、主治医や当グループに遠慮なくご相談ください。

    脳腫瘍摘出後のリハビリテーションと長期生存を支える支援

    開頭手術を乗り越えた患者さまにとって、治療後の生活再建や機能回復は極めて切実な課題です。後遺症を抱えながらもリハビリに励み、スポーツや仕事へ復帰する方々の姿が注目されています。

    脳腫瘍の治療では、運動麻痺や言語障害、高次脳機能障害といった神経脱落症状が生じることがあります。退院後も地道な機能訓練を重ねることで、少しずつ日常生活の動作を取り戻していく過程が大切です。

    外来でも患者さまから「以前のように体を動かせるようになるのか」「復職は可能なのか」という相談を頻繁に受けます。運動機能の回復には個人差がありますが、焦らず段階的に活動範囲を広げていく姿勢が支えとなります。

    腫瘍自体の制御を担う急性期治療と並行して、生活の質を維持するためのリハビリや栄養管理を早期から組み立てる視点が欠かせません。長期生存を見据えた生活上の工夫や支援制度の活用について、いつでも専門職にご相談ください。

    当院の実例

    摘出率60%の神経膠芽腫に樹状細胞ワクチン療法を加え、8年間進行停止を維持している30代女性

    30代で神経膠芽腫と診断され、手術で摘出できたのは腫瘍の60%でした。放射線と抗がん剤(テモダール)の後、診断から6か月で当院を受診し樹状細胞ワクチン療法を開始。1セット終了後のMRIで進行停止を確認し、その後は投与間隔を延ばしながらテモダールと年1回の樹状細胞ワクチン療法で、診断から8年間、進行停止を維持しています。

    症例の詳細を見る →

    ※個別の症例であり、治療効果には個人差があります。同じ結果をお約束するものではありません。

    まとめ

    脳腫瘍の診療は、ゲノム解析に基づく精密診断と局所制御を狙う先端医療の両輪で着実に進展しています。摘出腔への光線力学的療法や画像予測AIの開発は、個別化医療の具現化に向けた確かな足がかりです。脳腫瘍はプレシジョンクリニックグループが創業以来最も取り組んでいるがん種のひとつであり、当グループでは腫瘍微小環境を考慮した多角的なアプローチの実績を積み上げています。

    一人ひとりの遺伝子プロファイルに寄り添い、生活の質を守る最善の治療選択肢を提示することに全力を注いでいます。治療計画や今後の選択肢に迷われた際は、どうぞ安心してご相談ください。

    脳腫瘍の治療で次の一手を探している方へ
    再発を抑える免疫療法を、当院に相談してみませんか?

    脳腫瘍は手術・放射線・抗がん剤を行っても再発しやすく、次の手を早めに準備する必要があります。
    当院は膠芽腫などの脳腫瘍に対して、樹状細胞ワクチン療法を中心とした免疫療法を、主治医の治療と並行して設計します。
    これまでの治療歴と検査結果をうかがったうえで、ひとつずつご説明します。ご相談は無料です。

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      よくある質問

      光線力学的療法は今すぐ受けられますか?

      転移性脳腫瘍に対するレザフィリンの光線力学的療法は医師主導治験の段階で、実施施設と適格基準が限られます。手術で取り切れなかった残存腫瘍に対しては、樹状細胞ワクチン療法などの免疫療法を組み合わせる選択肢もご相談ください。

      AIで遺伝子変異を予測できれば、遺伝子検査は不要ですか?

      画像AIは手術前に変異を推定する補助であり、治療方針を決める遺伝子検査(IDH変異など)の代わりにはなりません。当院では遺伝子解析の結果をもとに免疫療法の抗原を選びます。

      膠芽腫で標準治療の後にできることはありますか?

      あります。当院では放射線・テモダールの後に樹状細胞ワクチン療法を加え、進行が再び始まった時点で免疫チェックポイント阻害薬を追加するなど、段階的に免疫療法を重ねる設計を行っています。

      参考にした記事

      https://www.hokkaido-np.co.jp/article_photo/listwww.hokkaido-np.co.jp / 2026-08-26

      監修:矢﨑 雄一郎 医師

      プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科

      がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。

      【免責事項】本記事は2026年8月に公表された公的機関の発表・査読論文・主要医学メディアの報道に基づいて作成しています。一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の患者さまへの診療を行うものではありません。記載した治療のなかには、国内の保険適用や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療方針は、主治医または専門医にご相談ください。
      【最終更新日】2026年9月9日

      監修医師:矢﨑 雄一郎医師

      監修医師

      矢﨑 雄一郎医師

      免疫療法・研究開発

      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

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